エステサロン開業は挑戦しやすい職業として知られていますが、開業のしやすさだけを見て取り組むのは心もとないと感じる方がほとんどでしょう。
今回は、挑戦の決め手となるエステサロン開業の利益についてご紹介します。
エステサロン開業の平均利益や利益を上げるポイントを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
エステサロン開業で見込める利益について
まずは、エステサロンを開業したときに得られる利益について見てみましょう。
利益とは、売上から経費を差し引いたものです。
そして、利益率とは、売上高に対し、利益がどれくらいあるのかを表す割合のことを指します。
エステサロンで儲けるためには、この利益率を高めていくことが大切です。
利益率がなぜ重要なのかと言うと、どれだけ売上が高くても利益率が低ければ、多くの利益を残せないからです。
例えば利益率20%のサロンAと利益率40%のサロンBがあり、どちらも売上が100万円だったとします。
得られる利益を算出すると、サロンAの利益は20万円、サロンBの利益は40万円になります。
どちらも同じ売上にも関わらず、利益には20万円という大きな差が生じるのです。
エステサロン開業を検討している場合は、収入よりも利益率を高めることを意識して進める必要があると言えます。
ちなみに、エステサロン開業で見込まれる平均的な利益率は、個人経営で15%、一般的なエステサロンで30%とされています。
一般的な企業の平均利益率は4%~10%とされており、個人経営のエステサロンと比べても低水準です。
つまり、エステサロン開業は、ハードルが低い上、多くの利益を得やすい職業だと言えるでしょう。
利益を上げる方法は?
エステサロン開業では、収入よりも利益に注目することが大切だとご紹介しました。
開業を検討している段階から利益を高める方法を把握しておくと、よりよいスタートが切れるはずです。
利益を上げる方法としては、次の6つが挙げられます。
集客に力を入れる
これからエステサロンを開業する場合は、オープン前から積極的に集客を行うことがとても重要です。
当然、お客さんが入れば入るほど売り上げが上がり、その分利益も高まります。
エステサロンの集客方法としては、SNSやWeb広告、ポータルサイト、ホームページ、ブログ、折込チラシ、口コミ、紹介などが挙げられます。
集客方法は多くありますが、適当に選べばよいというわけではありません。
ターゲットやサロンのコンセプトに合った集客方法を選択することで、より高い集客効果を得られます。
高い効果を得るためには、各媒体にどれだけの効果があるのかを把握することも大切です。
来店数はもちろん、リピート率、ターゲット層に刺さっているのかなどを確認し、その都度記録しておきましょう。
リピーターの獲得
エステサロンの経営を安定させるには、リピーターの存在が欠かせません。
リピーターが増えれば、経営が安定する他、集客にかかる費用を削減することにもつながります。
口コミによる宣伝効果にも期待できるでしょう。
つまり、売上向上と経費削減が同時に叶い、利益率アップが実現可能になるのです。
リピーターを獲得するには、顧客のニーズに合ったサービスを提供すること、そして再来店のきっかけを作る必要があります。
特にサロンの印象を決めるカウンセリングは、丁寧に行うことを意識することが大切です。
再来店してもらう方法としては、クーポンやポイントカードを活用するなどが挙げられます。
客単価を上げる工夫
メニュー価格を適切に設定した上で、客単価が上がりやすくなる工夫を施すことも大切です。
オプションメニュー、セットメニュー、期間限定メニューなどの用意はもちろん、顧客のニーズに合ったメニューを取り入れます。
例えリピーターが多くいたとしても、同じようなメニューに飽きてしまう可能性はゼロではないでしょう。
新鮮味のあるアイデアを考案するためには、トレンドを把握する、顧客の悩みをしっかり聞くなど、普段からの意識が欠かせません。
経費削減
利益アップには、経費削減も有効です。
エステサロン開業に必要な経費は、固定費と変動費の2つです。
固定費は売上に関わらずかかる費用で、家賃、通信費、リース代、水道光熱費などが該当します。
その月の売上がゼロでも支払わなければならない費用となるため、開業前から最小限に抑えておくのがおすすめです。
変動費は、売上の増減に伴って変動する経費で、消耗品、原材料費、集客にかかる費用などが該当します。
原材料費や消耗品の仕入れ原価を抑えることで削減できるものの、質の悪いサービスにつながることもあるため、慎重に検討する必要があります。
比較的固定費の方が削減しやすいと言われているため、まずは固定費に注目するとよいかもしれません。
物販を充実させる
エステサロンにおいて、物販は売上アップに大きく影響する要素です。
「経済産業省/エステティック業の概況」によると、エステ業界の売上は、3割が物販販売で成り立っているとされています。
これらをふまえると、物販を充実させることも利益向上に欠かせないポイントだと言えるでしょう。
物販は仕入原価がかかることから、施術よりも利益率は低いです。
しかし、物販にこだわることで他サロンとの差別化が図れたり、定期的な購入が期待できたりするといった大きなメリットがあります。
エステサロン開業に大切なのは利益だけではない
エステサロンを開業する場合、利益を重視するだけでなく、自分に見合ったサロンを開けるのか、経営の知識があるのかなども大切なポイントとなってきます。
次のポイントを踏まえて、どのようなエステサロンを開業するのかイメージしてみるのがおすすめです。
初期費用削減
エステサロンを開業するためには、20万円~600万円程度の資金が必要です。
自宅サロンなのか、テナントサロンなのかで大きく異なりますが、こだわりのサロンを作るなら、自宅サロンであっても100万円以上かかることもあるでしょう。
エステサロンは、開業後も運転資金が必要になります。
エステサロン開業は黒字化する前に廃業してしまうケースが少なくないため、初期費用にたくさんのお金をつぎ込むのではなく、できるだけ運転資金に回すことが大切です。
初めてのエステサロン開業であれば、まずは自宅サロンから始めるなどで初期費用を削減するのがおすすめです。
軌道に乗ったタイミングでテナントサロンに移行するなどの工夫をすれば、失敗した時のリスクを抑えられます。
フランチャイズへの加盟を検討
エステサロンを開業したいけど、経営に関する知識がない、失敗のリスクが怖いといった理由からなかなか踏み出せない方は多いでしょう。
そのような方は、フランチャイズへの加盟を検討するのがおすすめです。
フランチャイズへ加盟すれば、安定した経営はもちろん、エステに関する技術やノウハウなども提供してもらえます。
加盟金やロイヤリティが発生するものの、ブランド力を借りられるため、集客にかかる費用を抑えられる、エステ機器などを格安で借りられる、オリジナルの物販品を取り入れられることから、利益向上につながる可能性が高いです。
今回は、エステサロン開業でどれだけの利益が得られるのか、利益を上げるためのポイントなどをご紹介しました。
エステサロンの平均利益率は15%~30%とかなり高水準であるため、工夫やポイントをおさえておけば、十分に儲かる職業だと言えます。
しかし、経営の知識や技術に自信がない場合、リスクを低減するためにもフランチャイズへの加盟を検討するなどを考える必要があるでしょう。
今回ご紹介した内容をふまえて、利益の高いエステサロンの経営に挑戦してみてください。