業界ニュース

グラツィア成功の秘訣は3つの柱


美容・健康・医療・癒し・学びをテーマに社会貢献を目指す株式会社グラツィア。近年、ヒト幹細胞コスメのパイオニアとして快進撃を続けている。
先日開催された200以上の企業が出展する自費研フェスティバルでも、相当な手応えを感じたという。美容業界のみならず日本経済が停滞する中においても、成長を続ける同社の秘訣とは?代表取締役の南代 鮎美氏に話を聞いた。

南代 鮎美氏 プロフィール

美容関連企業を経て、1998年28歳で株式会社Graziaを設立。エステ、ヨガ、ヨガスクール、総合美容サロン事業、化粧品の製造販売を展開。2015年ヒト幹細胞培養液・独自複合成分・国際特許浸透技術・ハイブリットエクソソームといった先進美容成分・テクノロジーを採用。製造販売業許可を取得し、原料供給・OEM等、エビデンスに基づく最先端コスメ開発を手掛けている。

人材教育・再生医療・ワークバランス3つの柱


会社員時代から起業するのが夢でした。そのために当時時間を見つけては経営に関する本を読んでいましたね。
今でも私の経営者としての原点は松下幸之助氏。経営者として大切なことは氏の本ですべてを学んだといっても過言ではありません。
28歳になった時、根拠の無い自信と情熱だけで独立。私を含めて3人の仲間と、マンションの一室でのスタートを切ったのです。
美容機器の販売から始めたのですが、潤沢な資金があったわけでも、顧客を持っているわけではありません。製品を携えて、全国を回る泥臭い営業をしていましたね。
寝る間も惜しんで無我夢中で働き、その甲斐あって半年後にはマンションからオフィスビルへと移ることが出来たのです。

ワークバランスと理念浸透で離職率10%以下


美容機器販売からはじめた会社は順調に成長し、やがて自社サロン店舗を持ち、オリジナル化粧品の製造販売を手掛けるなど会社として大きく躍進。
浮き沈みの激しい美容業界で厳しい時代もありましたが、業績は緩やかではありますが右肩上がりで伸びていったのです。
3人でスタートした会社が、いつしか130名を超えるメーカーに。もちろん喜ばしいことですが、今度は人材育成の難しさに直面するようになりました。業績は上がっているのに、離職率は5割。会社が成長していく上で、これは大きな問題です。
そこで、はじめたのが全社員と理念共有する「理念浸透」。具体的な取り組みとしては2ヶ月に1回全社員参加の理念研修。ここで、毎回会社のビジョン、方向性、目的などをしっかり伝えていきます。
そして、いつでもどこでも理念と会社からのメッセージを見ることができる、コーポレート手帳を作成。つねに同じ目標を共有できる仕組みを作りました。
理念浸透ですが、驚くほどの成果で、今では当社の離職率は10%以下。面白いもので離職率が下がると、採用率は上がるのですね。人材不足の今の時代において、ありがたいことです。
当社の取り組みが話題となり、今では他社様に招かれて理念浸透の話をさせていただいています。そこで、私が申し上げるのは「理念とは利益追求だけではないということ。全社員、顧客、取引先など自社に関わるすべての人たちを豊かにすることが目的でなければいけません」ということ。人を大切に思ってこその企業です。

モノづくりへの情熱が原点


誰かの役に立ちたいという思いが製品作りの源ですね。ヒト幹細胞コスメ・エクソソームを手掛けたのも、医療現場で高い効果が得られている成分をなんとか美容でも活用したいと考え、莫大な資金と時間をかけて研究したのです。
2015年に完成したのですが、当時は「ヒト幹細胞コスメ」と案内すると、何それ危なくない?という反応がほとんどでしたね。
ですが、今では「根本から肌悩みを改善できるコスメ」と高評価をいただき導入サロンは10 000店舗を超えました。
ヒト幹細胞コスメのヒットで会社は安泰でしょう?と周囲から思われているようですが、そこに甘んじるわけにはいきません。
常に変化していかないと。もともとモノづくりが好きということもありますが、立ち止まっていては成長はありません。ですから、毎年新製品を出し続けています。
最近では美容業界だけでなく、クリニックのお取引先も増えてきました。専門の医師に私どもの製品を認めてもらえたというのは、社員にとっても大きな自信につながっていますね。

iPS細胞培養上清液に手応え


ヒト幹細胞、エクソソームと再生医療分野のコスメ開発に注力してきた当社ですが、本年度はiPS素材のスキンケアを展開していく考えです。
iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、さまざまな細胞に分化する能力を持ち、医療分野で注目されています。
このiPS細胞を培養する過程で得られる上清液には、サイトカインや成長因子、エクソソームなど、肌の再生や修復に寄与する成分が豊富に含まれていることから、画期的な美容素材として期待されています。
おかげさまで当社では、すでに大手美容医療機関などからOEMのお申込みをいただいています。10月に発表したドクターズコスメ「CELM」やバージョンアップした美顔器「direia ZERU V2」も大好評で大きな手応えを感じています。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


Related articles