日本メナード化粧品と名古屋大学が共同で、フェイシャルエステが脳活動に与える影響を解析したところ、施術が海馬・島皮質・吻側前頭皮質を活性化し、心地よさやストレス軽減につながるという実験結果を公表しました。
実験は23人の女性を対象にし、エステセラピストが顔・デコルテを中心としたフェイシャルエステを行い、施術前後で心理評価のためのアンケートと唾液採取、fMRIの測定を実施しました。施術後は心地よさの指標となるオキシトシンが増加し、ストレスの指標となるコルチゾールが減少していることが、唾液から確認されています。またアンケートからは、「心地よさ」「幸福感」「リラックス」といったポジティブな感情が高まった一方で、「ストレス」「疲れた」などのネガティブな感情が軽減することが確認されました。(グラフ)
フェイシャルエステ前後の脳機能的結合の解析では、施術によって海馬と島皮質、海馬と吻側前頭皮質の間でそれぞれの脳機能的結合が高くなることが明らかになりました。また、心理状態と海馬と島皮質の脳活動との関連については、唾液中オキシトシン濃度と脳機能的結合に正の相関を、唾液中コルチゾール濃度と脳機能的結合に負の相関があることを確認。これらの脳領域は、身体の感覚情報の処理や記憶の形成に関わることが報告されており、フェイシャルエステによる心地よい感情の喚起やストレス軽減にも関与している可能性が示唆されました。

健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル