総合マーケティングビジネスの富士経済は、美容・健康関連商品に用いられる機能性素材を調査し、今後成長が期待される訴求分野と素材を予想し、「ヘルスケア領域における注目訴求分野とブレイクが期待される機能性素材」にまとめました。なお、対象とした素材は「生物由来有用成分・素材市場徹底調査 2022」においても最新の市場動向を提示しています。
まず、高齢化社会の進展によって認知症の問題が顕在化し、予防ニーズの高まりによって「脳機能改善」の注目度が上昇しています。近年の研究によって将来の認知症リスクを検知することができるようになったため、今後、認知症予防をコンセプトとしたサプリメントなどの追い風になると予測しています。
注目関連素材「エルゴチオネイン(EGT)」では、神経細胞へのダメージ緩和が確認されており、認知機能改善効果、アルツハイマー型認知症の予防機能に注目が集まっています。人体内では合成することができず日常の食事で摂取する必要があるため、今後サプリメントへの採用増加が期待されます。
腸内環境改善の分野では、便通改善に加え免疫力向上など、様々な効果が期待できる「腸活」が消費者に広く関心を持たれています。近年は腸内環境改善による「免疫賦活」のメカニズム解明や「脳腸相関」のエビデンス研究が進展し、乳酸菌の豊富なエビデンスデータも下支えしており、今後免疫賦活関連のヘルスクレームを取得する素材が増加することによって、市場は拡大するとみられます。「EOD−1株由来パラミロン」は、腸の中の免疫系の細胞を活性化させる働きがあることが確認されており、「腸内環境改善+免疫賦活」の両面で訴求できます。
「フェムケア」では、政府による女性の社会進出推奨を背景に、女性特有の健康問題をサポートする機能性素材・応用製品への注目度が増しています。
特に、近年注目されているのは更年期症状の改善で、しわや肥満などのネガティブな体の変化も著しいため、更年期症状緩和×美容でのマルチな訴求の製品開発が進んでいます。
「ラクトフェリン」は、子宮内フローラを整え、妊活から授乳中まで効果が期待できる注目のフェムケア素材。疲労回復や免疫力向上、疼痛軽減などの機能が期待され、月経困難症(PMS)や更年期障害などに対応したフェムケアサプリメントとしても可能性が広がります。
健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル