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産前産後の栄養素に欠かせないビタミンD


産前産後の女性の身体は、妊娠や出産を経て大きな変化を経験し、通常とは異なる状態になることが多いと言われています。特に季節性インフルエンザや新型コロナウイルス、ノロウイルなどの感染状況などを踏まえて、自身の免疫力に不安を抱く方も多いのではないでしょうか。
森の環(本社富山県高岡市)が現在妊娠中の女性と産後1年以内の女性1,026人を対象に「産前・産後の女性が抱える栄養課題」に関する調査を実施し、その結果を発表していますので紹介します。

免疫力低下への不安

「妊娠中・産後において自身の免疫力低下を感じますか?」との質問では、「とても感じる(41.8 %)」、「やや感じる(43.2%)」と約8割の人が免疫力の低下を感じていると回答しており、妊娠中・産後ともに免疫力低下を感じている人は多いようです。(グラフ1)

グラフ1

免疫力の低下を感じていると回答した8割の人に理由を聞いたところ、体力の低下(53.1%)」と回答した人が最も多く、次いで「睡眠不足(43.5%)」、「運動不足(38.7$)」、「女性ホルモンの大きな変化(38.7%)」という結果になっており、約半数以上の人が、「体力の低下」を免疫力低下の主な原因としてあげています。産前産後の女性たちは、睡眠不足に加え、妊娠・出産による身体のエネルギー消耗や栄養バランスの乱れ、さらに身体が通常の回復力を十分に発揮できない状況に直面することが多いと考えられることから、総合的に「体力の低下」と回答した方が多いのかもしれません。

栄養面での不安

妊娠中はつわり、産後は育児疲れなどで十分な食事を摂れていない方もいるかと思います。そこで、「現在、栄養面で満足できる食事を摂れていますか?」と質問したところ、現在妊娠中の人は約4割、産後1年以内の人は約6割の人が、満足に栄養が摂れていないことがわかりました。(グラフ2)

グラフ2

「十分に食事が摂れていない理由として当てはまるものを選んでください(複数回答可)」と質問したところ、両者ともに「栄養が偏った食事が多い」という回答が最も多く、栄養バランスに配慮することが難しい状況が共通している様子がうかがえます。また、その他の上位の理由を見ても、体調の変化や日々の忙しさが、自分の食事に十分な時間や労力を割くことを難しくし、結果として栄養面で満足のいく食事を摂ることが難しい状況に繋がっているようです。(グラフ3)

グラフ3

ビタミンDの重要性

栄養に関する不安を持たれる産前産後に特に必要な栄養素と言われているのがビタミンD。ビタミンDは胎内死亡や新生児死亡のリスクが減少すると言われていますが、母体や赤ちゃんにとって重要な栄養素だと知っている方はどの程度いるのでしょか。「ビタミンDが母体や赤ちゃんにとって重要な栄養素であることをご存知ですか?」と質問したところ、「知っている(53.7%)」、「知らない(46.3%)」という回答結果で、ビタミンDの重要性について知っている方が約半数いるものの、知らない方も多いことがわかりました。(グラフ4)

グラフ4

では実際に、食事でビタミンDを十分に摂取できていると思う人がどの程度いるのかを聞いていますが、妊娠中の人は約4割が摂れておらず、特に、産後1年以内の人は、摂取できていないと回答した方が約7割に上り、妊娠中に比べて摂取が難しいことがうかがえます。(グラフ5)

グラフ5

その理由としては「どの食品にビタミンDが含まれているか知らないから(32.3%)」、「栄養を考えた食事を作る余裕がないから(29.0%)」、「ビタミンDが必要だという意識が薄いから(28.9%)」が上位を占め、「知識不足」や「余裕のなさ」「意識の薄さ」から、ビタミンDを十分に摂取できていないと感じることがわかりました。(グラフ6)

グラフ6

産前産後に関わらず、ビタミンDは重要な栄養素の一つです。食品ではハナビラタケに多く含まれていますが、毎日食べるのも大変だと思います。その墓では手軽に飲める味噌汁やスープなどにビタミンDを含む食材を利用してみるのでも良いと思います。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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