フェムケア市場は更なる拡大傾向へ

矢野経済研究所が、フェムケア＆フェムテック（消費財・サービス）市場を調査し、国内の参入企業の現況や動向や市場の課題と展望を明らかにしました。
2024年のフェムケア＆フェムテック（消費財・サービス）市場は、前年比107.1％の803億9,100万円と推計しました。

2025.09.18

意外に低い「フェムケア」の認知度

近年、女性の健康や快適な暮らしをサポートする商品やサービスとして注目される「フェムケア」。では実際に「フェムケア」に関する認知度はどのくらい...

分野別に市場を見てみますと、更年期ケアに関しては更年期症状自体の認知度が上昇したことで、更年期ケア市場は2021年以降2桁成長を続けています。
2023年には不妊・妊よう性/妊娠・産後ケアの市場規模を抜き、2024年には約280億円規模にまで成長しています。また、日本では特にタブー視される傾向にあったセクシャルウェルネスの市場も、金額規模は小さいものの、更年期ケア市場と同様に2021年以降毎年2桁伸長を続けており、フェムケア＆フェムテック（消費財・サービス）市場拡大に寄与しています。
2025年のフェムケア＆フェムテック（消費財・サービス）市場は、前年比110.5％の888億6,000万円を見込んでいます。

専門店の閉店・規模縮小や、生理（月経）ケア分野での一部企業の撤退など、ここ数年はネガティブなニュースも目立ち、「フェムテックブーム」は一巡したように見えますが、更年期ケアやセクシャルウェルネスの認知の広がりが市場規模拡大に寄与しているものとみられます。また、アイテム・サービスのドラッグストア・バラエティーショップでの展開も強化され、流通チャネルは全国に広がりつつあります。さらに、2024年下期にはドラッグストアのPB商品も発売され、より幅広い層への訴求が可能となっています。このように、アイテム・サービスおよび流通チャネルの拡大によって、フェムケア＆フェムテック（消費財・サービス）市場は「ブーム」という一過性のものではなく、「女性の健康課題に寄り添う存在」として、さらなる成長が期待されます。