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20歳代以上の睡眠不安を感じる人は9割 快眠グッズの購入額増加で睡眠投資ハードルが低下傾向


美と健康の総合メーカー・フジ医療器(本社大阪府大阪市)は、20歳以上の全国4,519名の同社メルマガ会員を対象に「第9回 睡眠に関する調査」をWeb上でのアンケートで実施し、その結果を発表しました。

同調査は睡眠と健康をテーマに、 睡眠に与える影響やその原因、より良い眠りのための工夫など睡眠に関する実態を把握するため、同社が2011年から毎年実施している調査で9回目。

睡眠への不満がある人は93.9%

「睡眠に関して不満に感じることはありますか?」と質問をしたところ、 93.9%が「不満がある」と回答。 これまでの調査同様、毎回90%を超えています。

睡眠への不満がある人は93.9%

睡眠に満足していない回答者数の推移

不満の多くは、「寝ても疲れがとれない」、「何度か目が覚める」、「トイレが近い」

「睡眠に関して最も不満に感じることは何ですか?」の質問では、 回答の多かった順から「寝ても疲れがとれない」(18.0%)、 「何度か目が覚める」(14.6%)、 「トイレが近い」(11.6%)、「朝すっきりと起きられない」(9.1%)、「眠りが浅い」(9.1%)という結果になりました。

特に男性の回答では「トイレが近い」が多く、 女性の回答では「寝ても疲れがとれない」や「眠りが浅い」の回答が多いです。年代別では20~30代では「睡眠時間が満足にとれない」という悩みを持ち、40代から年代が上がるごとに「何度か目が覚める」の回答割合が増えています。

睡眠に関して最も不満に感じることは何か?

睡眠に関して最も不満に感じることは何か?(性別年代別回答一覧)

不満の原因には「身体的・精神的どちらも同じくらい」が4割を占める

睡眠に不満があると回答した人に、「睡眠への不満は身体的、精神的のどちらの原因が大きいと思いますか?」と質問に対しては、 「身体的な疲れ」が21.1%、 「精神的な疲れ」が37.3%、「どちらも同じくらい」が39.5%でした。

睡眠への影響は身体的な面からも精神的な面からも影響があるようですが、特に精神的な疲れから睡眠への不満が生まれている人が多いようです。

原因の半数は「ストレス」と回答。40代から「加齢」の理由が増加

「睡眠に不満がある原因は何だと思いますか?(複数選択可)」の質問では、 「ストレス」(50.0%)、「加齢」(40.6%)、「手足の冷え」(19.5%)、「人間関係の疲れ」(15.6%)、「枕」(15.6%)で「ストレス」が半数を超える結果になっています。

性別間での特長は、女性の方が「ストレス」だと回答する人がより多く、 「手足の冷え」に悩む人も多くなっています。一方、男性は「ストレス」もしくは「加齢」に回答が集中しているようです。
年代別では、「育児の疲れ、就寝中の子どもの世話」が30代に多く、年を重ねるほど「加齢」が原因となる傾向がありました。

理想の睡眠時間「8時間」に対し、実際の平日睡眠時間は6時間以下が6割

回答者全員に平日の平均睡眠時間を聞いたところ、最も回答数が多かったのは「6時間」(36.7%)で、6時間以下の睡眠時間の人が約6割を占めました。
休日の平均睡眠時間で最も回答が多かったのは「7時間」(32.9%)で、平日に比べて睡眠時間を確保できているようです。

一方、 理想の睡眠時間は「8時間」(50.9%)が最も多い回答でしたが、実際に平日に8時間以上の睡眠を取れている人は12.1%、休日でも31.7%にとどまっているため、睡眠時間を長く確保することが難しく忙しい生活を送っている人が多いことがわかります。

快眠を得る工夫の1位は「入浴」。「ストレッチ」、「マッサージ」、「運動」がランクアップ

回答者全員に「快眠をとるために工夫していることはありますか?(複数選択可)」を聞いたところ、回答の多かった順に「入浴をする」(42.2%)、「ストレッチをする」(22.2%)、「マッサージをする」(22.0%)、「運動をする」(20.8%)、 「あたたかい飲み物を飲む」(19.2%)という結果となりました。

回答の多かった「入浴」は第4回目の調査から1位となっています。また今回の調査から回答選択肢に加えた「運動する」は4位にランクインしており、マッサージをしたり、体を動かしたりすることで良い眠りを得ようとしている人が増えている傾向があるようです。

快眠グッズとして購入経験のあるもの、これから購入したいものは「枕」が人気

「睡眠改善のために何か購入をした事はありますか?(複数選択可)」の質問で最も多かったのが「枕」(46.4%)で、「マットレス」(28.4%)が続いています。
また、「これから購入したい商品(複数選択可)」についての質問では、「枕」(32.7%)がトップで、より良い睡眠には、まずは「枕」を考え、実際に購入している人も多い傾向が見られました。

快眠改善のために使っても良いと思う予算も増額傾向

最後に「睡眠改善のために使っても良いと思う予算」を聞いたところ、 回答の多かった順に「5千円~1万円未満」(32.0%)、 「1万円~5万円未満」(30.2%)、 「1千円~5千円未満」(22.4%)という結果となり、睡眠への投資金額の増加傾向が見られました。

同社が行なった今回の睡眠調査の結果では、睡眠に不満がある人がこれまで同様に、依然として9割を超え、「寝ても疲れがとれない」ということを中心に多くの人が睡眠の様々な悩みを抱えていることが浮き彫りになりました。

また睡眠改善のために使ってもよいと思う予算も増加傾向で、『質の良い睡眠』をとることへの意識が高まっている背景もみられ、睡眠への投資ハードルが低くなっている傾向があるようです。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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