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リカバリーウェア市場が拡大傾向 2030年に1,700億円規模へ

温活

日本能率協会総合研究所マーケティング・データ・バンクは、リカバリーウェア市場の調査をし、その市場規模を推計した結果を公表しました。

リカバリーウェアは、特殊な鉱物やセラミックスを繊維に織り込んだ、または生地に転写した機能性衣料で、休養時や睡眠時に着用し、体温を遠赤外線として輻射することで血行促進や疲労回復等をサポートします。
2010年にアスリート向けの休養時専門ウェアとして発売されましたが、当時は品質基準や効果表示に明確なルールが存在せず粗悪品も流通していました。2022年に厚生労働省が薬機法に基づく品目として「家庭用遠赤外線血行促進用衣」を追加したことから、科学的根拠(エビデンス)を示したうえで届け出を行えば、血行促進や疲労回復等の効能を表示して販売できるようになりました。これにより、根拠のない疲労回復訴求製品が是正され、消費者も安心して購入できる市場環境が整い、本格的にリカバリーウェア市場に参入する企業が相次いでいます。

2024年以降、人気アイドルを起用したテレビCM等のプロモーションが展開され、アスリート以外の層への認知度が高まり、2025年には作業服大手企業が1着1,900円という価格設定で一般消費者向け製品の販売を開始したことで、市場は急速に拡大しています。利用者層は、比較的経済的に余裕のある30代から50代のミドル層です。
大手企業の参入による大量生産と価格競争が進展する一方で、今後は機能性の差別化が競争力の鍵となります。また、新規購入層の拡大に加え、体調回復効果の可視化や製品ラインアップの強化を通じリピーターをどの程度獲得できるかが、安定的な市場成長を左右する要因となります。リカバリーウェアの市場規模は2024年の189億円から、2030年には1,700億円まで成長すると予測しています。

グラフ

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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