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栄養医学・糖化・酸化・アンチエイジングを現役3名の医師が解説


一般財団法人 内面美容医学財団(IBMF)の総会2023が、2023 年11月13日(月)に AP品川にて開催されました。総会には、医学財団会員を中心にエステティック、理美容、フィットネスジム、 パーソナルジム、治療院などの美容・健康サービスを提供する約100名が参加しました。今回は『未来を創る年に一度の学びと交流』をテーマに、現役医師3名による学術講演が行われました。

女性のライフスタイルと栄養の関係を中心にオーソモレキュラー栄養医学を解説

最初に登壇した溝口徹先生(一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所代表理事)は、一般診療に分子栄養学的アプローチを応用しており、治療が困難な疾患に対する栄養療法を実践し、多くの改善症例を持たれています。講演内容は一般的な栄養医学とオーソモレキュラー栄養医学の違いやその効果について解説。「必要な栄養量は、積極的な病態改善に必要である理想的な栄養状態を目標とする。」、「サプリメントは栄養素のもつ臨床的な作用が得られる最適量を補充するために摂取する。」など未病を防ぐための栄養学がオーソモレキュラー栄養医学であるという話から、そこに則った治療を行ったことに よる「激しい頭痛」や「足底腱膜炎」などを主訴とする様々な自覚症状の改善例を講演。特に女性のライフスタイルにおいて鉄欠乏は宿命的な課題だとして、「フェリチン」という貯蔵鉄の欠乏により体に起こる症状の特徴や、その症状に対してオーソモレキュラー栄養医学を用いた治療による改善例についても詳細に紹介していました。

糖化と酸化のメカニズムを解説

2番目に講演した姫野友美先生(ひめのともみクリニック院長は、糖化と酸化のメカニズムからどう解決していくのかを解説しました。糖や脂質の過剰摂取や、喫煙、ストレスなどが原因で、体内で糖化反応を起こしコゲが出来てしまいます。これがさらに酸化することで AGEs(終末糖化産物)になり、糖化したタンパク質はその機能を失い、元には戻らない状態になってしまいます。また、揚げ物や生クリーム、カップラーメンなどの体に負担のかかる食生活や 紫外線、過度なアルコールの摂取などは活性酸素が体内で過剰に発生する原因であり、これらが体内の酸化に繋がってしまい、生活習慣病など様々な疾患に繋がってしまうのだと、身近な生活習慣に触れながら糖化・酸化のメカニズも話しました。さらに、これらは「何を食べるか、何を食べないか」を気を付けることで改善していけるという切り口から、調理方法の重要性、食べる順番、食べ物の適切な摂り入れ方など、それぞれ具体的な例をもとに詳細に紹介しました。

アンチエイジング医学概論を解説

最後に講演した青木晃先生(日本抗加齢医学会評議員)はアンチエイジングやウェルエイジング、インナービューティなどについて医学的な観点から解説。アンチエイジングの真の目的は、健康寿命の延伸を目指すライフスタイルの実践であり、決してアウタービューティだけのことを指すのではないという話から始まり、抗加齢医学の歴史や生理的老化・病的老化についてなど、アンチエイジング医学概論を分かりやすく紹介しました。アンチエイジングは足りなくなっていくものを補充していくことであり、ちょっとしたことからでも良いので、自ら実践していくことが大事という言葉で講演を締めくくりました。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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