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「いわゆる健康食品」の「いわゆる」を取ることが重要! ~健康食品フォーラム~

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2022年3月2日、一般財団法人 医療経済研究・社会保険福祉協会(社福協)主催の健康食品フォーラムがWEBで開催されました。
この中で厚生労働省の新開発食品保健対策室(食品基準審査課)の今川正紀室長は「現在、健康食品には法的な定義がなく、「いわゆる健康食品」などと呼ばれている。そうした曖昧な位置づけから脱却するためにも、安全性に関する制度を設ける必要がある」と述べ、保健機能食品も含めて安全性がしっかり管理されているものを「健康食品」と呼び、法的にもそう定義付ける制度にしていくべきだとの見解を示しました。

厚労省では現在、指定成分等含有食品や保健機能食品も含めた健康食品全体を「いわゆる健康食品」として一元的に整理しています。

これは食品安全委員会の考え方を踏襲しているためですが、法的に一定の定義のある保健機能食品と一般的な健康食品を同じテーブルの上で取り扱うことには以前から業界等からも疑問の声は上がっていました。

安全性の関する制度の確立へ!

今川氏は「『いわゆる』を取るためには、健康食品の制度を固める必要がある」とも述べ、さらに「健康食品は今後さらに普及し、消費者の利用がますます増えていく。そのためにはまず、安全性をしっかり考えていく必要があり、それに対する異論は事業者にもないと思う」とも述べて、今後、厚労省側で安全性をしっかり検討していくための制度が必要としたうえで、その制度作りに着手したい考えを示しました。

さらに、「安全性を管理できているものが健康食品。そこには当然、機能性表示食品やトクホ(特定保健用食品)も含まれる。逆に、安全性を管理していないものはそもそも健康食品と呼んではならない」とも話しています。
厚労省が健康食品の安全性に関する制度づくりを検討する背景には、健康被害情報の収集を制度化したい狙いもあるとみられています。

安全性に関する制度の具体的な考えとして今川氏は、健康食品の安全性管理に関する体系を「ピラミッド」に例えて頂点にGMPでの製造・品質管理を法律で義務付けている指定成分等含有食品、土台部分にGMPによる安全性管理などを求めた通知(平成17年通知)を置く構図を示し、「ピラミッドの真ん中の仕組みが足りていない。真ん中がないままでは、原材料などについて健康被害リスクに関わる情報が出てきた場合、指定成分等含有食品に指定する検討を始めざるを得ない」と指摘、「そのようになる前に、「(安全性管理が)重要な物質を行政として示すことで、指定成分等含有食品制度とは異なる枠組みにおいて、健康被害情報の報告も含めた安全性管理を事業者に求められるようにする仕組みを作りたい」といった考えも示しました。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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