自宅でエステサロンを開業したいと考えたとき、まず気になるのが必要な資格はあるのかという点ではないでしょうか。
そこで今回は、エステサロンの開業で必要な資格について解説していきます。
後半では、自宅サロン開業のメリット・デメリットも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
自宅サロンの開業に資格は不要!
結論から言うと、自宅でエステサロンを開業する際に必要な資格はありません。
理由は、日本でのエステに関する公的な資格がないからです。
そのため、資格が無くてもエステティシャンを名乗ることができて開業も問題ありません。
資格が必要ないからといっても、一定レベルの技術や知識が無ければ、お客様からの信頼を得るのは難しいです。
また、人の体というデリケートなものを相手にするからこそ、一定の技術や知識を身に付けることは必須です。
サロンでの勤務経験や実務経験が少ないという方は、技術力や知識を向上させるため、資格取得を目指して勉強することをおすすめします。
ちなみに、自宅サロンの開業に資格は必要ありませんが、開業届の提出は必要です。
エステサロンに限らず、個人事業主として仕事を始める場合も開業届の手続きが必要です。
書類は国税庁のホームページからダウンロードできて、提出先は所在地を管轄する税務署です。
提出が遅れてもペナルティー等はありませんが、郵送でも受け付けているので忘れずに出しましょう。
代表的な民間資格
お客様からの信頼や安心感を得てもらうためには、資格があると有効です。
ここでは、おすすめの民間資格をいくつかピックアップして紹介します。
一般社団法人エステティック協会(AJESTHE)
AJESTHEは、日本における健全なエステティックの普及と発展を目的として1972年に設立されました。
エステティシャンの養成をはじめ、認定校や認定資格の普及を主に行っています。
認定フェイシャルエステティシャンや認定ボディエステティシャン、認定エステティシャンなど様々な認定資格があり、エステに関する基礎知識や基礎理論、技術の習得ができます。
認定上級エステティシャンや認定トータルエステティックアドバイザの資格を取得していると、一定レベル以上の技術や知識があるとみなされます。
一般社団法人日本エステティック業協会(AEA)
AEAは2009年に一般法人となった協会です。
認定校でカリキュラムを履修、あるいはサロンでの実務経験など、指定された条件を満たすと筆記や実務の認定試験を受けられます。
合格すると、AEA認定エステティシャンやAEA上級認定エステティシャン、AEAインターナショナルエステティシャンなどの資格が取得できます。
一般社団法人CIDESCO-NIPPON
CIDESCOはスイスに本部のあるエステティックの国際組織です。
世界各地にある国際認定校で、統一カリキュラムを実施しており、試験に合格することで、ライセンスを取得できます。
また、エステティシャンとして働きながら取得できる一般受験もあります。
CIDESCO-NIPPONでは、日本の認定資格を取得しているエステティシャンだけが受けられるCIDESCO衛生管理資格もあります。
CIDESCO衛生管理資格には、「ビューティーセラピーディプロマ」「スパセラピーディプロマ」「アロマセラピーディプロマ」の3種類あります。
自宅サロンを開業するメリット・デメリット
エステサロンを開業する際、自宅の一室を利用する自宅サロンを選ぶ人が増えています。
ここでは、自宅サロンを開業するメリット・デメリットを紹介します。
自宅サロンを開業するメリット
開業資金が店舗に比べて少ない
自宅サロンの最大のメリットと言えるのが、店舗型サロンに比べて開業資金が少なくて済む点です。
店舗型サロンの場合、新たに店舗を借りて準備する必要があるため、初期費用が大幅に掛かります。
特に開業当初は、思うように集客できないことも考えられます。
自宅サロンなら、家賃などの経費が抑えられるため、赤字リスクも軽減できます。
自分のライフスタイルに合わせて働ける
自宅サロンならば、煩わしい通勤時間がかかりません。
また、自分の都合に合わせて働けるため、子育て中でも無理なく仕事ができます。
私生活と仕事の両立は大変ですが、自宅サロンならでライフスタイルに合わせやすいのがメリットです。
開業準備を慌てずにできる
エステサロン開業のため物件を契約したら、その日から家賃が発生します。
他にも内装や道具の準備など、開業までにしなければならないことが多いので、契約と同時にオープンするのが困難です。
少しでも損失を減らすには、開業準備を早急に済ませる必要があります。
しかし、自宅サロンならば家賃なども発生しないため、大まかに決めた予定に合わせて、自分のペースで準備を進められます。
自宅の広さによっては部分的な改装が必要かもしれませんが、新規物件と比較しても短時間で済ませられるでしょう。
自宅サロンを開業するデメリット
生活感が出やすい
自宅サロンでは、玄関やトイレなどお客様が使用するエリアが家族と共用となる場合が多いです。
エステサロンでは非日常的空間を味わいたいと考える人もいるため、おもちゃが散らかっていたり、生活感が出ていたりすると、マイナスイメージを与えやすいでしょう。
また、行きたいと思ってもらえなければリピートにつながらず、経営にも支障をきたします。
自宅サロンをする場合は、生活感が出ないような工夫が必要です。
集客が難しい
大手サロンのように元々知名度があり、さらに大々的に宣伝できれば、新規オープンでもお客様を集めやすいです。
しかし、自宅サロンの場合、そもそも知名度がないため、最初の集客が難しいといったデメリットがあります。
その場合は、予約してくれた人に対し、自宅サロンの住所を送るといった手間も掛かります。
私生活と仕事のバランスがとりにくい
家で仕事をしていると、ちょっとした空き時間に家事をしたり、子どもの相手をしたりといったことが可能です。
それはメリットでもあるものの、一方で私生活と仕事を切り分けにくく、バランスが取りにくいといったデメリットにもなってしまいます。
エステサロンの経営では、お客様の施術以外にも集客や事務仕事などやるべきことはたくさんあります。
家にいながらできるからこそ、プライベートの時間を犠牲にしていたなんてことも少なくありません。
ここまで、自宅サロンを開業するための資格を中心に紹介しました。
エステサロンを開業するための資格が必要ないことに、驚いた人も多いのではないでしょうか。
エステティシャンとして開業するには、正式な資格や免許は必要ありません。
技術や知識があれば、誰でも開業することが可能です。
だからこそ、もっと知識を身に付けたい、技術を磨きたいという人はもちろん、自身のテクニックを証明したいと言う人は、民間資格を取得するのがおすすめです。
また、自宅サロンの開業を検討している人は、今回紹介したメリットやデメリットもぜひ参考にしてみてください。