矢野経済研究所は、審美歯科と矯正歯科に関する消費者アンケート調査を実施し、審美歯科・矯正歯科での治療に対する需要などを分析し、その調査結果が一部を公表されました。
調査では、全国で審美歯科での治療に興味のある20代~60代の男女250名、審美歯科での治療を受けたことのある20代~60代の男女250名、矯正歯科での治療に興味のある10代~50代の男女200名、矯正歯科での治療を受けたことのある10代~50代の男女200名に対して、消費者アンケートを実施しています。
まず、審美歯科・矯正歯科で興味のある治療内容、実際に行った治療内容について尋ねていますが、審美歯科で興味のある治療(単数回答)としては、「ホワイトニング」(68.4%)が過半数を超え、「オールセラミッククラウン」(20.0%)が続いています。
一方、実際に行った治療(単数回答)についても、「ホワイトニング」(57.6%)が1位、次いで「オールセラミックブラウン」(20.8%)となっています。
調査の結果からは、興味層、経験層とも、「ホワイトニング」への強い興味・関心が伺える結果となった。
矯正歯科で興味のある治療(単数回答)としては、「マウスピース矯正」が49.0%と半数近くが「マウスピース矯正」に興味を持っています。しかし、実際に行った治療(単数回答)については、「表側ワイヤーでの全体矯正」(51.0%)が1位となり、「マウスピース矯正」(22.0%)は2位です。
調査の結果からは、興味のある治療内容と実際に行った治療内容が異なることがわかりました。(表1)
次の質問では審美歯科・矯正歯科に興味を持った理由や治療を行った理由について聞いています。
審美歯科に興味を持った理由や治療を行った理由(複数回答)としては、「歯並びや歯の色、形などの見た目を改善したいため」(65.2%)が最も高く、次いで「歯の欠損や割れ、かみ合わせなどの機能的な問題を解決したいため」(25.6%)が続いています。
男女の違いをみてみますと、男性は「歯の欠損や割れ、かみ合わせなどの機能的な問題を解決したいため」が全体と比較して6.0%高く、男性の方が機能的な問題を理由として審美歯科に興味を持ったり治療を行う傾向が大きいようです。
一方、女性は全体と比較し、「歯並びや歯の色、形などの見た目を改善したいため」が7.6%、「審美的欲求を高めたいため」が6.8%高く、女性の方が見た目の美しさを高めるという理由から審美歯科に興味を持つ治療を行う傾向は高いようです。
矯正歯科に興味を持った理由や治療を行った理由(複数回答)としては、「歯並びを改善したいため」(74.3%)が最も高く、次いで「かみ合わせなどの機能的な問題を解決したいため」(33.8%)が続いています。
男女での比較では、女性は全体と比較して「審美的欲求を高めたいため」が4.7%、「自己肯定感を高めたいため」は3.7%高く、女性の方が見た目の美しさを高めるために、矯正歯科に興味を持ったり治療を行う傾向は大きい傾向です。また、男性は全体と比較して「虫歯や歯周病の予防のため」が3.7%、「発音を改善するため」は2.7%高く、男性の方が口腔ケアや発音改善などを目的に矯正歯科に興味を持つ、治療を行う傾向が高い結果となっています。(表2)

健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル