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2025年・機能性表示食品と特定保健用食品(トクホ)の現在地


富士経済は、機能性表示食品制度の活用で拡大が続く保健機能食品(機能性表示食品、特定保健用食品、栄養機能食品)の市場を調査し、その結果を公表しました。

機能性表示食品は、近年「Yakult1000」など睡眠関連のヘルスクレームの活況や、無糖茶やドリンクヨーグルトの既存商品が機能性表示食品にリニューアルされるなどの動きがあり、高い伸びが続きました。2024年は市場をけん引してきた睡眠ブームが落ち着いたため伸びが鈍化しているものの、拡大傾向は続いています。免疫機能維持やストレス緩和に関するヘルスクレームが高成長を維持していますが、市場が飽和しつつある中、参入企業では新規顧客の獲得からミドル・ヘビーユーザーの育成へと軸足を移す動きもみられます。なお、サプリメントは2024年3月の健康被害問題の影響を受けて、前年(2023年)を下回ったものの、2024年後半には影響が収束しつつあり、今後は再拡大すると思われます。

特定保健用食品(トクホ)は、機能性表示食品制度の開始以降優位性が低下し、企業も低コストで商品開発が行える機能性表示食品に軸足を移したことから2017年以降市場は縮小してきました。2024年も複数のブランドが終売したため、市場縮小が続くと思われます。しかし「明治ブルガリアヨーグルト LB81 プレーン」(明治)や「伊右衛門 特茶 a TOKUCHA」(サントリー食品インターナショナル)といった代表的なブランドが上向くなど好材料もあり、縮小幅は緩やかになるとみられます。2024年には“心血管疾患になるリスクを低減”を表示した商品が登場しました。機能性表示食品では実施できない疾患名の具体的な表示による訴求は差別化につながるとみられ、今後は他の疾患について表示の広がりが期待されるため、当面は注目していく必要性があります。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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