矢野経済研究所は、国内の民営フィットネス施設経営企業および施設を調査し、2024年8月時点のフィットネス施設数、及び業態別の施設動向、フィットネス業界の将来性を明らかにしました。
全国のフィットネス施設経営企業および施設を対象として調査したところ、
2024年8月時点での全国フィットネス施設数は12,543施設
です。また、施設を業態別に分類してみますと、総合型が1,142施設、小規模型が2,145施設、24時間型が4,348施設、ヨガ型が1,334施設、その他が3,574施設となっています。24時間型の施設数が4,348施設と最も多く、全体の34.7%を占めていまが、24時間型はコロナ禍でも施設数を増やし、業態別構成比の比率は上昇し続けています。次いで、パーソナルトレーニングジム等を含むその他のフィットネス施設が28.5%となっています。一方、従来主流であった、プール、ジム、スタジオを兼ね備えた総合型は9.1%とヨガ型を下回り、最も少なくなっています。(グラフ1)
24時間型フィットネスのchocoZAPがライト層向けに牽引し拡大傾向
2024年8月時点での全国フィットネス施設12,543施設のうち、新規のフィトネス施設数(2023年9月~2024年8月にオープンした施設)は1,152施設です。新規施設を業態別に分類してみますと、総合型が8施設、小規模型が24施設、24時間型が826施設、ヨガ型が124施設、その他が170施設になっています。業態別では24時間型が圧倒的に多く、構成比で71.7%を占めました。これは全国で急拡大しているRIZAP株式会社によるライト層向け24時間型「chocoZAP」による影響が大きいですが、他の24時間型ブランドでも数十店舗を出店しています。次いで、その他(14.8%)、ヨガ型(10.8%)が多いです。その他ではパーソナルトレーニングジムが多く新規出店しており、ヨガ型はマシンピラティススタジオが増加しています。ピラティスについては、コロナ禍で新たなブランドが登場したほか、既存のブランドも施設数を拡大しています。一部の施設では定員オーバーで入会待ちが出るほど、人気が高まっています。(グラフ2)
今後の予測として、総合型は既存の施設設備を活かし、総合型ならではの魅力を時代のニーズに合わせて提供することで、会員数の拡大・維持が図られていく見込みです。
小規模型ではこれまで「カーブス」が市場を牽引し、全国的に店舗数を拡大してき増したが、成熟期へ入ったとみられ、これまでの勢いはなく、小規模型の市場は微増で推移すると予測しています。
24時間型は新規出店ペースが中期的には鈍化するとみられますが、「chocoZAP」の拡大に伴い、今までフィットネス施設に定期的に通わなかったライト(初心者)層が取り込まれ、それによりフィットネス人口が増加すると考えられます。
ヨガ型は、近年は人気がホットヨガからマシンピラティスにシフトしており、経営企業各社はコロナ禍でもマシンピラティススタジオの出店を進めてきていました。ピラティスは女性の口コミでも広がっており、人気は一時的なものではなく、根強いものと思われ、今後新規出店も全国へと拡大することが見込まれます。
健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル