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栄養療法による新型コロナウイルス対策の有効性

栄養療法 新型コロナウイルス 対策

新型コロナ感染症、遂にパンデミック宣言

新型コロナウイルスの拡大写真

新型コロナウイルス感染症に関して世界保健機関(WHO)は遂に、「パンデミック(世界的な大流行)とみなす」と表明した。国難ともいえる現状を我々はどう受け止めたら良いのか、どのようにして感染から身を守るべきなのかを日本における栄養療法の第一人者でIBMFの副理事長でもある柳澤厚生医師に伺ってきた。

感染予防・治療に対する国際オーソモレキュラー医学会の見解

新型コロナウイルス感染はみるみる世界中に拡がっていきました。政府が推奨する「うがい・手洗い・外出を控える」は予防の基本です。

しかし、有効なワクチンや抗ウイルス製剤がない中、他に何ができるかは早急な課題です。
現状、症状の出方はまちまちで、感染しても無症状・軽症・重症・重篤な方に分かれます。これは個々の栄養状態や免疫力などの違いによるものと考えています。

そこで、我々国際オーソモレキュラー医学会は新型コロナウイルスの感染を予防・治療する栄養 療法を周知する必要があると考えました。
ここで国際オーソモレキュラー医学会について簡単に説明させていただきますと、オーソモレキュラー医学とは医療行為として行う栄養療法のこと。

ビタミンやミネラル等の栄養素を正しく取り入れて、病気の予防や治療を行う医療で、欧米を中心に発展してきました。
正しい食事から栄養を取ることはもちろん、必要に応じてサプリメントや点滴などで高濃度の栄養を補充します。
個人の体質や体調によって必要な栄養素の種類や量が違うため、専門的な知識を持った医療従事者の指導のもとで行うことが基本です。

また、身体に悪影響のある物質を避け、体内からそのような物質を排出することも病気の治療や予防に必要となります。

「オーソモレキュラー」という言葉はギリシャ語で「正しい」を意味する「オーソ(Ortho)」と、「分子」を意味する「モレキュラー(Molecular)」を組み合わせた単語です。

ノーベル賞を2回受賞したライナス・ポーリング博士(米国)によって、1960年代に使われたことが始まりです。その後、アメリカとカナダを中心にオーソモレキュラーの理論や治療法が広がり、今では世界中の大学や医療機関で研究・実践されています。

ビタミンC摂取で感染拡大は防げる!

野菜と果物

さて、新型コロナウィルス感染ですが、オーソモレキュラー療法の観点からできることはあるのでしょうか。答えは「YES」。ビタミンCの摂取が新型コロナの予防そして緩和の鍵を握っています。

高用量のビタミンCを摂取することによって新型コロナの流行を遅らせ、さらには感染を防ぐことができるのです。ビタミンCが持つ強力な抗ウイルス効果については、医療現場において数十年も前から活用されてきました。
ビタミンCを摂ると血中のインターフェロン(ウイルスを撃退したり増殖を防いだりする物質)や抗体の濃度が高まります。加えてウイルスに対する抵抗力も高まり、活性酸素を中和する作用もあるのです。

このように免疫が強化される事実があるにもかかわらず、日本では「ビタミンCの抗ウイルス効果、とりわけコロナウイルスに対する効果的なアプローチ」が取り上げられることは、残念ながらほぼないでしょう。
症状の緩和や発症の予防には、体の抗酸化力および免疫力を可能な限り高めておくことが大切です。つまり、ウイルスから攻撃を受けた時、最も重要になるのは個々の体内環境の質なのです。重篤な疾患を患ってから治療するより、予防に力を注ぐ方が容易であることは明確です。
事実、アメリカのオーソモレキュラーニュースサービスの編集長アンドリュー・ソウル先生はコロナウイルスに対して、次のような見解を述べています。

「コロナウイルスは高用量のビタミンCを即時に、できるだけ多くの人に投与すれば、その勢力を劇的に抑えることが可能である。ビタミンCに抗ウイルス作用があることはもう数十年も前から実証されており、ウイルス全般に効果がある」

このように呼吸器系感染症の予防および治療におけるビタミンCの効果は、過去すでに実証されているとともに、海外では評価もされています。
日本ではウイルス性疾患の大流行が起きているこの状況下で、何故このような重要かつ有益な医療情報が政府系団体等から国民に向けて発信されないのか疑問を抱かずにはいられません。

ビタミンCの可能性について、チリで行われた介入試験のデータ結果

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1990〜91年にチリで行われたヒト介入試験では、風邪症状がある被験者にはビタミンCを1日6g、無症状の被験者にはビタミンCを1日3g摂取させたところ、総合感冒薬または解熱剤による対症療法のみの被験者と比較して風邪やインフルエンザの有症率が85%抑制され、症状の予防および緩和に効果があることが判明。摂取方法については、吸収性を考慮して1回当たり1gを数回に分けて摂取することが望ましいとした。

■ 結果
1990年の対症療法のみの対照群に比べ、1991年のビタミンCを投与した学生の風邪とインフルエンザの症状は85%減少した。
■ 結論
ビタミンC1gを1時間毎に6回、以後1日3回投与することで風邪とインフルエンザの症状が緩和した。また、ビタミンC1gを1日3回投与することで症状の予防ができた。

高用量ビタミンC+亜鉛の感冒に対する効果

フランスの2つのクリニックで、感冒で来院した患者にプラセボもしくは【ビタミンC1g+亜鉛10mg】を5日間投与した。

■ 結果
投薬群で有意に風邪に伴う症状の早期改善が認められた。

コロナウイルス対策の栄養素を食品で摂取する場合の目安

摂取の目安
摂取の目安
柳澤 厚生

プロフィール

柳澤 厚生 医師

● 国際オーソモレキュラー医学会会長
● 日本オーソモレキュラー医学会 代表理事
スピッククリニック名誉院長。米国留学を経て、杏林大学医学部内科助教授、杏林大学保健学部救急救命学科教授。高濃度ビタミンC点滴やメガビタミン療法など、ガンや慢性疾患の治療におけるオーソモレキュラー医学の日本でのパイオニア。


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