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2020年度の糖尿病市場は6.818億円と予測


矢野経済研究所は、国内の糖尿病市場の調査を実施し、予防・検査・診断・治療の各市場の現況、参入企業の動向、将来展望などを調査し、血糖自己測定器(本体+センサー)および治療薬を合算した市場規模予測について公表しました。

糖尿病は国民病とも呼ばれるほど多くの人が罹患している疾病です。本調査における糖尿病市場は、血糖自己測定器・関連製品(本体+センサー、メーカー出荷金額ベース)および糖尿病治療薬(血糖降下薬+インスリン製剤、薬価ベース)の2市場を対象としました。2022年度の糖尿病市場規模(2市場計)は6,810億円との予測となりました。
内訳を見てみますと、血糖自己測定器市場は、SMBG(self-measurement of blood glucose)機器本体の価格競争の激化やインスリン療法の導入状況などを背景に近年横ばいから縮小傾向が続いていますが、一方、糖尿病治療薬市場は、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬などの血糖降下薬が拡大基調にあります。

血糖自己測定器市場では、1日の血糖値の変動傾向がわかるCGM(Continuous Glucose Monitoring:持続血糖測定器)機器の上市が続いており、保険適応の拡大などを背景に拡大基調です。
糖尿病治療薬市場では、SGLT2阻害薬は既存製品の保険適応拡大もあり、2021年度の市場規模は1,000億円(薬価ベース)を突破したといえそうです。GLP-1受容体作動薬は経口薬など新製品の売上拡大などが寄与していると考えられます。

糖尿病市場(2市場計)は2025年度に7,000億円を突破するも、2026年度は6,923億円にとどまると予測されています。
血糖自己測定器市場は微減傾向で推移し、糖尿病治療薬市場は薬価改定の影響なども考慮し微増で推移すると予測。引き続きSGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬が拡大するものの、特許切れや薬価改定の影響もあり2026年度には減少する見通しです。

糖尿病市場規模(2市場計)予測

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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