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メイクアップ化粧品市場はコロナ禍からの需要回復が進む


富士経済はコロナ禍からの需要回復が進むメイクアップ化粧品、インバウンド需要の拡大や付加価値商品が好調なボディケア用品の市場を調査しその結果を公表しました。

調査では化粧品市場のうち、メイクアップ化粧品10品目、ボディケア用品6品目の市場について、現状を捉え、今後の方向性を予想していますが、ここでは主にメイクアップ化粧品について紹介します。

2023年は新型コロナウイルス感染症流行の収束からファンデーションやメイクアップベース、リップカラーの需要回復が進みました。これらはロングラスティング効果(塗布した状態が長持ちする効果)に加えて、艶などの質感や色味などの仕上がりを重視する消費者が増えたため、高価格帯アイテムの需要が高まったほか、韓国コスメやインフルエンサーブランドで複数色を購入するケースもみられたことが要因となっています。アイメイクも“マスクメイク”からのトレンド変化によって大きく伸びています。
2024年も、「メイクアップを楽しみたい」とする消費者の意識が高まっており、仕上がりや色味の使い分けなどにより複数商品の購入がみられるほか、インバウンド需要の回復が進むブランドもみられ、市場拡大が続くと予想しています。

ベースメイク(メイクアップベース、ファンデーション、フェイスパウダー)の2023年は、新型コロナの5類移行を受けた外出機会増加による“脱マスク”で顔全体を見せる機会が増えたことから、需要回復が遅れていたファンデーションやメイクアップベースが伸びています。ロングラスティング効果に加えて、カバー力や艶感といった仕上がりに対するニーズも高まり、SNSやクチコミで評価が高い高価格帯アイテムが好調でした。また、顔の立体感の演出を訴求したアイテムやシェーディングが好調、加えてインバウンド需要の回復もみられたため市場は大きく拡大しています。
2024年は、様々な商品の値上げが進んでいる中で、ベースメイクは仕上がりを重視する消費者が多いことから、プレステージブランドに対する需要は根強く、インバウンド需要も順調で市場は好調のようです。メイクトレンドでは艶感のある仕上がりが継続して人気でありつつも、セミマットながら艶もある質感を打ち出した商品の投入などによるバリエーションの拡充が進んでいます。仕上がりの異なるアイテムを使い分ける消費者も増えており、市場は伸びが続くとみられます。

ポイントメイク(アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ、マスカラ、チークカラー、リップカラー、ネイルカラー・ネイルケア)の2023年は“脱マスク”が進んだため、リップカラーやチークカラーの需要が回復し、一部ではインバウンド需要も好調だったため市場は拡大しました。リップグロスやプランパーで艶感やボリューム感を出すリップメイクや、コンシーラーカラーのアイブロウマスカラなどで眉の印象を抑えた“うす眉”メイクなどがトレンドとなり需要喚起につながっているようです。
2024年は、本格的にリップカラーやチークカラーの使用を再開するユーザーが増加し、ポイントメイク全体で質感や絶妙な色味へのニーズが高まっているため、外資系プレステージブランドなどは値上げに関わらず好調です。コロナ禍ではマスクに隠れていた顔のパーツのバランスを整える新たなメイクトレンドや、“顔タイプ別”の商品提案により需要喚起が進み、市場拡大が予想されます。

メイクアップベース市場

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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