国民の4〜5人に1人が睡眠について悩みを持つと言われ、健康面だけでなく労働生産性の観点からも対策が望まれる、睡眠サポートを目的としたセルフヘルスケア(自分自身による健康ケア)国内市場を富士経済が調査し、その結果を公表しました。
調査は一時的な不眠の症状に効果のある催眠鎮静剤、睡眠のサポートを訴求したサプリメント・食品・ドリンク類のほか、温熱シート・パッドや鼻腔拡張グッズ、アイマスク、耳栓などの生活用品、マットレスや枕など寝具類、スマホアプリを用いた睡眠改善支援サービスを対象としています。
睡眠の役割や重要性が科学的に示されるようになり、今や国民の4〜5人に1人が睡眠について何らかの悩みを持っていると言われ、睡眠サポートの対策ニーズは高まっています。「Yakult1000」(ヤクルト本社)の爆発的ヒットにみられるように、食品メーカーをはじめ様々な分野の企業が市場に続々と参入していることから注目度が高まっており、2024年の市場は前年比8.7%増の1,904億円が見込まれています。
特に健康・機能食品は、眠りに悩みを持つ人では医薬品で睡眠対策を行うことに抵抗感があるケースが多く、ドリンク類での対策が浸透していることから、引き続き大きく伸びると予想されます。一方、新規参入が活発であることから競合激化は避けられず、参入各社は自社商品の摂取が習慣化しやすいように差別化を図る必要性に迫られています。
睡眠サポートへの対策ニーズの高さ、ターゲット人口の多さから、今後も様々な分野からの参入が活発化するとみられ、一般用医薬品・医薬部外品であれば効果の高さで、生活用品であれば手軽さでなど各カテゴリーの強みを生かした製品開発も期待されます。また、サービスでは、睡眠改善支援サービスのほか、今後はスリープテック利用の広がりも期待されます。異分野の技術を活用したコラボレーションなどの展開も予想され、市場はさらに拡大し、2030年には2,162億円になると予測しています。
健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル