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国産サラブレッドの馬プラセンタは別格な存在


「エイジングケア」の定番といえばプラセンタ。元々は牛の胎盤を活用した牛由来が国内のプラセンタ市場を形成していましたが、2001年9月に起こったBSE問題でプラセンタ市場は大打撃を受けましたが、その後、豚由来、馬由来のプラセンタにシフトされ、現在のプラセンタ市場を支えています。特にサラブレッドの胎盤からから採取するプラセンタ製品は、高級志向や差別化を図る上でもプラセンタの中でも別格な存在と言えます。

馬由来プラセンタの先陣を切ったのが、国産サラブレッド馬由来プラセンタです。サラブレッドという力強く、綺麗なイメージもあることから次第に国産サラブレッド馬プラセンタが注目されるようになりました。特に、新規にプラセンタを販売する企業は先行する他社との差別化を図る意味で採用率が急増していきました。

しかし一方では、商品化するまでのコストが高いという問題が生じます。国産サラブレッドの原料コストが高いことがその大きな一因となっています。それには大きな理由があります。国内のサラブレッドは「走って賞金をかせぐ」経済動物として生産されており、近年では年間7〜8千頭前後の仔馬が誕生していると言われていますが、馬の育成や管理などで莫大なコストがかかるため原料コストも高くなるのです。「サラブレッドの出産はある程度、日にちや時間が予測できるため、獣医を含めて4〜5人のスタッフが立ち会います。そこに冷凍庫をもったスタッフが動向して鮮度を落とさずに回収し工場に持ち帰りますから管理は問題ありません。最近はより良いサラブレッドを育成するために飼料の他にサプリメントなども使っているため、そういった馬の管理費用もかかります。」(某メーカー)

サラブレッドの繁殖期は毎年1月〜6月で3、4、5月が出産のピーク。当年度分をこの間で採取します。それ以降が採取できないため供給量に限界がるのです。
国内のサラブレッドに関していえば前述した通り1月〜6月に出産します。これは日本の競馬システムと連動しているのです。日本の競馬自体は年間を通して開催されていますが、日本の競走馬(サラブレッド)は2歳の6月から順次デビューします。生まれた年が0歳。そこから2年の育成期間を経てデビューします。また牝馬(ひんばと読む/メス馬のこと)が全て繁殖馬となるわけではなく、競走成績や血統背景などによって厳選された馬だけが繁殖馬となれるのです。競走馬が繁殖馬となる時期が概ね3月〜5月頃。その後、種牡馬からの種付けを経て受胎が確認されると約11か月後の翌年1月〜6月に出産します。このようにサラブレッドは徹底した管理や育成プログラムに合わせた生き物で、馬の中でも別格な存在と言えるわけです。

そういった物理的要因もあり南半球(日本とは逆)などの海外産の馬プラセンタへの需要も増えてきているのが現状です。「国内外産問わず、豚に比べれば原料コストも高く、高級志向なので販売会社の経営者や開発担当者も豚に比べ真剣度が明らかに高いですね。それなりのコスト高になるため、失敗は許されない覚悟の表れを強く感じます。特に中小の販売会社にとっては投資額も大きくなります」(原料供給メーカー)との現場サイドの声もあります。

プラセンタ製品は化粧品、健康食品、ドリンクタイプなど様々な形態の製品が流通されていますが、多くは豚由来のシェアが多いです。馬由来の製品もシェアは拡大傾向ではありますが、海外産のものが多いです。それはやはり、一般消費者への販売価格を考慮した場合、国内産サラブレッドでは採算面で折り合わないという一面があります。逆に国内産サラブレッドを謳った製品が通常より低価格であった場合、配合量が少なめだったりするケースがあります。
配合量が少ないとエビデンスを訴求するための効果配合量に満たない場合が多いため注意が必要です。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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