富士経済は、プロテインブームが一段落し、伸びが緩やかになっていることから、ヘビーユーザーや健康志向ユーザーなどユーザー別の需要対応や商品戦略が重要になっているタンパク補給食品の国内市場の調査結果を公表しました。
市場はプロテインブームが起きた2015年以降急成長しており、2020年から2021年にはコロナ太り解消需要の獲得、TV番組などのメディアで取り上げられたことによるボディメイクやダイエットを目的としたライトユーザーによる需要、タンパク質摂取による健康維持・増進を目的としたユーザーの増加により、前年比2桁増の高い伸びが続きました。業界全体でもライトユーザー向けの商品投入やマーケティング施策が実施され、2021年頃からドリンクやヨーグルト、チルド加工食品などの新商品が発売されたことから、嗜好性の高さや日々の食事での摂取しやすさもありトライアルユーザーを獲得しました。
2022年以降はブームが一段落しており、TV番組などで取り上げられる機会が減少し、飽きが生じたユーザーの離脱などもみられました。しかし、メーカーによる新商品投入やリニューアルは引き続き活発であったことからライトユーザーによるカテゴリーを横断した需要がみられたほか、健康維持を目的に日々の生活におけるタンパク補給食品の摂取が定着したユーザーも多く、市場は緩やかな拡大が続きました。
2025年時点でヘビーユーザーによる需要が市場の約5割を占めており、今後もヘビーユーザーの需要が中心となるものの、栄養素としてのタンパク質摂取の重要性が定着してきたことから、健康維持を目的としたファミリー層やシニア層へのアプローチ強化も進んでいき、市場拡大が続くと予想しています。


健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル
