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生コーヒー豆エキスの主成分『クロロゲン酸』に脂肪吸収抑制作用メカニズムがあることを発見

生コーヒー豆

オリザ油化(本社愛知県一宮市)は、機能性表示食品(ダイエット・血糖値対策)素材「生コーヒー豆エキス」の主成分クロロゲン酸の新たな脂肪吸収抑制メカニズムを解明し特許出願をしました。

食品として摂取した脂質は、吸収されやすい形になるようリパーゼが分解し、小腸から吸収されます。その後、脂質は生体内でエネルギー源として利用されますが、その時の律速酵素として CPT(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ)が知られています。同社では20年以上前にクロロゲン酸類のダイエットメカニズムが、肝臓の脂肪燃焼促進(CPTの発現促進)であることを見出して特許を取得し、生コーヒー豆エキスを商品化していますが、今回の新たな知見として、クロロゲン酸が、分解された脂肪の小腸粘膜からの吸収も抑制するという新たなダイエットメカニズムを明らにしました。

同社では、小腸モデル細胞での実験方法を構築し、リパーゼによって分解された脂質が小腸から吸収される量(トリグリセリドの量)を測定。その結果、クロロゲン酸は、分解された脂肪の小腸粘膜からの吸収を抑制するという新たなダイエットメカニズムが明らになりました。
具体的な実験方法と結果の考察は、小腸粘膜を模した Caco-2細胞レイヤーをメンブレン上で作製し、オレイン酸とクロロゲン酸を含む培地をレイヤー
上に入れ、レイヤーを介してメンブレン下の培地に移行したトリグリセリド量を測定しました。この手法により、分解された脂肪酸の腸管細胞への取り込みとトリグリセリドへの再合成を調べることが可能となり、クロロゲン酸の脂肪吸収抑制作用の評価が可能となる実験系の構築に成功しました。(図1)

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実験の結果、クロロゲン酸の添加によって実験開始から24時間後に移行したオレイン酸由来のトリグリセリド量は減少しました。したがって、クロロゲン酸は①オレイン酸の腸管壁への吸収を抑制、②オレイン酸からトリグリセリドへの合成抑制または③トリグリセリドを運ぶカイロミクロンの合成を抑制している可能性が考えられます。(図2)

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執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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