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巻き爪の改善を試すなら爪が人目につきにくい「冬の時期」に


9割の医師が警鐘「寒さを凌ぐはずのブーツが巻き爪の悪化につながる」

「専門医と学ぶ巻き爪・陥入爪治療の相談室」を運営する合同会社ひまわりコーポレーションが、形成外科、皮膚科、整形外科の医師を対象に「寒い季節における巻き爪のリスク」に関する実態調査を実施し、1,018人より回答を得ています。

最初の質問で「巻き爪の一般的な原因として考えられることを教えてください(複数回答可)」と聞いていますが、『間違った爪の切り方(53.8%)』が最も多く、『間違った靴選び(46.5%)』『不適切な靴の履き方(37.5%)』と続いたことから、巻き爪の原因として、特に爪の切り方や靴の選び方が重要視されていることがわかります。(グラフ1)

グラフ1

「冬場は巻き爪が悪化する傾向にあると思いますか?」と聞いた質問では、約9割が『とてもそう思う(43.6%)』、『やや思う(47.8%)』と回答しています。さらに「その理由として考えられることを教えてください(複数回答可)」との質問では、『冷えによる血行不良(61.9%)』が最も多く、『乾燥による皮膚の硬化(47.4%)』『ブーツの着用による圧迫(45.4%)』と続いたことから、冬季の血行不良や乾燥、靴の圧迫が巻き爪を悪化させる要因であると考えられているようです。(グラフ2)

グラフ2

前の設問で『ブーツの着用』と回答した人に「ブーツを履くことで、巻き爪が悪化する理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『足先が圧迫されるから(73.5%)』が最も多く、『通気性が悪く、湿気がこもりやすいから(56.7%)』『足指を自由に動かせないから(50.4%)』と続き、ブーツの特徴が巻き爪に負担を与える要因となり、特に足先の圧迫が悪化の原因とされていることが示唆されています。

「ブーツやヒールの着用が巻き爪に影響していると感じる人はどれ位いると思いますか?」との質問では、9割以上が『とても多い(55.8%)』または『やや多い(42.1%)』の回答結果になっています。ブーツやヒールによる巻き爪への影響を懸念する意見が多数を占めており、靴の選択が巻き爪に大きな影響を与えていると考えられます。

それでは、巻き爪の悪化を防ぐためにはどのような靴を選ぶべきなのでしょうか。
続いて「ブーツやヒールによる巻き爪の悪化を防ぐため、どのような靴を選ぶべきか教えてください(複数回答可)」との質問では、『足先にゆとりがある靴(67.1%)』が最も多く、『適切なサイズの靴(65.0%)』『ヒールが低めの靴(43.3%)』が続きました。
巻き爪の悪化を防ぐには、「足に負担をかけない靴選び」が重要の様です。圧迫や摩擦を軽減し、足先への負担を抑えた靴を選ぶことで、効果的に予防できると考えられます。(グラフ3)

グラフ3

さらに前の設問で「冷えによる血行不良」「乾燥による皮膚の硬化」と回答した人に、「冷えや乾燥している状態が続くことで、巻き爪にどのような変化が起こりますか?(複数回答可)」と質問したところ、『爪が硬くなり、巻き爪が進行しやすくなる(66.4%)』が最も多く、『爪周辺の炎症が起きやすくなる(46.6%)』『爪が変形しやすくなる(43.1%)』と続きました。
冷えや乾燥が続くと爪が硬化し巻き爪が進行しやすくなるため、冬季のケアが重要であると考えられます。
続いて、「冷えや乾燥から爪を守るために効果的だと思う対策を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『保湿性のある靴下をはく(47.1%)』が最も多く、『クリームやオイルで保湿する(41.6%)』『長時間靴を履き続けない(41.1%)』という結果になっています。
保温や保湿、靴の長時間着用を避けることが、巻き爪予防に効果的であると認識されているようです。(グラフ4)

グラフ4

最後の質問で全員に「爪が人目につきにくい冬の時期こそ巻き爪の改善を試みるべきだと思いますか?」と質問したところ、約8割が『とても思う(34.5%)』または『やや思う(48.7%)』と回答しています。
冬の時期に巻き爪ケアを行うことへの肯定的な意見が多く、季節的なケアの重要性が意識されているようです。
「どのような状態から巻き爪の治療を始めるべきだと思いますか?」との質問では、『軽い痛みを感じたとき(38.1%)』が最も多く、『歩行や靴の着用時に違和感を覚えたとき(25.5%)』『赤みや軽い腫れが見られるとき(22.7%)』という回答になっています。
巻き爪の治療は、軽い痛みや違和感が発生した段階での早期対策が推奨されています。(グラフ5)

グラフ5

今回の調査で、冬場は巻き爪が悪化する傾向にあると思う医師が9割以上いることが明らかになりました。その主な要因は血行不良や乾燥による爪の硬化、ブーツなどの圧迫を伴う靴の着用が挙げられ、特に「足先が圧迫される」「通気性が悪く湿気がこもる」といったブーツ特有の特徴が巻き爪に悪影響を与えていると考えられており、冬季には靴選びの重要性が示されました。

また巻き爪の予防には、「足先にゆとりがある靴」や「適切なサイズの靴」の選択が有効とされ、保温性のある靴下や保湿クリームを使用して冷えと乾燥から爪を守ることが推奨されています。

冬は足の爪が人目につきにくい季節であるため、この時期に改善を試みるべきだと8割以上の医師が考えており、ケアの好機とされていることがわかりました。他にも巻き爪の治療開始時期については、「軽い痛み」や「違和感」を感じた時点での早期対処が望ましいと考えられています。軽度の症状であれば早期治療が可能であり、症状が進行する前に適切な対処を行うことが推奨されています。
軽度の段階で治療を開始することが巻き爪悪化の予防につながるため、足の爪が人目につきにくい冬の時期こそ、なるべく早めに対処してみてはいかがでしょうか。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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