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サプリメント市場は総じて上昇傾向 生活習慣病予防やストレス・睡眠サポート商材が底上げ


総合マーケティングビジネスの富士経済(東京都中央区、清口正夫社長 03-3664-5811) は、健康志向食品(明らか食品、ドリンク類)に比べて高単価であるが、成分や機能を冠した商品が多いことにより、健康への意識が高い消費者を中心に需要を獲得している機能志向食品(サプリメント)の国内市場を調査した結果を発表しました。

ここでは機能性志向食品(サプリメント)を健康(Health)や美容(Beauty)に良いというコンセプトをもった商品(H・Bフーズ)のうち、 機能性を重視した商品設計を行い、一般用医薬品等との競合が予想される商品と定義しています。
この調査では機能志向食品を滋養・強壮、骨・関節・筋肉サポート、マルチバランス、生活習慣病予防などの訴求効能別や、成分別に分類し、市場の現状を調査し将来を予想しました。

2018年の市場は、プロテイン商品が好調なスポーツサポートや、機能性表示食品が大幅に伸びた生活習慣病予防、インバウンド需要を取り込み好調なマルチバランスなどに加え、ストレス緩和・睡眠サポートが機能性表示食品の増加により2桁に近い伸びとなったこともあり、2017年比1.4%増の9,226億円となりました。

2019年の市場は、プロテイン商品の伸びが続くスポーツサポートや、機能性表示食品の活性化で需要が増加している生活習慣病予防など好調な分野がある一方、景品表示法違反に起因した酵素商品のマイナスやフルーツ青汁の落ち込みにより大幅に縮小しているダイエット、中国EC法施行以降のインバウンド需要が縮小し減少しているグリーンチャージなど、2018年を下回る品目もみられ、市場は低調であるようです。

2020年の市場は、引き続きスポーツサポートや生活習慣病予防などの伸びが期待されるほか、規模の大きいマルチバランスや骨・関節・筋肉サポートなども堅調さを維持するとみられ、微増が予想されます。中でも、機能性表示食品が、骨・関節・筋肉サポートや生活習慣病予防、ダイエットを中心に、大型ブランドの続伸や新商品の投入などにより好調です。

また尿酸値対策など、新たな機能訴求の広がりも期待されており、機能性表示食品の伸びが今後も市場拡大をけん引すると予想されます。
シリーズサプリメントの2019年の市場は、ダイエットや美容効果などが前年を下回ったものの、生活習慣病予防やマルチバランスの上位商品の好調が市場をけん引し、2018年比2.3%増が見込まれ、2020年以降も堅調な伸びが予想されます。(表1)

(表1)機能志向食品(サプリメント)市場

2019見込 2018年比 2020年予測 2018年比
全体 9,224億円 100.0% 9,247億円 100.2%
シリーズサプリメント 1,382億円 102.3% 1,412億円 104.5%

※シリーズサプリメントは全体の内数

生活習慣病予防訴求商材への要望根強い

生活習慣病予防は、健康診断でのコレステロール値や血糖値異常への注意喚起や、参入メーカーによる積極的なプロモーションが展開されていることから、早期予防目的のセルフメディケーションの需要が増えていようです。 機能性表示食品の制度施行以降、具体的な機能訴求と商品数の増加によって新規顧客の開拓も進んでいます。

2019年は4つの機能訴求を有する商品や尿酸値対策商品が発売されるなどヘルスクレームの広がりがみられ、今後も機能性表示食品が市場拡大をけん引すると予想されます。
ただし、商品によっては発売から数年で需要が一巡するなど魅力度や訴求力の低下が早いケースもみられ、参入メーカーにとっては継続的なプロモーション展開や短いスパンでの商品投入やリニューアルの必要性が負担となっている場合もあるでしょう。特定保健用食品は、類似のヘルスクレームの機能性表示食品との競合もみられ、苦戦が続いています。

中性脂肪値・コレステロール値改善は、DHA・EPAが、引き続き堅調に伸びています。2019年は上位メーカーを中心にTVCMなどの積極的なプロモーション展開などにより好調であるため、2018年比6.8%増の 501億円が見込まれます。

血糖値改善は、上位メーカーの積極的なプロモーション展開によって、消費者の血糖値対策への意識向上が進んだことから、2016年以降好調です。2019年はリニューアルした上位商品を始め、機能性表示食品に加えて、特定保健用食品でも好調な商品がみらます。

認知機能サポートは、DHA・EPAなどオメガ3脂肪酸やイチョウ葉を主成分とする商品が中心となっています。機能性表示食品制度の開始以来、イチョウ葉を中心に“記憶力の維持”などを訴求した多数の商品が投入されたことで2015年から2017年にかけては2桁の伸長が続きました。2018年以降、伸長率は落ち着いてきているものの、新商品の投入や高齢者人口の増加などにより、今後も堅調な伸びが予想されます。

高血圧予防は、一部商品の終売などの影響で一時縮小していましたが、2018年以降は上位商品の伸びや、各メー カーが積極的に投入する機能性表示食品が堅調なため拡大している様相です。(表2)

(表2)注目される生活習慣予防関連市場

2019年見込 2018年比 2020年予測 2018年比
中性脂肪値・コレステロール値改善 501億円 106.8% 520億円 110.9%
血糖値改善 158億円 112.9% 175億円 125.0%
認知機能サポート 164億円 103.8% 169億円 107.0%
高血圧予防 54億円 120.0% 60億円 133.3%
その他 233億円 100.5% 221億円 99.5%
合計 1,099億円 106.4% 1,144億円 110.7%

※市場データは四捨五入

ストレス・睡眠サポート訴求商材への期待も高まる

セントジョーンズワートをはじめとするハーブ成分や、グリシン、テアニン、GABAなどを成分とし、ストレス緩和や、睡眠サポートを訴求した商品を対象とする機能性表示食品制度がスタートした2015年以降、ストレスの緩和や睡眠の質改善といった、明確な機能性が表示できるようになったことから、各メーカーが積極的な商品展開を進めています。
2015年、2016年と各メーカーから相次いで機能性表示食品が発売されたことで、市場は大幅に拡大してきたが、2017年は商品数の増加による競争の激化などもあり微増にとどまりました。

2018年は、機能性表示食品を中心に全体的に堅調だったことから、2017年比9.1%増と2桁近い拡大となりました。2019年も機能性表示食品の新商品が発売され、各メーカーがプロモーション活動を強化しているため、前年比プラスになると思われます。各メーカーによる積極的な新商品の発売により今後も市場拡大が期待されますが、商品数の増加によって競合が激化していることもあり、以前のような大幅な伸びは難しいと思われます。また、市場構成比の7割強が機能性表示食品ですが、その他の商品は一部で終売の動きもあり淘汰が進むとみられます。(表3)

(表3)ストレス緩和・睡眠サポート関連市場

2019年見込 2018年比 2020年予測 2018年比
全体 113億円 104.6% 117億円 108.3%
シリーズサプリメント 11億円 91.7% 11億円 91.7%

※シリーズサプリメントは全体の内数

機能性表示食品が大きく躍進

総合マーケティングビジネスの富士経済(東京都中央区、清口正夫社長 03-3664-5811) は、特定保健用食品の需要を取り込みながらドリンク類やサプリメントの伸びにより拡大を続ける、機能性表示食品などの保健機能食品(機能性表示食品、特定保健用食品、栄養機能食品)においての国内市場を調査した結果を発表しました。

機能性表示食品などの保健機能食品(機能性表示食品、特定保健用食品、栄養機能食品)の調査では、保健機能食品について、生活習慣病予防、整腸効果、骨・関節・筋肉サポートなどの訴求効能別や、食品カテゴリー別、成分別に分類し、市場の現状を調査し、将来を予想しています。

当初は大手企業の参入が少なかったこともあり、制度が開始された2015年の市場は305億円にとどまりました。しかし、2016年以降は大手企業による既存商品の機能性表示食品へのリニューアルや、著名ブランドの派生商品や新規ブランド商品など、商品投入が相次いでおり、市場は拡大が続いています。

2019年は、ヨーグルトの上位商品がリニューアルの際に機能性表示食品としての展開をやめたことにより、明らか食品は大幅に縮小するとみられます。しかしドリンク類は「お~いお茶 濃い茶」(伊藤園)の機能性表示食品へのリニューアル、「Yakult(ヤクルト)1000」(ヤクルト本社)の発売など商品数が引き続き増加しており、大幅に伸びると思われます。サプリメントは上位企業の積極的なプロモーション展開などによって伸びが続いています。

2019年の種類別の構成比は、サプリメントが47.5%、ドリンク類が41.1%、明らか食品は11.3% が見込まれます。2018年と比べるとドリンク類の構成比が高まる一方、明らか食品は大幅に低下すると思われます。2020年もドリンク類が高まり、明らか食品の低下が進むと予想されます。

訴求効能別では、生活習慣病予防の市場規模が最も大きいようです。多くの商品が発売されており、特にドリンク類やサプリメントが大きく伸びているため、2019年の構成比は50%近くまで高まるとみられます。骨・関節・筋肉サポートはサプリメントを中心に伸びています。大手企業による既存商品の機能性表示食品へのリニューアルが伸びをけん引しているようです。
ストレス緩和・睡眠サポートはサプリメントの堅調な伸びに加えて、2019年にドリンク類の商品が相次いで発売されたことにより、今後大幅な伸びが予想されるでしょう。一方、整腸効果は2019年に上位商品が機能性表示食品としての展開をやめたため、縮小すると思われます。

ヘルスクレーム別では、生活習慣病予防やダイエットで展開されている脂肪の市場規模が最も大きいようです。ヨーグルト飲料や乳酸菌飲料、サプリメントなどが主力商品ですが、2019年には茶系飲料の大型商品が機能性表示食品としてリニューアル発売され好調であり、今後のさらなる伸びが期待されます。
膝・関節はほとんどがサプリメントで展開されており、グルコサミンやコラーゲンなどを関与成分とする商品が中心で、30%以上の伸びが続いています。また、ほかにも数多くのヘルスクレームで商品が展開されており、市場を底上げしています。

成分別では、乳酸菌類の市場規模が最も大きく、明らか食品やドリンク類を中心に伸びてきましたが、ヨーグルトの上位商品が機能性表示食品でなくなったため、今後は縮小するとみられます。食物繊維はドリンク類や明らか食品を中心に実績を伸ばしてきましたが、ドリンク類は競合の激化により苦戦している商品もみられます。
リコピンはほとんどがドリンク類で展開されており、トマトジュースの商品が伸びています。コラーゲンはサプリメントが中心ですが、ドリンク類で主要商品が機能性表示食品としてリニューアル発売されたことで今後の伸びが予想されます。ほかには、GABAなどの伸びも期待されます。

機能性表示食品は、2019年にも多くの新たな届出が消費者庁から公表されており、2018年までに届出が公表された未発売の商品もあることから、これらが発売されることで市場拡大が予想されます。またサプリメントを中心に既存の商品を機能性表示食品としてリニューアル発売している商品も多くみられます。
これらの商品には既に固定ユーザーがついており、機能性を明示することにより新規顧客の獲得が期できます。一方、明らか食品では、著名なブランドから派生商品として機能性表示食品を発売しても苦戦するケースや、サプリメントを中心に商品の差別化が難しいケースがみられるなど、参入企業にとっての課題も浮上してきました。(表4)

(表4)機能性表示食品の国内市場

2019年見込 2018年比 2020年予測 2018年比
明らか食品 288億円 77.4% 266億円 71.5%
ドリンク類 1.047億円 134.9% 1,309億円 168.7%
サプリメント 1,211億円 118.7% 1,432億円 140.4%
合計 2,547億円 117.4% 3,007億円 138.6%

※市場データは四捨五入

トクホが減少傾向

ヨーグルトに代表される整腸や、茶系飲料の生活習慣病予防を訴求した商品などが市場拡大を牽引してきましたが、2015年の機能性表示食品制度の施行により市場を取り巻く環境は一変しました。機能性表示食品が類似の機能性をうたいながら比較的安価であるのに対して、明確な差別点や優位性を確立できなかったため、2018年はマイナスに転じることとなりました。

2019年は生活習慣病予防訴求のドリンク類が前年に引き続き苦戦し、ヨーグルトや乳酸菌飲料も乳酸菌ブームが下火になったことで市場環境は厳しさを増しており、2年連続で市場は前年割れになるとみられます。一方“肌の水分を逃がしにくくする”機能をうたった商品が発売されるなど新たな展開も出てきています。

生活習慣病予防訴求のドリンク類を中心とした機能性表示食品との競合の激化や乳酸菌ブームの沈静化により、今後も市場は縮小が予想されるでしょう。機能性表示食品と類似のヘルスクレームを表示している場合、価格が割高なため、需要の流出は避けられない状況となっています。しかしサプリメントについては、積極的な広告投下やコミュニケーション施策によって伸びている商品もみられ、今後の伸長が期待できます。

ドリンク類の市場規模が最も大きく60%以上を占めています。生活習慣病予防訴求の茶系飲料や整腸効果を訴求した乳酸菌飲料が中心ですが、近年は競合激化や乳酸菌ブームの沈静化によって苦戦しており、今後は縮小が予想されるでしょう。明らか食品は30%程度を占めています。
2018年はヨーグルトが堅調で伸びましたが、2019年はヨーグルトの多くが低調だったことに加え、新商品の展開もみられなかったため、2018年比0.8%減が見込まれます。サプリメントは小規模ではあるものの、2019年は主要ブランドが堅調だったことや新商品の発売もあり上昇が予想されます。

特定保健用食品では、訴求効能は整腸効果や生活習慣病予防、骨・関節・筋肉サポート、オーラルケアに限られていますが、2019年に美容効果の商品が新たに投入されていおり、今後、美容効果を除いては、それぞれが縮小するとみられます。

ヘルスクレームについても、機能性表示食品に比べて種類が限られており、生活習慣病予防関連や腸内環境、便通改善、歯などとなっています。複数ヘルスクレームについても、機能性表示食品では4つのヘルスクレームを同時訴求する商品がみられるのに対し、特定保健用食品は2つまでしかみられません。2019年に肌の保湿・乾燥ケアが新たに登場しており、今後の展開が期待されます。 (表5)

(表5)特定保険用食品の国内市場

2019年見込 2018年比 2020年予測 2018年比
明らか食品 1,113億円 99.2% 1,109億円 98.8%
ドリンク類 2,233億円 94.6% 2,156億円 91.4%
サプリメント 134億円 115.5% 135億円 116.4%
合計 3,479億円 96.7% 3,400億円 94.5%

※市場データは四捨五入


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