業界ニュース

発足から10周年を迎えた日本シロダーラ協会


日本で馴染みの薄かったシロダーラを広く知らしめることを目的に設立された一般社団法人日本シロダーラ協会(代表理事 田畑 優美子 氏)。2013年より活動を開始した同協会は2023年で10周年を迎え、2023年、11月25日に10周年を記念したパーティーが開催された。







脳のトリートメントと呼ばれるシロダーラ

シロダーラとはアーユルヴェーダで行われる施術の一つで、今からおよそ5000年前インドで編み出された。
シロダーラの「シロ」はサンスクリット語の「頭・Shiro」を意味し、その名が示す通り頭に対する施術。
アーユルヴェーダでは額の中央には「第三の目」が存在すると言われている。シロダーラは「第三の目」にオイルを流し、脳を瞑想状態に導き身体への様々な効果を高めていく。
リラックスしながらストレス解消を促し、心身の健康を高めるシロダーラはアーユルヴェーダの真髄と呼ばれ、脳のトリートメントとも言われている健康法だ。
近年、睡眠負債やストレスの健康リスクが叫ばれている中、今シロダーラがあらためて注目されている。
協会が発足した10年前は、まだまだ知る人が少なかったシロダーラ。現在は理事や顧問に医師が加わり、日々エビデンスを積み上げている。医療の分野でもアーユルヴェーダが見直され、診療に取り入れるクリニックも増えていると聞く。
そこで、活動から10年を迎えた代表理事である田畑優美子氏に、協会を立ち上げたきっかけと今後の展望について話を聞いてきた。

代表理事 田畑優美子 氏

ボディケアを学ぶためにバリへ。そこで出会ったのがシロダーラ

「私がトリートメントの世界に入ったのは突然の事故で、愛する家族を失い、極度のストレスから体調を崩したことが原因でした。約1ヶ月で9キロも体重が落ちてしまいました。夜も眠れず、絶え間ない頭痛に悩まされ決して健康とは言えない生活でした。
心配してくれた友人が私を癒そうと、エステティックの予約をプレゼントしてくれ、その時に受けたトリートメントにより、人の手の温かさ、優しさが体と心に沁みて健康を取り戻すきっかけとなったのです。
今の時代、ストレスにあふれ、心身症、胃腸虚弱、頭痛薬を手離せない方、不妊、不定愁訴、未病で悩んでおられる方が沢山いらっしゃいます。
私自身がトリートメントで健康を取り戻した経験を生かし、同じように悩んでおられる方のお役に立ちたいとセラピストの道を歩み2002年に『エステティックサロン オリーブ』を開業。
トリートメントの質を高めるためにボディケアを学ぼうと、インドネシアのバリ島にわたりました。そこで出会ったのが『アーユルヴェーダ』だったのです。  
数あるアーユルヴェーダの施術の中でもシロダーラの効果は私の認識を覆すものでした。
学んだ施術を日本に持ち帰りお客様に行ったところ、長年不眠症で悩んでおられた方や、何をやっても疲労感が抜けない方にとても喜んで頂けました! シロダーラの魅力にはまった私は、より深くインドやスリランカの先生や研究者から学んだのでした。

課題を解決しサロンでも手軽に導入できるようアレンジ

優れた効果を生み出すシロダーラでしたが、いろいろと課題もありました。実際にシロダーラの施術は専用の道具を使い、場所もコストもかかり、とても手軽に出来るメニューとは言いがたいもの。
これだけの効果が出るシロダーラのメニューをなんとか手軽に、そして効果を更に上げられるように出来ないかと5年かけての末に編み出したのが『シロダーラ革命』
サロンに導入し、大変だったシロダーラが容易に施術出来るようになり、改めて、シロダーラが沢山のお客様のお役に立てるメニューであることを実感したのです。
そこで、シロダーラのメニューの導入をあきらめていたサロンや治療院などで予防ケアとして、皆様にシロダーラを手軽に受けて頂きたいと願い、一般社団法人日本シロダーラ協会を立ち上げたのでした。
自分自身が心身ともに病んでいた時に、人の手で癒された経験。5000年もの昔から受け継がれたアーユルヴェーダの中でもキング・オブ・アーユルヴェーダと云われる『シロダーラ』。
この経験とシロダーラで沢山の方々のお役に立てることが私の使命であるということを感じています。
協会発足から10年。ありがたいことにシロダーラの設備だけを販売してほしいとのお問い合わせを山ほど頂くのですが、本当に健康になって頂くためにシロダーラについての基礎知識をしっかり学んでから、導入をお願いしております。

シロダーラを世界中に広めたい

シロダーラは脳をケアすることで、心・体・美を同時にケアできるパーフェクトメニューです。あらためて、シロダーラとはストレス社会において、脳をトリートメントすることで、健康的な生活と穏やかな心を手に入れて頂き、ご自身だけでなく、ご家族、社会にも平和な環境を築き、世界中に貢献出来うるメニューであると確信しています。
心にも体にも優しいシロダーラ。それはお客様だけでなく、施術する方にも優しいメニューです。
シロダーラが普及することで、トリートメントの質を高め、お客様がお店に安心して通って頂き、誇りを持ってお仕事できる世界を築きたいと願っています。そして日本だけでなく、世界へと発信していければと考えています」。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


Related articles