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「我慢の更年期」はもう終わりに!更年期と寄り添いアクションする人ほど『幸年期』体質


一般社団法人幸年期マチュアライフ協会(今井麻恵・代表理事)と日本インフォメーション(斎藤啓太社長)はマチュア世代およびマチュア世代の「更年期」に注目し、更年期の向き合い方や行動実態の把握による幸福度の違いを明らかにすることを目的に、共同調査を実施し、その結果を公表しました。
調査は2021年12月に30歳〜69際の男女2000名(男性800名、女性800名、更年期で通院経験のある女性400名)に対しインターネットによるアンケートで実施されました。

更年期症状への対策として何らかのアクションを行うポジティブ思考で「幸年期」傾向

マチュア世代の今の幸福度を確認すると、「私を大切に思ってくれる人がいる」、「人に感謝することがたくさんある」、「人の喜ぶ顔を見るのが好き」、「家族との関係は良好であるという」、という利他的な意識や、「自分ができないことを他者や状況のせいにしない」、「自分の信念は変化しない」、といった失敗を気にせず自身への自負が高まることがわかりました。特に男性は60代から、女性は50代から高まる傾向にあるようです。

更年期の自覚がある人では、更年期症状に対して通院や改善、緩和、予防行動を行っており、何らかのアクションをしている人ほど、物事をポジティブに捉える「幸年期」傾向が見られます。(グラフ1)

「これは更年期なのか!?」と思うことが男性も女性も既に30代から自覚

現在の更年期の自覚については、男女ともに30代から「プレ更年期」の症状を自覚し始めています。
「プレ更年期」から「すでに更年期に入っている」まで含める自覚では、男性は50代で最も多くの自覚があり、次いで60代。男性の場合は、更年期なのかどうかわからない、「更年期かもしれないという回答が6割と多数で、50代が3割ということから50代になると自覚し始めています。
これは、男性と更年期との結びつき、更年期の症状という判断基準が低いと思われるためなのでしょう。男性の場合、更年期の始まりも終わりも身体、心理、社会的要因に起因するため、人それぞれで、更年期という意識・自覚への距離が伺えます。

一方、女性の更年期の自覚は50代で65%、40代で49%が更年期を自覚しているようですが、「すでに更年期に入っている」という明確な自覚は、50代は4割と高いのに対して、40代ではまだ1割程度、40代、50代ともに「更年期かもしれない」は2割です。(グラフ2)

更年期は大半が「我慢の更年期」。更年期を受容したくない「抗年期」層と自覚しない男性「控年期」層が存在

更年期症状の悩み度合いについて、男性は30代~40代で4人に1人が、50代で5人に1人が「ひどい症状を我慢している」と回答し、女性は40~50代の4割が「症状はあるが我慢できる」と回答しています。

一方、「症状があっても気にしない」という層が男性では2割程度存在しており、これがまさに更年期を自覚しない「控年期」と言えるのではないでしょうか。女性は3割が「症状があっても気にしない」という回答となっていますが、女性の場合、閉経という節目を機に自覚はあるものの、更年期を受容したくない「まだ更年期じゃない」という、抗う「抗年期」と呼べるのかもしれません。

いずれにしても、男女ともに6~7割が「更年期症状を我慢している」というのが現状であり「我慢の更年期」が浮き彫りになりました。(グラフ3)

更年期対策は、まずは生活習慣を整えることから

更年期自覚層が更年期症状の改善、緩和、予防のために現在行っている対処法は、「生活習慣を整えること」からアクションしています。
男性は「適度な運動」や「病院に行く」「お風呂」「睡眠」の順に高く、「病院に行く」という点が女性よりも高く出ています。
女性は「ゆっくりとお風呂に入る」「ゆっくりする時間を作る」「適度な運動」「睡眠」の順で、男性に比べて「体を温める」、「温かいものを飲む」という点が多く、自律神経を整えるような行動をしている傾向が見られます。(グラフ4)

更年期について他者への相談経験は、男女ともに「かかりつけ医」という回答が多く、特に50~60代が多く、その中でも男性の方が多く見られます。次いで、60代男性は「パートナー」。40代から60代の女性は「同性の友人」が高くなっています。(グラフ5)

かかりつけ医の後押しがあって初めて専門医を訪れるのが実情

更年期の改善、緩和、予防のための通院のきっかけは、男女ともに「かかりつけ医の紹介」が圧倒的に多く、男性は続いて「健康診断がきっかけ」のようです。
一方で、女性は「かかりつけ医の紹介」に次いで、「ネット検索」や、「同性の友人」がきっかけと、「かかりつけ医の紹介」が後押しになっているのが特長的です。(グラフ6)

更年期での今後の通院意向は、「確実に治るなら行く」、「今後も行かない」という層を除くと、半数は「行ってもよい」と回答。特に男女ともに40代では約3割が「自分が納得する理由があれば行ってみたい」と答えており、これは今後の課題へのヒントになるのでないかと思われる結果と言えそうです。(グラフ7)

更年期症状に対する改善・緩和・予防行動や通院は、効果実感に関わらず満足度が高い。特に女性は不調の緩和で人生の満足度や利他的な気持ち(幸福度)が高まる傾向。

更年期症状の改善、緩和、予防策の満足度は、女性の50~60代にかけて効果を実感し満足度が高まっている傾向で、60代は4割超が効果を実感し満足していると回答しています。
一方、男性はやや年齢とともに効果、実感や満足度が上がる傾向はあるものの、女性ほどの効果、実感や満足度はないようです。(グラフ8)

通院経験者における、更年期での通院に対する満足度は約7割が満足しています。(グラフ9)

更年期症状が緩和したらどんな気持ちになるかという質問で男性は「楽観的になれる」、女性は「失敗、やや不安があっても切り替えができる」が1位となり、女性の60代は特に利他的な項目が高いことがわかりました。
しかし、男性の40代では軒並み低い結果に。男性よりも女性の方が、全般的に幸福度が高いようです。(グラフ10)

今回の調査の結果から、男性も女性も更年期期間になんらかの対策をしている人は「感謝」や「利他的な意識」「自分への自負」が高く、一方、対策をしていない人は、「周りとの関係性への配慮」などが薄れる傾向、他人のせいにする傾向がみられました。

これは、「こうしてみたらどう?」「専門医にいってみては?」と言ってくれる友人やパートナー、かかりつけ医が周りにいたり、それを自身で決めたり、アクションを起こしたことにより「解決策を見出している」ことで、気持ちを前向きに変化させている結果と見受けられます。
次の一歩へのアクションで「更年期」を「幸年期」にかえる力が備わったと思われます。
しかし対策を行っていないと、我慢や体調不良により、自分のことで精一杯になり、人からのサポートに対する感謝や人を助ける余裕がないことが伺えました。

更年期の症状に対しては7割が『我慢する』傾向にあり、男性は30代から40代で4人に1人が、50代で5人に1人が「ひどい症状を我慢している」と回答し、女性は40から50代の4割が「症状はあるが我慢できる」と回答しています。
さらに通院経験者でも約3割が「ひどい症状を我慢している」と回答しており、生活に支障が出るという気遣いから通院に踏み切るというケースも見受けられるようです。

一方、「症状があっても気にしない」という層が、男性では2割程度存在しており、これがまさに更年期を自覚しない「控年期」と言えるのでしょう。
女性では3割の回答があり、更年期を受容したくない「抗年期」と言えそうです。いずれにしても、そろそろ「我慢の更年期」を終わらせる時を迎えているようです。

●幸年期マチュアライフ協会
2012年10月26日に設立し、男女マチュア世代の次のステップに向けた「アクション」(ウエルビーイング=幸年期)に向け、また更年期が「幸年期」と捉らえる社会の実現を目指し活動をしている。男女マチュア世代の「更年期」における「不」の解消を手伝い、意識変容を促し、行動変容を目指す人を幸せに導くサポートをするため地方自治体・企業・団体・様々な分野の専門家とともに取り組みを行っている。

公式ウェブサイト

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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