エステサロンを開業して、サロンを軌道に乗せるためには、開店前の準備やお店のコンセプト作りが重要だと言われています。
しかし、開業するにあたってどのような準備が必要なのかはっきりしない方も多いのではないでしょうか。
今回は、エステサロンにおける開業前にやることについて、開業までの流れや必要になる資金、初期費用の抑え方について紹介します。
独立開業を目指している方や、不安の中で開業準備をしている方はぜひ参考にしてください。
まずはエステサロンを開業するまでの流れを把握しよう！
開業前は準備で忙しくなるため、行き当たりばったりで目の前のことから片づけていきがちです。
開業までの事前準備は、開店後の経営にかかわる重要な部分です。
そのため開店直前で慌てないためには、全体像を把握する必要があるでしょう。
エステサロンを開業するまでに必要な準備は以下のとおりです。
・資金の調達
・物件を探す
・各方面との契約
・使用する機材の手配
・開店準備
・営業準備
それぞれより細かく確認していきましょう。
事業計画書を作成する
たとえ融資などが必要なかったとしても事業計画書は必ず作成しましょう。
今後の経営の基盤になるだけでなく、サロンの売り出しや戦略を立てる際にも役立ちます。
コンセプトやターゲットを明確にし、資金計画や収支計画を文字や数字を用いてまとめていきましょう。
資金の調達
自己資金でまかなえられない場合は、開業資金を調達しなければなりません。
資金調達の方法は、友人や家族からの支援、日本政策金融公庫による新規開業資金の融資や制度融資の利用などが挙げられます。
また、国や地方自治体が支給する助成金や補助金の利用も積極的に活用しましょう。
物件を探す
開業にあたって物件を探さなければなりません。
物件探しのポイントは「立地」「外観」「内装」「家賃」です。
お店のコンセプトやターゲットとマッチした物件かどうかも重要なポイントでしょう。
また、周辺に競合他社がいないかどうかも確認しておきましょう。
立地や外観によって賃貸料は大きく異なり、お店の収益も変わります。
どんなに良い物件でも予算を超えた無理な契約は危険です。
予算を大幅に超える場合は授業計画を見直すなどして無理な手出しはしないようにしましょう。
各方面との契約
物件の契約が済んだら、開店に向けて各方面との契約も進めていきます。
内装契約、融資の契約、美容機械購入、レンタル契約、インフラの整備など様々です。
開店前は忙しく、中身を確認する余裕もないかもしれません。
しかし、開業で失敗しないためには、不備がないようしっかり内容を確認することが重要です。
開店準備
開業に向けて、施術に必要な備品やインテリアを揃えていきます。
内装工事に合わせて連携を取りながら準備をしていくと良いでしょう。
営業準備
開店準備と並行して、営業準備もしていきましょう。
新規サロンは認知度が低いため、集客のためには宣伝が必要です。
SNSを活用した宣伝やチラシや広告を利用するのも良いでしょう。
エステサロンの開業に必要な届出や許可証について
開業前にやることの1つとして開業届の提出があります。
開業した日から1ヶ月以内に、店舗のある地域を管轄する税務署に「個人事業の開業届出（開業届出書）」を提出しましょう。
サロンの規模や売上の小ささから開業届を提出しない方もいますが、メリットが多いので、個人事業主として開業届を提出することをおすすめします。
例えば、開業時に融資が受けやすくなったり、小規模企業共済への加入資格が得られたり、青色申告で節税することも可能です。
届出の遅れによる罰則はありませんが、開業届はお店が開業した1ヶ月後までには提出するようにしましょう。
また、開業届とは別に、サロンの取り扱うメニューによっては許可証が必要な場合もあります。
「国家資格保有者を必要とする施術」や「首から上の施術を行う」場合が該当します。
・鍼治療や灸療法
・あん摩マッサージ指圧師による指圧マッサージ
・まつ毛エクステ
・まゆ毛カット
・まつ毛パーマ
これらの施術をメニューとして取り入れる場合は保健所への届出が必要になります。
エステサロン開業に必要な資金・費用
開業前にやることを把握した後は、開業までに必要となる資金や費用について確認しましょう。
大まかな準備でスタートした場合、想定外の出費でエステサロンが開業できなかったり、融資が必要になったりする可能性もあります。
実際、何にどれくらいの資金が必要になるのか目安を知っておくことは重要です。
ここでは、エステサロン開業に必要な資金や費用について紹介します。
物件契約にかかる費用
立地や物件の規模によって値段が大きく変わります。
自己資金が用意できない場合は自宅サロンの選択で費用を抑えることが可能です。
また、物件は、なるべくオープン日に合わせて契約しましょう。
早すぎる契約は余分に家賃がかかってしまうからです。
内装／リフォーム費用
賃貸物件でも自宅サロンでもサロンとして開業するのであれば内装工事は必要です。
お客様が満足するような内装工事をし、非日常的な空間を提供しましょう。
一般的なエステサロンの場合、坪単価20万円程度が目安とされています。
10坪程度のサロンで、約200万円費用がかかる計算です。
施術用の備品、消耗品費
エステの施術で必要な備品や消耗品は以下のとおりです。
ベッド／ワゴン／シーツ／タオル類／使い捨てのショーツなど／コットン／ガウン／スリッパ／遠赤外線消毒器／施術で使用する化粧品／マスク／手袋など
ベッドは安い物であれば数万円で購入できます。
（電動ベッドの場合、15～20万円程度）
美容機器のレンタル費、購入費
痩身機器や脱毛器、美顔器などの施術で利用するマシンを用意しなければなりません。
購入方法は、現金以外にもローンやリース、レンタルなどから選択できます。
マシンも500万を超える高額なものから100万程度で購入できるものもあります。
予算を超える場合は、レンタル・リースを検討しましょう。
お客様用の備品費
お客様が快適に過ごせるために必要な備品にかかる費用です。
ひざ掛けやスリッパ、ドリンクサービスで使うグラスなどが該当します。
サロンの雰囲気やコンセプトを意識した備品で統一すると良いでしょう。
通信費、通信機器購入費
タブレットやパソコンの購入費やWi-Fiなどの通信費用も必要です。
ノートパソコンの相場は5～10万円程度、インターネットで回線工事が必要な場合は、おおよそ3万程度の費用がかかります。
広告宣伝費用
エステサロンの存在を知ってもらうためには広告宣伝は重要です。
美容予約サイトの掲載には、2.5万円／月～かかり、検索上位にするには、さらに追加費用がかかります。
Web広告を使った集客の場合は10～30万、チラシやクーポンを配布する場合も同様の金額がかかってくるでしょう。
研修費、講習費、資格取得費
サロンの開業に特別な資格は必要ないですが、マシンを利用するにあたって講習を受ける場合、受講料がかかります。
また、お客様からの信頼を得るために個人的に資格を取ったり、研修に参加したりする場合、数万～数十万程度の費用がかかるでしょう。
エステサロン開業に必要な初期費用を抑える方法（助成金や補助金など）
エステサロン開業にあたって、初期費用を抑えることは重要です。
初期費用が抑えられれば、余分な費用を他のサービスに充てることや開店後の収益が不安定な時期に余裕ができるからです。
利用できるものは積極的に利用して、開業にかかる費用を抑えましょう。
自宅サロンを検討する
エステサロン開業にあたって、物件を契約する際には、敷金、礼金、仲介手数料などが必要になります。
その他毎月の家賃も固定費として支払わなければなりません。
敷金礼金は家賃の4～6ヶ月分が相場なので、仮に家賃が8万円の物件であれば、初期費用に40万円程度かかる計算になります。
立地条件や物件の規模によって金額も大きく変わります。
自己資金をあまり準備できない場合は敷金、礼金が必要ない自宅サロンからスタートする方が安心でしょう。
助成金や補助金を活用する
エステサロン開業で活用できる助成金や補助金があります。
助成金、補助金ともに原則返済不要の資金です。
条件が設定されていたり募集期間が定まっていたりするため、各自治体のホームページをよく確認しておきましょう。
エステサロン開業で利用できる助成金
トライアル助成金／キャリアアップ助成金／人材開発支援助成金／地域雇用開発助成金／自治体独自の助成金
エステサロン開業で利用できる補助金
小規模事業者持続化補助金／IT導入補助金／ものづくり補助金／地方自治体の補助金
SNSを活用した宣伝
来店数を確保するには、多くの人にサロンを知ってもらわなければなりません。
チラシ作成、サイトへの掲載、ホームページの作成依頼など広告費は高額になるため、SNSを活用した宣伝戦略を立てると良いでしょう。
効果が高く、大きく費用を抑えることができます。
インスタやXなどお店の雰囲気やコンセプトがわかる写真や動画をアップすると良いでしょう。
ブログを立ちあげて、メニューやスタッフの紹介など不安感をなくす宣伝も効果的です。
セールやフリマサイトを利用する
フリマサイトや地域のコミュニティツールを使って、安価に消耗品や備品を揃えることもおすすめです。
家具などを中古品で用意できれば、よりコストを抑えることができます。
今回は、エステサロンの開業に必要な準備や開業にかかる費用、初期費用の抑え方について紹介しました。
エステサロン開業の成功は、開店前の計画や準備で決まります。
お店のコンセプトや事業計画などを明確にして、予算に合った準備をしていくことが重要でしょう。
開業後の運営をスムーズに進めるためには初期費用を抑えることも大切です。
補助金や助成金を積極的に活用し、収支計画と照らし合わせてリースやレンタルなども検討してみてみると良いでしょう。
