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新型コロナウイルス感染症感染拡大による「がん患者さんへの影響緊急調査」結果を公表

新型コロナウイルス がん患者 調査

がんに向き合う女性のための支え合いのSNSコミュニティ『PeerRingピアリング』を運営している一般社団法人ピアリング(神奈川県横浜市、上田 のぶこ 代表理事)は、4月19日より1週間の期間において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大による「がん患者さんへの影響緊急調査」をオンラインによる方法で実施し1,101名から回答を得ました。調査対象は以下の通り。

(1)対象者の罹患しているがん種
乳がん78.9%
子宮頚・体がん10.7%
卵巣がん7.7%
その他婦人科系希少がん等2.6%
(2)年齢分布
40代49%
50代36%
30代8.4%
60代5.6%
20代0.5%
70代0.2%

4分の1の患者さんが治療に影響が有りと回答

設問1で新型コロナウィルス感染拡大により、がん治療に関して影響を受けましたか?(3月以降の状況)と尋ねたところ、24.7%と約4分の1が、「影響あり」と回答しています。(グラフ1)

影響あり24.7%(272人)

設問2では、設問1で「影響あり」と回答した人に「どんな影響」を受けましたか?」と尋ねた結果、治療の遅延、診察の延期等の影響や、感染への不安から通院を延期するケースがみられました。(グラフ2)

全回答者272人のうち、57人が感染への不安から自ら通院予定を延期で最も多い割合。

設問3で「治療の進行状況と、受けている影響との関係性(クロス分析)」を尋ねたところ、治療開始前の患者への、「治療や手術の遅延」による影響が目立ちました。(グラフ3)

治療の進行状況と受けている影響との関係性について、治療や手術の遅延による影響が目立つ。

97.2%が自分や家族への感染不安を感じる

設問4では「新型コロナウイルスに自分や家族が感染する不安をどの程度感じていますか?」と尋ねた結果、97.2%の人が「自分や家族が感染する不安を感じている」という4月にNHKが行なった世論調査による一般の回答89%を上る結果となりました。(グラフ4)

回答者1101人の内、699人が大いに不安を感じると答え、63.5%の割合で最も高い。

参考:4月10日から3日間行われたNHK世論調査結果
▽「大いに不安を感じる」が49%
▽「ある程度不安を感じる」が40%
▽「あまり不安は感じない」が7%
▽「まったく不安は感じない」が2%

設問5において「4月以降の体調について、以前と比べて強まったと感じる項目は?」を尋ねた結果、回答者の3割以上に、「気分が落ち込んで暗くなる」変化が生じていたことがわかりました。(グラフ5)

4月以降の体調について、32.2%が気持ちが落ち込んで暗くなる、と回答している。

また「新型コロナウィルスに関する、行政や医療機関の対応について感じていることは?」と尋ねたところ(自由回答)、「通院による感染や医療崩壊への不安、医療機関への感謝の声」などが挙げられたといいます。以下に全596回答からの抜粋を紹介します。

  • コロナの影響で、予約していた手術が1週間前に取りやめとなった。延期と言われているが、いつになったら手術の予約が入れられるか未定で、非常に不安。
  • 私の病院は感染症の指定病院。 主治医からは今後診察、治療の変更があるかもと聞いてとても不安。
  • 治療の遅れで取り返しのつかないことにならないようお願いしたい。
  • 今現在、ガンではないかと思いながらコロナの状況で、検診をためらっている方がいることを思うと心配。早期発見が何より大事なので感染予防対策を十分に考えた上でガン検診はなんとか実施してほしい。
  • 通院による感染がとても不安。
  • 電話診察、ファックス処方を対応してくれて助かった。
  • 医療崩壊だけは避けてほしい。
  • 行政は新型コロナウィルス感染症以外の疾患の人にも目をむけてほしい。
  • リスクと向き合いながら、変わらずに治療を続けてくれる医療機関の方々に感謝しかない。
  • 医療従事者に感染が及び始めている事に恐怖を感じる。政府は医療現場の最前線で闘う方々の要望を第一に聞き入れ、備品の確保など万全な体制で医療提供ができるよう改善してほしい。
  • 医療従事者のおかげで、病人は毎日過ごしていけるので、一番手厚くサポートしてほしい。看護師さんの変わらない笑顔に胸が熱くなる。
  • 医療機関の人に手当てをあげてほしい。ボーナスとか何でもいいから、感謝の形を精神論以外で表したい。
執筆)健康ジャーナルライター ホリスティック・ ジャーナル編集長 代田 多喜子
代田 多喜子

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