富士経済は、個々人に合わせた健康の実現や嗜好の多様化などを背景に、食のパーソナライズ化の需要が高まることを受け、それを実現するソリューション・サービスや食品、機器・資材などのフードテック(パーソナライズフードテック)市場の調査結果を公表しました。
単身世帯の増加や共働き、リモートワークに伴うライフスタイルの変化や生活習慣病の増加などによる健康意識の高まり、グローバル化やインターネット普及で消費者意識が多様化していることなどを背景に、フードテックを活用した食のパーソナライズ化の進展と供に、それを実現するフードテックの需要が増加しています。大手食品メーカーや家電機器メーカー、スタートアップなどの参入が活発化しており、多様化・細分化する消費者のニーズに合った食品や食体験が提供されることで、2030年の市場は2024年比17.9%増の2,600億円と予測されます。
消費者における嗜好の多様化や健康志向の高まりは続いており、パーソナライズを実現し、かつ健康に配慮したメニューについてのレシピ提案サービス、冷凍弁当などのカスタムメニュー宅配サービスはさらに伸長するとみられます。また、個別の対応が求められるアレルギー対応関連サービスが、従来は無かった学校給食や外食向けに展開されており、今後の需要獲得が予想されます。
食品は、2024年にゲノム編集技術やオーダーメイド育種・養殖の商用化が実現したことにより、市場が立ち上がりました。ゲノム編集技術で作られた食品は遺伝子組み換え食品に該当しないため安全性審査が不要であり、省庁への届け出のみで販売可能であることから制度面で最も販売ハードルが低いため、市場拡大に貢献すると予想されます。

健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル