ストレス社会の中で常にまつわる睡眠不安。「睡眠負債」といったワードも過去に話題になったこともありますが、永遠のテーマとして『睡眠不安』は今後もまとわりつく不安要素と言えるでしょう。その不安を解消するための対策商品やビジネスモデルが睡眠市場を活況にしています。
94%が睡眠に不満を持つ
フジ医療器が2024年に2,382名に行った睡眠に関するWEB調査結果では「睡眠に関して不満に感じることはありますか?」の質問に対し、94%が「不満がある」と回答しています。年代別で最も多かったのは30代で97.2%、反対に最も少なかったのは70代以上の89.0%で、その差は8.2ポイント。若い世代ほど、睡眠に不満のある人が多い傾向がある様子が見られます。(グラフ1)
睡眠に関して最も不満があるのは「何度か目を覚めること」
また、睡眠に不満を持つと回答した94%の人に「睡眠に関して最も不満に感じることは何ですか?」の質問では、回答の多かった順に「何度か目が覚める」(18.0%)、「トイレが近い」(16.1%)、「寝ても疲れがとれない」(15.1%)でした。(グラフ2)
睡眠に不満がある原因は「加齢」「ストレス」「運動不足」
「睡眠に不満がある原因は何だと思いますか?(複数選択可)」の質問では、「加齢」(41.2%)、「ストレス」(36.8%)、「運動不足」(27.0%)、「手足の冷え」(21.6%)、「原因不明」(14.8%)と続いています。(グラフ3)
機能性表示食品分野でも睡眠に関するヘルスクレーム対策商品への需要が高い
富士経済の調査では睡眠に関連するヘルスクレーム対策商品への関心度が高いことが示されています。睡眠に関するヘルスクレームでは、「グリナ」(味の素)をはじめとした、機能性表示食品へとリニューアルした商品を中心に市場が形成されました。新型コロナウイルス感染症の流行によるライフスタイルの変化で、需要が活性化し機能性表示食品の届出が大幅に増加したほか、2022年に「Yakult1000」がヒットし、一時、品薄状態になったことでもわかるように消費者の睡眠への関心は高いです。「Yakult1000」のほか「届く強さの乳酸菌W」(アサヒ飲料)、「メンタルサポート ココカラケア」(アサヒグループ食品)など、腸内環境改善とストレス緩和を組み合わせたマルチヘルスクレームが好調であり、市場は急拡大が続いていることから、今後も、睡眠のヘルスクレームに対する需要は高いとみられるほか、新たなマルチヘルスクレームを探索する企業も増えており、新商品や睡眠に関する新たなビジネスモデルも開発・発表されることが予想され、市場拡大は続くと思われます。
健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル