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アメリカで果物・野菜の癌のリスク低減表示ガイドラインを公表

野菜と果物

アメリカでも死亡原因の第1位ががんとなっていおり、直接的な医療費や発症、死亡による損失を含め、がんによる経済的損失は非常に高いとされている。

アメリカの食事は、脂肪が多く、果物や野菜が少ない傾向にある。
一方で、世界各国の研究によると、植物性食品を多く含む食事を習慣的に摂取している人々は一部のがんのリスクが低いことが示されており、これらの食事は脂肪が少なく、食物繊維、ビタミンA (β-カロテン)、ビタミンCなど、多くの栄養素が豊富に含まれていることが分かっている。

ハンバーガーを持つ女性

アメリカの食事ガイドラインでは、脂肪摂取量の削減 (熱量の30%未満)、望ましい体重 (標準体重) の維持、そして果物と野菜 (1日5品目以上) の消費量を増加させることが推奨されている。

そこで、アメリカでは野菜や果物を販売する際に、アメリカ国内のがん患者数に関する情報を含めてヘルスクレームを記載することが出来るとしているが、今回この表示におけるガイドラインが公表された。

これには、ヘルスクレームの条件として、米農務省 (USDA:U.S. Departmentof Agriculture) および米保健福祉省(HHS:Department of Health and HumanServices) が発行する「Dietary Guidelines for Americans」に準拠していることが必須条件とされている。
また、商品を販売する際は、機能性成分を含む食品成分の表示の方法や機能性成分の適格性および有効性・安全性の表示方法等を満たすことも同時に求められている。

食品

さらに、具体的には「ヘルスクレームには、低脂肪で果物、野菜が多い食事が、一部の癌のリスクを「軽減する」または「軽減する可能性がある」と述べることが出来ることやヘルスクレームに疾患名を記載する際は「一部の種類のがん」の名前を用いることもできる。

対象は低脂肪で、かつビタミンA、ビタミンC、食物繊維を含む果物と野菜で、これらについては連邦規則集21巻(§101.543)3)に記載された、栄養素の含有量の要件を満たす必要がある。
一方、ヘルスクレームは、低脂肪で果物や野菜が多い食事によって、がんのリスクがいかなる程度の減少であったとしても、これらの食品の使用に起因するということは説明できず、がんの発症リスクに関連する可能性のある食物繊維の種類も明記することはできない。

野菜と果物

具体的な表示例としては

「果物や野菜を豊富に含む低脂肪食 (低脂肪で、食物繊維、ビタミンA、ビタミンCを含む可能性のある食品) は、様々な要因によって引き起こされる疾患であるがんの発症リスクを低減させる可能性があります。ブロッコリーは、ビタミンAとビタミンCが豊富であり、食物繊維の含有量も優れています」
「がんの発生は多くの要因に依存しています。低脂肪の果物や野菜を豊富に含んだ食事、つまり、脂肪が少なく、ビタミンA、ビタミンC、食物繊維を含んでいる可能性のある食事は、一部のがんの発症リスクを低下させる可能性があります。オレンジは、脂肪の含有量が少なく、食物繊維やビタミンCの含有量も優れています」

などがあげられている。

ちなみにがんは、100を超えるさまざまな疾患の集合体であり、それぞれが異常な細胞の急激な成長とその細胞の拡散によって引き起こされる。

がんの発症は多くの原因と段階があり、また遺伝的および環境的危険因子の両方ががんのリスクに影響を与える可能性もある。
がんの危険因子としては、特定の種類のがんの家族歴のほか喫煙や過体重、肥満、アルコール摂取、紫外線、化学物質への曝露、そして食事などがあげられ、原因は1つではない。

酒と煙草

果物と野菜のがんの発症予防効果が食物繊維やビタミンA (β-カロテン)、ビタミンCなど、果物と野菜を多く含む食事に含まれる栄養素の組み合わせによる影響なのか、これらの食材によって脂肪の排出が促されたためなのか、あるいは栄養素によるものではないが癌の発症リスクを予防する可能性のある他の物質の摂取によるものなのかについては、科学的な結論は得られていないというのが現状だ。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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