エステティシャンとしての経験を重ねてきた場合、「将来的に独立したい」と考える方も多いでしょう。
しかし、向上心があっても資金面や独立に関しての手順などを知らないことで不安になることもあります。
そこで、この記事では独立を視野に入れているエステティシャンに向けて、独立支援に関する内容を解説します。
エステティシャン向けの独立支援制度とは?
エステ開業を目指している方に向けて、独立支援制度というものが設けられています。
この制度は、独立してエステ開業を目指す社員を支援するものであり、特定の条件をクリアしたエステティシャンが独立に向けて利用できます。
どの業界でも似ている流れかもしれませんが、エステティシャンはアシスタントからスタートしてエステティシャンになります。
その後、チーフやリーダーを経て店長になっていくキャリアアップが一般的です。
このようなキャリアを重ねてから向上心のあるエステティシャンには、独立支援制度を利用して開業する際に必要な手助けが受けられるということです。
この独立支援制度はエステ業界に限ったことではなく、どの業界でも導入されている仕組みとなります。
企業によって細かな条件は異なりますが、基本的な仕組みとしてフランチャイズシステムが多いでしょう。
独立する代わりに権限が与えられ、企業にロイヤリティを支払っていく仕組みとなります。
独立起業支援は、企業によってロイヤリティでの収益が見込めますが、エステティシャンにはモチベーションの向上や新たな目標となるケースも多いでしょう。
独立支援制度は経営面もサポートしてもらえる?
独立支援制度の利用によって、フランチャイズになることで新たな自分の目標やモチベーションとなりますが、今後は経営に関しても自分で解決していかなくてはなりません。
そこで気になるのが、独立支援制度は経営に関しての知識や経験がない場合でも受けられるのかという点です。
エステティシャンの独立支援制度では、エステサロン開業に伴う資金援助や経営面のサポートも受けられます。
フランチャイズの場合は、経営ノウハウや施術に使用する商品、機器なども提案してもらえるので、コスト削減に加えてリスクも軽減できるでしょう。
手厚いサポートを受けることで、高い集客効果も期待できます。
独立支援制度を受けずに開業した場合、経営や施術に関しての準備や費用を全て負担しなければなりませんが、支援を受けると効率よくサロン開業ができるでしょう。
独立するための流れを紹介
独立支援を受けてエステを開業するには、どのような流れで進んでいくのでしょうか?
最初に独立支援制度を受けるために、必要な条件をクリアしていく必要があります。
条件は様々ですが多くは店長経験者、一定期間サロン勤務の経験があるなどです。
エステティシャンとしての実力が必要なので、5年~10年くらいかかることを覚えておきましょう。
この期間、エステティシャンとしての実力や経験を重ねたら、以下の流れに沿って独立を進めていきます。
独立までの流れ
①事業計画書の作成
独立開業を決めたら、最初に事業計画書を作ります。
事業計画書には、エステサロンの企業理念、事業内容、方針、強みなどを記載します。
事業計画書にまとめることで、エステサロンの経営方針やプランを可視化できます。
また、事業計画書は金融機関から融資を受ける時にも必要なので作成しておくようにしましょう。
②開業資金の用意
続いて、開業資金についてです。
エステサロンを独立する際には、高額な資金が必要になります。
新たに店舗となる環境によっても変わりますが、整えるためには内装工事なども必要でしょう。
マンションなどの物件を借りる際には、保証金なども用意しなければなりません。
それに加えて、エステマシンや美容機器などの設備費も必要です。
エステマシンの購入やレンタルによって費用が変わりますが、300万円~1,000万円程度は必要になります。
独立支援制度を受ける場合は、開業資金のサポートも受けられますが、フランチャイズとなる場合はサロン側にロイヤリティの支払いが必要です。
他にも、開業資金の調達には日本政策金融公庫などの融資を受けたり、助成金や補助金を受けたりすることもできます。
③開業店舗を見つける
独立するには、開業する店舗を見つけなければなりません。
エステサロンの開業は、これまで自宅の一角、マンションやアパートの一室、商業施設などのテナントなどの選択肢がありました。
自分の理想となるエステができるかで、このような環境から最も近いものを選んでみましょう。
・自宅で仕事ができる
・家賃がかからない
・子育てしながら開業できる
・開業コストを抑えられる
・プライバシーがない
・集客が困難
・生活感が出てしまう
・自分の思い描く内装や部屋にできる
・テナントよりもコストがかからない
・水回りが整っている
・プライバシーが守りやすい
・営業許可されている物件を探す必要がある
・周囲の人に配慮が必要
・立地の良さが集客になりやすい
・内装にこだわれる
・広告がなくても注目されやすい
・維持費が高額になりがち
・場所によって集客が見込めないこともある
④開業届の提出
開業できる資金や場所が決まったら、開業に向けて税務署に開業届を提出しましょう。
開業して1ヶ月以内の提出が決まりとなり、これと同時に青色申告承認申請書の提出も必要です。
一緒に提出することで、確定申告の際には最大で65万円の青色申告特別控除が受けられます。
⑤設備や備品準備
開業届を提出したら、エステサロンの開業に向けて準備をしましょう。
必要な設備として、施術で使用する美容機器、ベッド、シーツ、タオルなどに加えて、施術前や施術後に待機してもらうテーブルやソファなどがあると便利です。
他にもカウンセリング時に必要な筆記用具、スリッパ、タオル、ペーパーショーツ、ガウンなども用意しておきましょう。
会計時に決済端末が必要な場合は機器を準備するだけでなく、通信環境も整えておかなければなりません。
現在、会計時に現金以外の方法で決済する方も多いので、これらの方法に関してもいくつか取り入れておくと利用しやすくなるでしょう。
また、エステで忘れてはいけないのがスキンケア用品です。
これは、独立支援を受けるかどうかで変わってきますが、サロンから提供されたものやエステのコンセプトに合ったものを選びましょう。
お客様が使いたいと思うものを丁寧に選ぶと、通いたくなるサロンになります。
独立支援を受けて開業するメリットやデメリットは?
独立支援を受けて開業した場合、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
メリット
エステを開業したいと考えた時、夢や憧れだけでは成功するほど簡単なものではありません。
自身が経営者となるので、客観的な考え方をしなければ経営は成功できません。
このような責任感を持ってサロンを経営できるので、自分の強みとなる部分も自然に理解できるようになってきます。
自分だけのサロンなので、理想的で自分のペースに合わせた施術や営業ができます。
お子さんがいる場合は、予定を合わせやすいのもメリットでしょう。
独立支援制度によって、効率的に開業できるのも大きな魅力です。
デメリット
独立開業支援を受けることで、全て自己責任で営業しなければなりません。
プレッシャーを感じやすく、時には代わりがいないことで辛いこともあるでしょう。
体調管理を含めて徹底的に自分自身にも向き合う必要があります。
また、お客様のキャンセルなどの対応も自分で行わなくてはならないので、慣れるまで大変だと感じやすいでしょう。
今回は、エステの独立支援について解説してきました。
独立支援は、制度を上手に活用することで効率的に独立できるのがメリットです。
経営に関するノウハウもフランチャイズであれば、一から教えてもらえます。
将来的に独立を考えている方は、独立支援制度について知っておくのが良いでしょう。