2025年、エステティック業界は明らかに“美”から“ウェルビーイング”へのシフトが進んでいます。美肌・痩身といった目的を超え、「自律神経を整えたい」「ぐっすり眠りたい」「更年期を楽にしたい」といった体調やメンタルの悩みが、美容ニーズの中核に食い込むようになりました。その背景には次のような社会変化があったと言われています。
・40〜60代女性の人口増と更年期課題の顕在化
・メンタル不調・脳疲労・睡眠障害の増加
・AI・フェムテック・睡眠テックなどテクノロジー美容の進化
こうした変化を捉え、エステサロンが提供すべきは「リラクゼーション+未病ケア+自己肯定感アップ」という、複合型の価値です。
実際、4月に開催されたBWJでも従来には見られなかったサービス、製品などが登場していました。それでは、今注目されている7つのトレンドを、市場背景や導入ポイントとともに紹介していきます。
眠ることが、最高の美容液になる時代へ
「睡眠=美容の土台」と再定義され、スリープビューティーが急成長中。
血流・ホルモンバランス・ターンオーバーに影響を与える“質の良い睡眠”は、肌と心を回復させるカギです。
「飲む美容」との組み合わせで差がつく
酵素・NMN・幹細胞上清液など、内側からのアプローチを融合した施術が人気です。
“外から塗る・整える”だけでなく、“内から育てる”美しさへとニーズがシフトしています。
40代以降の女性を惹きつける
「私をいたわる」
ケア更年期ケアや膣まわりのトリートメントが静かなブームに。ホルモンバランスや女性特有の悩みに寄り添うフェムテックは、高感度層のリピート率が高くなっています。
疲れた現代人に「回復力」という贈り物を
赤色LED、CBD、NAD+、高濃度酸素など、再生・回復をテーマにした美容が拡大中。美容医療とのシナジーを狙った施術も注目されています。
「整う感覚」で選ばれるサロンへ
HSP傾向の女性、スマホ疲れ世代に求められるのは“脳のデトックス”。
内観力・自己調整力を高めるような施術が、リピートにつながります。
「癒し」「結果」を求める男性層が 増加中
ビジネスマンや50代以上の男性が、疲労回復・若返りを目的にサロンを利用する時代に。「入りやすさ」と「分かりやすさ」がカギです。
テクノロジーで信頼感と説得力をアップ
AIやスマホ連動の肌解析ツールが、顧客満足とリピート率を底上げ。
“結果が見える化される”ことで、納得と感動の提供が可能に。
これからのエステは「予防医学的アプローチ」へ
美しさとは、単なる見た目のケアではなく、体・心・習慣・テクノロジーの掛け算でつくられる時代です。
未病ケア・ストレスマネジメント・ホルモンバランスなど、医学と美容の「中間領域”」がブルーオーシャン。そこにエステサロンが挑戦することが、2025年以降の飛躍の鍵となるでしょう。
今後3年で広がる可能性が高いキーワード
① マイクロバイオーム美容
腸・皮膚常在菌ケアが主流へ
背景:アトピーや敏感肌対策に「肌の菌バランス」が注目され、スキンケアも“菌活”時代に
② 自律神経ビューティー
感情・気分・ストレス耐性が“美容力”に影響する時代
背景:ホルモンバランス・不眠・冷え性・PMSなど“美容不調”の多くは自律神経がカギ
③ ウェルビーイング・エステ
美と幸せ感の統合へ
背景:「何のために美しくなりたいか?」という本質的価値に注目が集まる
④ AGI(人工汎用知能)時代のパーソナルAI美容師
AIが肌・体調・メンタル状態を日々分析し最適ケアを提案
予測:スマートミラーやAIスキャナーが家庭でも一般化し、サロンでも“診断+施術”が標準に
⑤ ビューティー×スマートバイタル管理
“ヘルスケア数値”が美容指標として扱われるように
背景:スマートウォッチや睡眠計で「体調の数値化」が日常化
⑥ 環境ストレスに強い“防御型美容”
ブルーライト・大気汚染・電磁波…肌と脳を守る美容が重要に

健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル