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オイルケアと「脳内美容」


肌トラブルは、表面だけを気にしがちですが、実は自律神経の乱れやホルモンバランスの崩れから起きていることも多いのです。ストレスの多い現代、脳にダイレクトに働きかけるトリートメントが今、注目されています。

女性ホルモンと美しさの関係


これまでのスキンケアはいかに「補う」かが焦点でした。減少してしまった成分を補うことで、肌トラブルを解決に導くのが主流。ですが、ホルモンバランスや自律神経の乱れからくるトラブルには、既存のトリートメントでは効果が出にくいという声も・・・。
ストレスの時代と言われている現代、もはや補うだけではトラブルの根本的な解決にならないのです。考えてみれば、女性の美しさ、若さに深く関わっているのは女性ホルモン。
生理前は肌トラブルが出やすく、生理後はお肌の調子が良い。このような経験、覚えないですか?これは、女性ホルモンの一種エストロゲンの働きによるものです。エストロゲンは、美白や、コラーゲン生成、天然保湿因子に関わるだけでなく、バストの膨らみ、スレンダーボディの維持にも関与しています。
エストロゲンの分泌は思春期から30代までがピークで30代後半から減少していってしまいます。思春期になると、脳内にある【脳下垂体刺激ホルモン】が分泌されます。すると脳下垂体は、このホルモンによって刺激を受け、性腺刺激ホルモンを分泌し、これが細血管から血液循環を通じて卵巣へと運ばれていくのです。
エストロゲンは卵巣に運ばれた性腺刺激ホルモンの指令を受けて、はじめて分泌されることになります。加齢や、ストレスなど様々な要因で「脳疲労」が蓄積すると、脳下垂体刺激ホルモン分泌が低下し、私たちから美しさや若さが奪われていくのです。
減ってしまったエストロゲンを補うのに、薬や注射に頼ることもできますが、オイルトリートメントでケアすることでも効果的なのです。

ウツは脳疲労から


それが、植物の花、葉、果皮、樹皮、根、種子、樹脂などから抽出した有効成分を凝縮した「精油」を用いるアロマセラピー、芳香療養とも言われています。日本においてアロマテラピーは、リラクゼーション目的で利用されていますが、ヨーロッパでは古くから代替医療として、健康や美容効果が認められています。
では、なぜアロマテラピーが脳疲労のケアになるのでしょうか?その鍵は、嗅覚にありました。嗅覚による刺激は、五感の中でも唯一の直接嗅脳に届けられることから、ヒトの感情や本能にダイレクトに働きかける効果が最も高いのです。
香りの刺激によって様々なホルモンが分泌されることは、知られており脳内美容に直結する「脳下垂体刺激ホルモン」もそのうちの1つ。こうした代替療法はアロマテラピーの他に、アーユヴェーダも非常に優れた効果が見られます。
世界最古の伝統医学とされ、世界の医療や美容法に大きな影響を与えてきたアーユルヴェーダ。本来の意味は「生命の科学」。わかりやすく言うと「美しく健康なまま、長生きするための知恵袋」でしょう。アーユルヴェーダがもたらす健康効果は長い歴史の検証で立証されています。
そもそもアーユルヴェーダには、病気と言う概念がありません。体に起こる不快なことはすべてホルモンや気の流れなどホメオスタシスの乱れ。逆に言うとホメオスタシスが正常である限り、年齢に関係なくいつまでも若くて元気でいられます。
脳は年齢を重ねれば重ねるほど、機能が安定し成熟するもの。本来、年齢を重ねるに従い記憶力・判断力は優れていくことが自然なのです。
ですが、現実はどうでしょう?今や、高齢者どころか若年層でも認知症やアルツハイマーが問題になっていますよね。これは、現代人が「脳疲労」にさらされていることが原因でしょう。
テレビやインターネットの普及により、現代人の脳は膨大な量の情報が、その質を問わず流れ込んできています。これは脳にとって大変なストレスです。このストレスが、精神や脳において毒素となり、処理しきれなくなるとやがて、認知症やウツといった不調を引き起こします。
脳や心に溜まった毒素は、残念ながら食事だけでは改善できません。アーユルヴェーダには、こうした脳疲労をオイルで浄化していきます。

アーユルヴェーダ式白ゴマ油健康法


アーユルヴェーダでは老化=乾燥と冷え(ヴァータ体質)と説きます。ヴァータが優位になると、体の水分が減らし肌を乾燥させ、血管がもろくする、血圧が上がる、関節や頭痛、腰痛を引き起こすと言われています。
人間誰しも、年を取るとヴァータが優位になるのは確かです。ですが、最近では若くてもヴァータ優位の人が増えています。生活習慣や食生活の乱れ、環境から来ているのだと考えられます。乾燥と冷えが、体の不調や老化、肥満を引き起こすことは西洋医学でも指摘されています。  
老化の原因となるヴァータを下げるために、アーユルヴェーダでは白ゴマ油を使います。
白ゴマ油はピッタ(火)の性質を持ち、オイルとして体に塗ることで体を温め、代謝を高めてくれるのです。さらに、白ゴマ油はアグニ(消化力)を高め、体の中のアーマ(毒素・未消物)が油に溶け出し、汗や尿、便とともに排出されていきます。
ピッタを強め、ヴァータを下げる白ゴマ油を、もっとも効率よく体内に取り入れるのは体に塗ること。肌に塗ると、毛穴から毛細血管に入り、そこから全身を巡り、15分もすれば骨に浸透すると言われています。
この方法で体内に吸収された白ゴマ油が体のすみずみまで行き渡ることで、体内に溜まった過剰なヴァータやアーマが除去され、乱れたドーシャが正常になり、やがてその人を不快に貶めていた諸症状が消えてなくなるといわれています。
脳の疲労はストレスに繋がり、自律神経にも影響します。自律神経の乱れは、冷えや免疫力低下を引き起こしてお肌にも直撃します。オイルを活用し体の休息と共に脳も休息して、日々リフレッシュした状態で過ごしましょう!

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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