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アフェリエイト・ステマ広告の規制を強化へ!~消費者委員会~


2022年3月3日、消費者委員会は第367回本会議を開催しました。
アフィリエイト広告を仲介するアフィリエイトサービスプロバイダ(ASP)やアフィリエイターに対する規制、また例えばYouTubeなどを利用したステルスマーケティングなどのSNS型広告に対する規制の可能性について「SNS型としてユーチューバーなどの販売事業者でない第三者が報酬を得ているケースもあるのではないか」、「成果報酬と間接的に結びついている広告であるにもかかわらず、広告である旨を明示しないステルスマーケティングと称される行為についてどのような対策を講じるのか」などの質問が各委員から出されました。

会議では景品表示法が不当表示を行った“事業者”に対する規制法であることを再三強調し「理論的にはASPが供給するサービスで表示があって、それが一般消費者に誤認を与えるという実態があれば、これはASPが供給主体として規制対象になることはあり得る」との意見が出され、またSNS型ステマ広告に対しては、「実態を把握した上で検討してくれとの宿題をもらっており、具体的に現時点で決まっているわけではないが、消費者庁としてはいずれ実態を把握して対応策を検討しなければいけないと考えている」とも示された。

また「必ずしも供給というのは、消費者に直接物を売っていなければならないわけではなく、あくまで不当な顧客を誘引しているのは”誰か?”という観点から判断する法的評価である。広告主以外の事業者が実質的に供給している、または表示を決定しているという評価が可能であれば、そういった者に対して景表法を適切に適用していく」と言った意見もありました。

2021年11月にインスタグラムで初の措置命令となった事件に関しては、「これは通信販売会社2社が措置命令を受けたもので、2社が共同してアフィリエイトプログラムを用いて表示内容を決定し両方とも供給主体だった。実質的にはある意味、共同行為。消費者利益を守るために、我々としては可能な範囲でできることをやっていく」と見解が示された。

景品表示法は財産被害に関しては無力!特商法との連携も必要!

また、「景表法は残念ながら、不特定多数の一般消費者に誤認を与える表示を規制する法律で、財産被害に関しては無力」とし、「現行の景表法の枠組みで考えると、優良誤認・有利誤認がないと規制はできない。ただ広告であるにもかかわらず、広告でないかのように装うこと自体、直ちに商品サービスの優良性または有利性に結びつかないので、それ自体は規制できない」と現行法の現状も説明したうえで、景表法で処分されてもすぐに別法人を立ち上げるなど、少数の人間が違反を繰り返している実態を取り上げ、「その法人たる事業者を規制しても、結局、その法人を隠れ蓑として別の法人を立ち上げて、全く同じことを繰り返すということがある。その背後にいる人物に対して業務禁止命令を出すことが必要」と、特定商取引法との連携による対策にも言及されました。

消費者庁は夏前を目途に、景品表示法第26条「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置」に基づき、アフィリエイト広告版の指針を作成する予定で、この指針に「何らかの形で広告であることが明示する方が望ましい」ということを盛り込む作業も進めているとしています。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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