費用を節約するためにも「自宅でのエステ開業」を目指す方は多いです。
開業に必要な免許や資格は特になく、自宅に施術をするスペースさえあれば誰でも開業できるチャンスがあります。
ただし、成功を目指すにはいくつかのポイントを理解しておく必要があります。
そこで今回は、自宅でのエステサロン開業の流れや必要な届出、注意点を解説していきます。
スムーズな開業を目指すためにも参考にしてください。
自宅でエステ開業する際の流れ
自宅サロンをスムーズに開業するためにも、事前に流れを把握しておきましょう。
必要な準備を着実に進めれば、無駄のない開業を目指せるはずです。
①ターゲットやコンセプトの決定
まずは、エステサロン開業に向けてターゲットやコンセプトを決めていきましょう。
特にコンセプトは店舗運営の成否を左右する要素です。
「極上のリラックス体験」「隠れ家サロン」など、ターゲットにマッチしたコンセプトを考えてみてください。
その際には、事業計画書の作成も不可欠です。
事業内容や収益予測などをまとめた文書となり、融資を受ける際にも必要になる書類です。
②サロンスペースの確保
次に自宅内にサロンスペースを確保していきます。
生活感がなく、リラックスできるスペースの確保が必要です。
施術中に家族が通れば落ち着いて施術を受けてもらえないので、キッチンや洗面所といった水回りから離れており、玄関に近い場所が理想的です。
③設備の準備
エステ開業のためには設備も用意しなければいけません。
・椅子
・エステマシン
・消耗品
・化粧品
など、様々なアイテムを揃えていきましょう。
エステマシンについては、提供するメニューによって必要なものが異なるため、どういった施術を提供するのかを事前に決める必要があります。
消耗品に関しては、コスト削減できる部分でもありますが、肌触りや品質を考慮しないと、満足度に影響を与えるため注意してください。
④メニューや費用を決める
メニューや費用は、エステサロンのコンセプトに沿って考えていきます。
ラグジュアリーがテーマであれば、価格が低すぎると信頼感を損なう可能性があります。
反対にカジュアルがテーマの場合、あまりに高い費用を設定してしまうと、敬遠される可能性があるので注意しましょう。
自宅周辺にある似たコンセプトのサロンを調査し、メニューや費用を比較するのも重要なポイントです。
自宅サロンでエステ開業を目指すために必要な届出
自宅サロンでエステ開業を目指す場合には、必要な手続きや届出もあります。
どういった手続きが必要になるのか解説していきましょう。
開業届
自宅サロンを開業する際には「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。
届出書を提出しなければ、事業所得や支出を国が正確に把握できないため、脱税の疑いをかけられる危険性もあります。
また、きちんと納税を行うためにも開業届の提出は重要です。
開業届を出して青色申告で確定申告をすれば、特別税額控除が適用されます。
年間で最大65万円の税制優遇を受けられるので、節税のためにも有効です。
個人事業主向けの共済にも加入できるため、廃業した際にはまとまったお金を受け取れます。
老後のための資金確保にも有効なので、加入したい場合には開業届の提出を忘れないようにしましょう。
化粧品販売による届出
自宅サロンを開業する場合、化粧品の販売を実施する方もいるはずです。
その場合、国内メーカーから仕入れを行い、そのまま販売するのであれば届出は不要です。
しかし、以下のようなケースでは届出が必要になります。
◎仕入れた化粧品を小分けにして販売する
◎化粧品製造会社に依頼をして製造した化粧品の販売
◎海外から直接輸入をして販売
化粧品製造業許可や化粧品製造販売業許可が必要になるので確認しておきましょう。
自宅サロン開業における注意点
自宅でエステ開業する場合、注意すべき点がいくつかあります。
前もって理解しておかなければ事業をスタートしてから後悔する可能性もあります。
開業前に把握しておくべきリスクやその対処法について解説していきましょう。
家族の協力が必要
自宅サロンでは家族の協力が不可欠です。
エステサロンには癒しを求めている方が多く来店するため、騒がしい場合や生活感が溢れていれば落ち着かない環境となり、リピート客になってもらえません。
そのため、以下のような決まり事を作っておく必要があります。
◎お客様がいる時には部屋を絶対に開けない
◎お客様と一緒に使う可能性がある共有スペースは綺麗に使う
お客様の満足度に直結する部分となるため、自宅サロンを成功させるためにも重要なポイントです。
しかし、あまりに神経質になり過ぎると自由がなくなり生活しにくくなってしまいます。
最大限のことだけは守ってもらい、神経質になり過ぎないようにすることも大切です。
近隣に住む方々からの理解も重要
自宅サロンには不特定多数の方が来店します。
自分では馴染みのあるお客様でも、近隣の方々にとっては知らない人です。
頻繁に出入りするのを不快に感じてしまう方も中にいます。
そのため、自宅サロンを開業する際には、あらかじめ近所の方々にサロンをオープンする旨を伝え、理解を得る必要があります。
お客様による路上駐車が増えれば迷惑をかけてしまうため、わかりやすいように自宅の駐車場に看板を立てる、自宅以外に駐車スペースを確保するなどして対策を施すのも大切です。
看板の設置で視界が悪くなれば事故につながる可能性もあるため、設置場所には気を配る必要もあります。
セキュリティ対策の重要性
自宅でエステ開業をする場合、ホームページを制作したり、チラシを配布して集客をしたりするケースもあります。
店舗を知ってもらうためには住所を記載する必要がありますが、自宅でエステ開業となれば自宅の住所を晒すことになります。
そのため、安全対策を徹底しないと思わぬ事態に遭遇する可能性もあるので注意してください。
住所の掲載については番地まで詳細に載せるのは避け、予約をしてくれた顧客だけに住所を教えるようにしましょう。
また、予約時にはお客様の情報をしっかりと記入してもらい、心配であれば電話確認も行ってください。
どういった方が来店したのかを記録できるので、カメラ付きインターホンの設置も検討してみてください。
どういった人が来るのかわからないリスクがある点を理解しておきましょう。
集客の難しさ
新規顧客を獲得するための集客、リピーターを増やすための集客など、集客に苦労するサロンは多い傾向です。
集客のための施策を打ち出さなければ新規顧客さえ獲得できない可能性があり、経営難に陥れば廃業を招く恐れもあるので、集客は早い段階で対策をとる必要があります。
まずは、サロンの存在を認識してもらう必要があるため、予算の範囲内で集客をしていきましょう。
近隣住民への認知拡大であれば、チラシのポスティングも有効です。
自宅にチラシを届けても、捨てられてしまえば意味がないため、チラシの形やデザインなどを工夫して作成するのもおすすめです。
チラシを見て「行きたい」と感じてもらうためには魅力をアピールする必要があるため、お試しキャンペーンやクーポン、初回割引やプレゼントなど、お得感を出すといった施策も有効です。
また、コストを抑えた集客方法としてSNSの活用も検討してみてください。
Instagramであれば写真や動画を工夫しておしゃれな印象を与えれば、興味を持ってもらえる可能性があります。
フォローしてくれたユーザーに対して割引特典を提供したり、コメントに返信して信頼関係を築いたりなど、工夫をして集客を強化していきましょう。
今回は、自宅でエステ開業を目指す方に向けて、開業の流れや注意点などをご紹介してきました。
開業まで流れやリスクなどを前もって把握しておけば、スムーズな開業を目指せます。
後悔のないエステサロン経営にも役立つので、ご紹介した内容を参考に理想のサロン開業を進めてみてください。