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国内の美容医療市場はコロナ禍を契機に急成長


矢野経済研究所は2024年6月、国内の美容医療市場の調査を行い、市場概況や需要動向等を明らかにしました。

2020年の美容医療市場は新型コロナウイルス感染拡大の影響による患者の受診控えなどもあり、前年割れとなっています。2021年以降、市場は一転成長に転じており、コロナ禍のマスク生活で目元回りの施術を受けたい、あるいは人との接触が少なくなった間にしみ・たるみを改善する施術を受けたいと考える人が増え、需要は増加を続けています。こうしたことを背景に、2023年の美容医療市場規模は医療施設収入高ベースで前年比108.8%の5,940億円と推計しています。

美容医療施術は、外科的施術と非外科的施術にわかれます。美容医療施術は美容外科を標榜する医療施設だけでなく、形成外科、皮膚科、美容皮膚科など、様々な診療科を標榜する医療施設において行われており、非外科的施術においてその傾向が顕著です。

近年の美容医療トレンドとしては、

①オンライン診療を導入する医療施設の増加、②新たな収益源としてドクターズコスメの取り扱いを強化する医療施設の拡大、③デジタルツールを使いこなすZ世代取り込みを企図したSNSマーケティングを強化する医療施設の増加、④「スネコス注射」「ポテンツァ」「リップリフト」など新しい施術の台頭、⑤韓国発の医療材料・化粧品・施術の流通拡大

等があげられます。

医療施設の美容医療市場への参入増加や、女性の美容医療への心理的ハードル低下によるターゲット層の拡大、非外科的施術を経験した女性の高単価な外科的施術受診への意向増加、男性の美容医療需要の拡大などを背景に、美容医療市場規模は2024年以降も拡大基調で推移する見通しであると示唆しています。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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