2025年4月に帯状疱疹ワクチンの定期接種制度が始まりました。医療実態を調査・研究するシンクタンクのM3総研が、同所保有の医療データをもとに、その現況を明らかにしました。
それによりますと、全国的に接種率は伸びているものの、都道府県間で差が生まれていることがわかりました。
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが体内で再活性化して発症する疾患。80歳までに3人に1人が発症するとされ、皮膚の痛みやかゆみの他、重症化すると強い神経痛が数ヶ月にわたり続き、視力低下や失明に至る場合もあり、こうしたリスクを防ぐため、厚労省は2025年4月に、60~64歳の一部と65歳、経過措置として70〜100歳まで5歳刻みの年齢層を対象に、定期接種に位置付けました。
調査によりますと、定期接種化から半年となる9月末時点の全国接種率は15.2%。前年度の月平均接種者数8,927人に対し、今年度は月平均接種者数182,186人と、1カ月あたりの平均接種者数は前年の約20倍にまで増加しました。(表1)

表1
一方で、自治体間で接種率に差が生じていることも明らかになりました。接種率が最も高い長野県(25.4%)や他の上位県では2割を超える中、最低の愛媛県(10.1%)など下位県では1割程度にとどまっています。(表2)

表2
助成額や接種勧奨体制の違いが影響していると考えられ、自治体間で最大約4万円の自己負担差が見られます。結果を踏まえM3総研は、地域格差を縮小する取り組みの強化が重要と指摘しています。

健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル
