総合マーケティングビジネスの富士経済(東京都中央区、清口正夫社長) は昨今、高まりつつある男性の美容意識を背景に、メンズ整肌料やメンズ洗顔料で新規参入の増加で注目されるメンズコスメティックスや、ヘアケア・ヘアメイクの国内市場を調査し、その結果概要を発表しました。
外出機会の増加で回復傾向の兆しが見られるメンズコスメティックス市場
メンズコスメティックス市場は、通信販売を中心にメンズコスメブランドの投入が進んだほか、ビジネスパーソンの身だしなみ意識の向上から、洗顔料や整肌料などのフェイスケアが伸びたことで市場が拡大してきました。
2020年は美容意識の高いユーザーや肌荒れ、薄毛などの悩みを持つユーザーによるリピート需要が市場を支えました。
また、整肌料を中心に新ブランドや新商品の投入がみられたほか、在宅時間増加でテレビCMやWEB広告に触れる機会が増加したことにより、積極的に広告を投下した通販・セルフブランドが伸長しています。
しかし一方で、外出頻度の低下により、構成比の高いメンズスタイリング剤の需要は落ち込み、さらにはマスクの着用に伴い、髭を剃る頻度が減少し、メンズシェービング料が縮小したことで、市場は前年比0.3%減の1,506億円となりました。
2021年は前年と比べて外出が増えている傾向が見られ、メンズスタイリング剤の回復傾向の兆しが見られました。
また、洗顔料や整肌料の新規需要の取り込み、通信販売メーカーの台頭によるメンズシャンプー・リンスの伸長が予想され、市場は前年比4.3%増の1,571億円(見込)まで回復しています。
2020年 | 1,506億円 | 2019年比 | 99.7% |
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2021年(見込) | 1,571億円 | 2020年比 | 104.3% |
ヘアケア意識の高まりがヘアケア・ヘアメイク市場を牽引
2015年以降、メーカーがボタニカルを訴求した新ブランド・ラインの投入を進め、ボトル単価が1,000円を超える高価格帯の商品が好調に推移してきましたが、2020年の新型コロナウイルスの影響により、美容室の休業や利用者が来店を控えたことから、家庭でのヘアカラー需要が増加しました。
また、在宅時間の増加により、ヘアケアにかける時間が増え、ヘアパックやアウトバストリートメントといったスペシャルケアアイテムの需要も増え、ケア意識の高まりから例年以上に高価格帯ブランドが好調でした。
しかし一方で、業務用の需要が激減したことや外出機会の減少により、ヘアスタイリング剤の需要が低迷したことで、市場は前年比1.6%減の5,767億円でした。
2021年は外出機会の増加傾向により業務用の回復が見込まれる他、ヘアケア意識が引き続き高まっているため、前年比2.7%増の5,925億円が見込まれます。
2020年 | 5,767億円 | 2019年比 | 98.4% |
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2021年(見込) | 5,925億円 | 2020年比 | 102.7% |
オンライン会議が美意識向上効果をもたらしメンズ整肌料市場が好調
スキンケア意識の高まりを受け、2017年頃から簡単にケアができるオールインワンタイプの商品市場は拡大してきましたが、2020年は外出機会の減少で顔拭きシートの需要が減少したものの、その一方で、オンライン会議で自身の顔を見る機会が増加したため、肌荒れなどに気づく消費者が増えたことにより、スキンケアやメイクアップのニーズが高まりました。
また、新規参入が増えたことに加え、ナイアシンアミド配合のシワ改善クリームといった新商品も発売され、市場は前年比8.9%増の221億円となっています。
2021年は前年よりも外出機会の増加傾向が見受けられ、顔拭きシートの需要が回復に向かうほか、メイクアップの商品投入も進むことが予想され、また、マスク着用による肌荒れ対策を訴求したプロモーションやスキンケアでの新商品発売が続くことから、市場は前年比11.3%増の246億円(見込)となる勢いです。
2020年 | 221億円 | 2019年比 | 108.9% | 2021年(見込) | 246億円 | 2020年比 | 111.3% |
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健康ジャーナルライター
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