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「産後の抜け毛はいつまで続くのか・・」不安を持つ母親は7割以上


毛髪・美容・健康のウエルネス事業を展開するアデランス(本社東京都品川区)が、小学生以上の子を持つ母親310人を対象に、「産後の抜け毛に関する意識調査」をインターネット調査で実施し結果を公表しています。

最初の質問では出産後に感じた髪の変化について尋ねており、約半数の人が「抜け毛が増えた」(53.2%)と回答しています。また、「毛量が減った/薄くなった」と答えた人も22.3%に上り、多くの人が産後の抜け毛を経験していることがわかります。
その他にも4割以上の人が「白髪が増えた」(46.8%)や「パサつきが気になるようになった」(42.6%)と答えており、産後の髪の悩みは抜け毛以外にも多岐にわたり、人それぞれ異なる様子がうかがえます。(グラフ1)

グラフ1

次に、最初の質問で「抜け毛が増えた」もしくは「毛量が減った/薄くなった」と答えた人184人を対象に、産後抜け毛の実態を聞いています。
まず、産後の抜け毛がどのくらい続いたかを聞いた結果、45.1%の人が「産後1年以降も続いた」と回答。「産後7ヵ月~1年まで」と答えた人も22.8%に及んでおり、約7割近い人が、半年以上にわたって抜け毛の症状を感じていたことがわかりました。(グラフ2)

グラフ2

続いて、産後の抜け毛が続いている間、不安に感じたことなどについて尋ねていますが、「抜け毛がいつまで続くのか不安になった」(76.6%)と答えた人が7割以上にも及びました。前問で、半年以上抜け毛が続いたと答えた人が多かったことからも、抜け毛が治まらないことを不安に感じる人も多いことがわかります。
 その一方で、「育児に集中していて抜け毛を気にする余裕はなかった」(50.5%)と答えた人も5割に及んでいます。(グラフ3)

グラフ3

6割の人は産後の抜け毛対策をしていない

産後の抜け毛に対して何らかの対策をとったか尋ねたところ、「何もしなかった」(60.3%)と答えた人が約6割にも上る結果となりました。前問で「育児に集中していて抜け毛を気にする余裕はなかった」と答えた人が約半数いたことからも、育児優先で、自身のケアを後回しにしている傾向が見られました。
一方、対策をとった人の中では「生活習慣を整えるよう心がけた」(17.9%)と「バランスの取れた食事を心がけた」(15.8%)が上位に入ったことから、日々の生活の見直しを心掛けた人が多いことがわかります。また15.8%の人が「シャンプーを変えた」と答えており、ヘアケアアイテムの見直しを行った人も一定数いることがわかります。(グラフ4)

グラフ4

最後に、産後抜け毛の悩みを誰かに相談したかを聞いています。その回答では「夫」が34.2%でトップとなり、次いで「両親」(23.9%)と続いており、家族に相談をしていた人が多いことがわかります。
しかしその一方では、「誰にも相談しなかった」(43.5%)と答えた人が4割に上ったことからも、抜け毛というデリケートな悩みを、気軽に相談できない人も多いことがわかります。(グラフ5)

グラフ5

調査結果について同社の毛髪診断士指導講師がアドバイスをしています。
「今回の調査では、7割以上の人が「産後の抜け毛がいつまで続くのか不安だった」と答えていますが、産後の抜け毛には毛周期(ヘアサイクル)も関連しています。
人間の髪は、自然に生えて抜け落ちるサイクルに従っており、これを毛周期(ヘアサイクル)と呼びます。ヘアサイクルは成長期・移行期(退行期)・休止期の3段階があり、一般的に4~6年かけて1周します。しかし産後は女性ホルモンの乱れにより毛周期が一時的に崩れることで、一気に抜け毛が起きてしまう状態になります。この状態を分娩後脱毛症と呼び、産後2ヵ月頃から始まり、産後4ヵ月~6ヵ月頃に抜け毛のピークに達します。女性ホルモンの分泌量や生活習慣などで個人差はありますが、産後6ヵ月~1年頃には正常なヘアサイクルに戻ると言われています」との事です。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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