開業に必要なものチェックリスト
資金調達がすんだら、本格的な開業準備です。
内装や、インテリアなど大きな物ばかりに意識が向きがちですが、開業するにあたって必ず用意しなければならないものが細々とあります。
提供するメニューによって違いはでてきますが、【最低限これだけは用意しておきたい】チェックリストを作っておくと便利です。
効率良く揃えるためにはチェックリストを作る際、優先度を設けると良いかもしれません。
- 開業時に必要
- あった方が良い
- 余裕があれば欲しい
2.と3.は開業してからでも十分間に合うもの、資金に余裕が出来たら購入したいものと考えてください(例えば、観葉植物、空気清浄、インテリア雑貨等)。
次に開業時に最低限必要なものを並べてみましたので、参考にしてみてください。
- 施術機器
- 施術用ベッド・スツール
- ベッド用シーツ
- タオル大、中、小(千円程度)
(フェイシャル用、ボディ用、拭き取り用など行程に合わせて一人につき何枚も必要ですから、多めに用意しましょう。) - ホットキャビ
- 消毒器
- コットン
- ワゴン
- 施術用化粧品
- 物販用化粧品
- 手指消毒液
- スパチュラ
- カップ
- カルテ
エステ機器や商材選び
エステ用機材や商材は多くのメーカーさんやディーラーさんが多種多様な製品を取り扱っていて、最適なものを選ぶのは大変。
その上、新製品が毎日のように誕生しています。商材を決めるの際に失敗の少ない選び方を紹介します。
価格よりも機能性と使い勝手を重視
メニューに合った機器を選ぶのは当然ですが、自分に合っているかどうかも確認した方が良いと思います。
機器は間違った使い方をすると事故につながることがあります。
選ぶ際には、初期費用など目先のメリットだけでなく、長期的にかかる費用やメンテナンスを考慮した上で購入しましょう。
外国製を選ぶときの注意点
外国製でも品質が良ければ構わないと思いますが、あまり安いとメンテナンス体制が整っていないケースもあり、修理に2ヶ月以上かかることも。
物は外国製でも、日本でメンテナンスに対応しているメーカーであれば安心です。
特に故障した時にすぐに代替機を用意してもらえるかがポイントです。
お客様に予約をお断りすることになればサロンの信用問題にもなりかねません。
中古品は安いが当たりハズレが多い
中古品を選ぶときにもっとも難しいのが、使用歴。
機器の消耗度は使用年数よりも使用頻度や前歴者の取り扱い方の影響を受けることが大きいのです。
機器は誤った使い方や乱暴な取り扱い、手入れ不足によって寿命は大きく左右されるので、中古品は使用年数だけで判断しないよう注意が必要です。
化粧品
エステサロンにとって化粧品は施術の満足度に大きく関わってくるので、技術と同じくらい大切です。
しかし山のようにある商品の中から、ベストなものを選ぶのはなかなか難しい。
オイルひとつとっても何百種類もあり、価格もピンからキリまで。
価格の違いは品質の違いでもあるので、極端に安い場合は少し疑ってかかるぐらいが良いでしょう。
信頼できる営業マンをつかまえる
サロンを開業することがわかると、実に多くのメーカーさんやディーラーさんからアプローチを受けます。
面倒くさいと思わず、時間の許す限り会うようにすると良いでしょう。
なぜならメーカーさんやディーラーさんほど業界の事情に内通している人はいないからです。
サロン同志、意外とヨコのつながりって案外ないですよね。
メーカーさんやディーラーさんと日頃から信頼関係を築いておくと、様々なアドバイスをもらえたり提案を持ってきてくれたり、何かと心強い存在になります。
失敗しないために
個人サロンが成功するためには、まず大手との違いを認識し、個人サロンならではの特性を見つけ、それを強みとした経営を考えなければなりません。
スタートはベッド1台のマンションサロンでも、繁盛していけばスタッフを雇えて、広めのマンションや一軒家、テナントを借りたり2号店を開いたりと、発展していく例も少なくありません。
毎年たくさんの個人サロンが独立開業しますが、全員が成功しているわけではないのです。
全国で約2万店と言われるサロンの中で、予約が殺到するほどの繁盛店になれるのはごく一部。億単位の広告費をかける大手サロンと違い、個人サロンは、世間に存在を知ってもらうことはとても大変。
でも安心してください。個人サロンだからこそ成功できる方法もあります。
大手にはできないサービス、個人サロンの特性を生かした工夫をすれば、お金をかけなくても繁盛店のエステサロン経営はできるのです。
- サロンの個性を演出しやすい
- 個室サロンがラグジュアリー効果を高める
- 無理のない経営ができる
- お客様との信頼関係が築きやすい=リピーターになりやすい
- 口コミで広がりやすい
- 強引なセールスをしなくても、継続や商品を購入してくれる
数字を考える
「売上ノルマがきついから独立する」という考えは間違っています。
開業は経営です。
サロンワーク一筋の職人タイプのエステティシャンにありがちな「私はどうも数字に弱くて…」とか「あまりお金のことは考えていません」だと、まず失敗してしまうのではないでしょうか。
「趣味」として自宅でサロンを開いている分には、それでありかもしれません。
でもビジネスとして開業するなら、売上げや発展を常に考えていかなければなりません。
お客さまが来てくれていればOKとは違います。
経営者とは売り上げを上げる方法を徹底的に考える人、数字を考えられる人。
特に独立した場合は、どんなに素晴らしい技術を持っていてもお客様に知ってもらう努力をしなければならない、しなければ経営的には難しい、ということを改めて認識していただければと思います。
せっかく独立開業したのなら、大きく育ててみたいですよね。
自分のサロンの価値を高める
大手サロンは今や価格競争化しています。
最初のお試しを破格にしてコース売りを進めるやり方は、大手だからできること。
個人サロンが低価格を売りにしようものなら、
【忙しいだけで、まったく利益にならない】だから【疲弊しきって辞める】
という負のスパイラルに陥ってしまいます。
さらにいうと価格が安いという理由で来られるお客様は、ロイヤル・カスタマー(優良なお客様)になりにくいです。
なぜなら来店の動機が「価格」だからです。
同じようなサービスで他でもっと低価格を売りにするサロンが出てきたら、簡単に乗り換えられてしまうでしょう。
しかもいったん低価格を売りにしてしまったら、その後は値上げできなくなります。
これでは、体が持たない上に利益が出せません。
一体、何のための開業なのか分からなくなりませんか。
忙しいのに利益が出ない、だから商材も安いものしか入れられない。
そんなサロンワークでは質の高いサービスが提供できなくなるばかりか、2~3年もすれば身も心も疲れてしまいます。
理想は、価格を下げなくても再来店してくれるサロンづくり。
それはお客様に価格以外の判断基準を持ってもらう、つまりはサロンの価値を高めるということです。
- ターゲット
- 独自性
それぞれに関して詳しくお話をしていきましょう。
ターゲット
ターゲットとはお客様のこと。まずは「自分のサロンに来ていただきたいお客様」のイメージを具体的にしてみましょう。
本当は「美しくありたいすべての女性に」と言いたいところですが、これでは価値の判断基準そのものがブレてしまいます。
来てもらいたいお客様を具体的にイメージしてみましょう。
例えば…
”都心でバリバリ働く美意識の高いキャリアウーマン”
仕事に夢中でやってきたけれど、気が付けば身体が衰えてきた。
でも、忙しくて自分にかける時間がない。
でも、何かしなきゃ。
でも、何をしていいのかわからない。
ずっと通えるサロンを探している。
頼りになる、自分の体を知っていてくれる。
そして癒される場所が欲しい。
もちろん結果は欲しい。
サロンはいろいろ通ったけど、本物のサロンと出会いたい。
若い頃通っていたサロンとは違う、大人のためのサロン…。
このような感じでお客様の具体的なイメージ像ができると、そのお客様が求めているサービス・雰囲気がわかりやすくなり、インテリアやメニュー構成を決める際の大きなヒントになります。
- ☑「美意識の高いお客様が満足できる空間は?」
- ☑「忙しい人は、どういうサービスをすると喜んでもらえる?」
- ☑「部分集中ではなく顔も身体も全部キレイにする」
お客様の顔が見えていると、作戦が立てやすい!
独自性
価格競争に陥らないためには、やはりそのサロンにしかないカラーを出していかないと。
これは、オリジナルの技術じゃなくてもいいんです。
- ☑他では受けられない技術
- ☑価値ある商材
- ☑結果をだすお手入れ,etc…
価格を下げるのではなく、内容で価値を高めるのです。
マンションサロンからスタートして今では都内近郊に3店舗持つオーナーさんは、学んだ整体を取り入れたオリジナルの手技を開発して独自化を図りました。
技術ではなく、オーナーさんのキャラクターで成功しているサロンも実際にあります。
その方は、長年専業主婦でサロンワークとは無縁でした。
子育てが終わって、自由に時間がつかえるようになって、はじめてエステサロンに行った時にとても感動してサロンを開業。
紆余曲折はあったものの今では、駅前に自社ビルを持つまでになりました。
スタート当時、周囲からは「サロンワークはそんな甘いもんじゃないっ!」と、こんな声しかなかったそう。
でも、ご本人曰く「技術は素人に毛の生えた程度。でもお客様には喜んでもらっているの」とのこと。
そのオーナーさん、サバサバして人柄がとっても楽しい人なんです。しかもパワフル。元気をもらいたい時に訪れるというお客様ばかりだそう。
技術も店構えも何の特徴もないけれど、とにかく行くと元気になれる不思議なサロン。
これだって、十分独自化ですよ。
このように個人サロンは大手と違ってマニュアルがない分、オーナーのカラーが出しやすいから、それがその店の個性や特色になっていくのではないでしょうか。
例えばアロマが得意な人なら、技術だけでなくその人の体調に合わせたアロマオイルを調合したり、アロマの原料となるハーブを使ったお料理レシピを披露するなど、そんな情報提供のサービスも独自化になるのではないでしょうか。
要は他店では出来ないサービスをすること!これが独自化です。
お客様をリピーターにする
サロン成功に必要な最大のテーマは「お客様を満足させ、次につなげること」。
これは大手・個人に関係なくサロンならどこも言えることでしょう。
サロンで成功するにはリピーターを増やすことが必要不可欠です。
リピートしてくれないということは、お客様は満足していないという証拠。どうやったらお客様に満足していただけるかを常に考えていくことが大切です。
毎回、新規のお客様だけで利益を出すのは大変です。
来店してもらうための広告費、キャンペーン費用、割引価格での提供などコストが掛ります。
サロンが軌道にのりはじめたら、新規の方を獲得すると同時に、「来店したお客様一人残らずリピーターになってもらう!」くらいの強い気持ちを持つことが大切です!(※注意!強引な勧誘とは違いますヨ)
お客様が入ったら、どんなところで喜んでくれたのか・満足してくれたのかを注意深く観察します。
ですがお客様を喜ばせたいがための過剰サービスはダメ。たった一度のサービスで喜んでもらっても、それはその場だけ。
過剰サービスは低価格競争の入り口。あなたのサロンの価値を下げることにもなりかねません。
過剰サービスをしないでお客様を満足させる、それがサロン経営で成功する秘訣です。
お客様が求めていたような魅力的なサービスであれば、こちらから強引なセールスをかけなくても、お客様は来店するものだと私は信じています。
行列のできる人気店を見ればわかりますよね。
これだけ情報が発達し人々が欲しいものがすぐ手に入る時代においては、お客様がサロンにどのようなサービス・商品を求めているのか、よく研究しておく必要があります。
魅力的なサービス・商品を提供できるかどうか、起業前にこの点をリサーチして準備しておくことが成功のカギを握ると思っています。