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治療院業界も競合激化で差別化が必要


矢野経済研究所は、国内の柔道整復・鍼灸・マッサージ市場を調査し、市場規模・動向、参入企業の動向、将来展望を明らかにしました。最近ではこのような治療現場でも差別化を図るため、エステティックマシンを導入している傾向もありますので、市場の動向を知っておくのも良いと思います。

接骨院や鍼灸院、マッサージ院等で行われる施術は、いずれも国家資格者である施術者が行う医療類似行為(サービス)として位置づけられており、整形外科での医療行為や整体・カイロプラクティックなど民間資格を持つ施術者による療法とは異なります。
2022年の柔道整復・鍼灸・マッサージ市場規模(事業者売上高ベース)はとくに民間資格サロンや整形外科など周辺業種との競合が激しい柔道整復(接骨院)市場が低迷したこともあり、前年比98.8%の9,560億円と微減推移しました。
2023年は5月に新型コロナウイルス感染症法上の位置付けが5類に移行し、行動制限緩和で来院患者数が増加したことを背景に、各市場とも堅調に推移したことで2023年の同市場は前年比103.0%の9,850億円となっています。(グラフ)

国内の柔道整復・鍼灸・マッサージ市場は、治療院数の増加による競合増に加え、民間資格サロンや整形外科など周辺業種との患者獲得を巡る競争が激しくなっています。いずれの治療院もこれまでと同じやり方、同じサービスの継続では立ち行かなくなる可能性が高いと考えられます。

今後、接骨院・鍼灸院・マッサージ院において取り組んでいかないといけない経営上の課題としては、
①同業者や周辺業種との競合による来院患者数の減少への対応、
②労働環境改善による人材確保や教育のマニュアル化による人材育成、
③厚生労働省が示した、医療機関と誤認させたり、効能をうたったりする広告表現を制限する広告ガイドラインへの対応が挙げられます。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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