今年4月から、特定健診における高血圧での受診勧奨と判定する基準(mmHg)が、現在の「収縮期140/拡張期90」から「収縮期160/拡張期100」へと変更されることになった。
「高血圧の基準値」が変わったと誤解されがちだが、今回の改訂は受診すべき数値が変わったということだ。検診において治療すべきという値が140/90mmHgから160/100mmHgに。
これまでは140/90mmHgを超える数値が出ると、即治療対象だったのが、「今年の4月以降、健康診断や人間ドックなどで140/90mmHgだった人は生活習慣を改善する努力した上で、数値が変わらなければ医療機関で受診を」ということだ。
現在、140/90mmHgを超えた値で治療を受けている方は、今後、医師の判断次第で休薬となる可能性もある。
受診すべき高血圧の基準が変わったとはいえ、高血圧は、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病死亡に最も大きく影響する要因であることに変わりはない。
もし高血圧が完全に予防できれば、年間10万人以上の人が死亡せずにすむと推計されている。高血圧自体は、過去数十年で大きく減少したが、今なお20歳以上の国民のおよそ二人に一人は高血圧だ。
高血圧の予防
高血圧の予防に欠かせないのは、食塩摂取量の制限。食塩摂取の目標は、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満。
日本高血圧学会は、高血圧患者における減塩目標を1日6g未満にすることを強く推奨している。
日本の食生活は食塩が多くなりやすい傾向にあるため、全体的に薄味にし、漬け物や味噌汁は1回の量を減らすことが大切だろう。
またラーメンなど麺類の汁を全部飲んでしまうと、それだけで6g近い食塩を摂ることに!
一方、野菜や果物、大豆製品に豊富に含まれるカリウムには腎臓から食塩を排泄しやすくする働きがある。
また、カルシウムにも血圧を安定させる効果がある。カルシウムは、牛乳や乳製品から摂取すると、より吸収率が高いことが知られている。これらを組み合わせ、無理のない減塩を長く心がけることが高血圧予防につながるのだ。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-003.html
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトより
健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル