業界ニュース

成長続けるペットビジネス市場

犬

矢野経済研究所は、国内のペットビジネス市場を調査し、セグメント別の動向、参入企業別動向、将来展望を明らかにしました。

2024年度のペット関連総市場規模は、小売金額(末端金額)ベースで、前年度比102.6%の1兆9,108億円を見込んでいます。2022年度から2023年度にかけて、原材料・資材・物流関連費・人件費などの高騰により、企業内でのコスト吸収だけでは利益や品質確保が困難となり、値上げを余儀なくされました。2024年度は値上げは一巡したものの、コスト増が継続していることから、一部では再度値上げを行った企業もあります。また同年度は参入メーカー各社による高付加価値商品の販売が奏功したことに加え、猫向けの商品が伸長したことで、市場規模全体に好影響を与えました。

グラフ

2022年度以降、原材料・資材などの高騰を受けて参入メーカー各社が値上げを実施した結果、ペットフードの市場規模は拡大基調にありましたが、その後も商品価格が高止まりしていることに加え、参入メーカー各社が高付加価値品や新商品の拡販を進めた結果、2024年度も市場は伸長しました。特に、キャットフード市場の伸長がペットフード市場全体をけん引しています。

ドッグフード市場は、プレミアムフード(高価格帯のフード)やスナックに対する需要拡大や値上げにより、市場規模は横ばいから微増で推移しています。ペットの健康に配慮する飼い主の増加を受け、年齢別や犬種別、健康状態別など商品の細分化・多様化が進んでいます。
自然派素材や無添加などを訴求した商品や、肉の含有量が多い商品、国産品なども人気が高く、前年度に続き好調に推移しています。犬用スナックは、ペットとのコミュニケーションツールとして需要が高く、好調に推移しています。

キャットフード市場は拡大を続けています。参入メーカー各社がキャットフードの新商品投入やリニューアルを積極的に行っているほか、ペット専門店は猫関連の売場を充実させています。猫は犬に比べて多頭飼育されることが多いとされており、価格が手頃なスタンダードやエコノミータイプのドライフードに底堅い需要がある一方で、近年は健康ケア(腎臓の健康維持や免疫ケアなど)や、高品質な素材を使用するなど、ペットにとっての美味しさを追求した商品や、複数のフレーバーを詰め合わせた商品といった差別化商品への需要も高まっています。また猫用スナックは、ペットとのコミュニケーションツールとして需要が高いことから好調です。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


Related articles