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世帯年収1,500万円以上の男女の約半数が『コト消費(体験)』を重視

旅行のイメージ

世の中には様々なターゲットに対して多岐にわたる商品やサービスが開発され、近年の「高額消費」は多様化の一途をたどっています。また、「ウェルビーイング」という言葉が浸透し、人々は単なる経済的成功を超えた豊かな生き方を模索しているものと思われます。では、世帯年収1500万円以上の高所得者層は、どのような消費を通じてQOL(生活の質)を高めているのでしょうか。
富裕層向け家事代行・家政婦サービスを運営するLOBBY(ロビー)が世帯年収1500万円以上の男女を対象に「高所得世帯におけるQOL向上に関する消費実態調査」を実施し、その結果を公表していますので紹介します。

まず、「現在、自身の”QOL(生活の質)”について、どの程度満足しているか」を尋ねる設問への回答では、1位が「やや満足している」で40.3%、2位が「非常に満足している」で19.7%、3位が「どちらともいえない」で18.5%という結果になりました。1位と2位の回答を合計すると回答率60%となり、この結果から、世帯年収1500万円以上の方の6割が、自身の”QOL”について、少なからず満足していることが明らかになりました。(グラフ1)

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グラフ1

QOLが向上したと感じたトップは「旅行やレジャーなどの経験・体験への投資」

次に、「近年行った消費のうち、自身の”QOL”が向上したと感じるもの」を尋ねる設問への回答では、1位が「旅行やレジャーなどの経験・体験への投資」で46.4%、2位が「趣味の道具やエンタメコンテンツなどの趣味投資」で13.9%、3位が「リフォームや引っ越しなどの居住環境への投資」で9.7%という結果になりました。この結果から、世帯年収1500万円以上の方が近年行った消費のうち、自身の”QOL”が向上したと感じるもの第1位は「旅行やレジャーなどの経験・体験への投資」であることがわかりました。(グラフ2)

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グラフ2

QOL向上を感じた消費に対しての年間使用金額は人それぞれの結果に

続いて、「自身の”QOL”が最も向上したと感じる消費に対して、年間でどのくらいの金額を使ったか」を尋ねる設問への回答では、1位が「100万円以上」で27.9%、2位が「10万円~30万円未満」で18.8%、3位が「30万円~50万円未満」で13.9%という結果になりました。調査結果を見てみますと、100万円以上の層が3割弱で回答率として最も多かったものの、10万円未満の層も2割強おり、10万円以上~50万円未満の層も3割強いることから、”自身のQOLが最も向上した”と感じる消費に対して、年間で使用する金額は人により異なることが判明しました。(グラフ3)

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グラフ3

重視するのはコト消費(体験)

また、「自身の消費において”モノ消費(所有)”と”コト消費(体験)”のどちらをより重視しているか」を尋ねる設問への回答では、1位が「コト消費をより重視する」で48.5%、2位が「どちらとも言えない」で30.6%、3位が「モノ消費をより重視する」で20.9%という結果になりました。この結果から、世帯年収1500万円以上の方の約半数が、自身の消費において”コト消費(体験)”をより重視していることが明らかになりました。(グラフ4)

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グラフ4

「自身の消費を行う際に、最も重視する価値観」を尋ねる設問への回答では、1位が「体験・感情」で24.5%、2位が「コストパフォーマンス」で24.2%、3位が「健康・ウェルネス」で12.7%という結果になりました。このことから、世帯年収1500万円以上の方が消費を行う際に最も重視する価値観は「体験・感情」であることがわかりました。(グラフ5)

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グラフ5

お金をかけたい分野のトップは「趣味・娯楽・体験」

最後の「今後、よりお金をかけていきたい分野」を尋ねる設問への回答では、1位が「趣味・娯楽・体験」で30.9%、2位が「資産形成・投資」で24.2%、3位が「健康・美容」で14.6%という結果で、世帯年収1500万円以上の方が、今後よりお金をかけていきたい分野は主に「趣味・娯楽・体験」や「資産形成・投資」であることが明らかになりました。(グラフ6)

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グラフ6

この調査では年収1,500万円以上の富裕層を対象にしていますが、それ以下の年収や年齢層の方にも共通する部分はあると思います。若い時には物欲が上回るかもしれませんが、歳を重ねることで物欲から体験へとシフトされていくこともあるでしょう。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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