エステサロンを開業する場合、物件の取得費や内装・外装の工事費、備品購入費や広告宣伝費など様々な費用がかかるため、膨大な資金が必要です。
それらにかかる資金を全て自分で用意するのが難しい場合、融資を受けるという選択肢があります。
今回は、エステサロン開業時に活用できる融資の種類や審査に通るためのポイントを紹介します。
エステサロンの開業を考えている方、資金調達に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
エステサロン開業時に活用できる融資の種類
融資は主に「公的融資」と「民間融資」の2種類あり、それぞれ特徴が異なります。
融資を受ける際は、それぞれの特徴を理解した上で自分に合ったものを選ぶことが大切です。
公的融資
公的融資は、国や自治体などの公的機関が行っている融資です。
民間に比べ金利が低く、融資を受けやすいといったメリットがある一方で、必要な書類が多く準備が大変、手続きが面倒といったデメリットがあります。
しかし、新たにエステサロンを開業するとなれば先行きは不透明でいつ経営が安定するかは未知数です。
そのため、融資を利用するなら、負担を軽減するためにもなるべく金利の低い公的融資を選ぶことをおすすめします。
開業前であれば時間を確保しやすいため、書類の準備なども行いやすいでしょう。
公的融資には、日本政策金融金庫が行っている新創業融資制度や商工会が実施しているマル経融資などがあります。
民間融資
民間融資は、銀行や信販会社、消費者金融など民間の金融機関から受ける融資のことです。
公的融資に比べると審査に通りやすい、利用しやすいといったメリットがあるものの、利子が高い、担保の設定が必要といったデメリットが存在します。
民間融資は、主に「プロパー融資」と「ノンバンク融資」の2つあります。
プロパー融資は信用保証協会を使わない融資のことで、金融機関側のリスクが高いため、主な融資対象は経営が安定しており信頼のある企業です。
一方、ノンバンク融資は信販会社や消費者金融など銀行以外の金融機関が行っている融資のことで、銀行の融資よりも受けやすい一方で、金利が高い、限度額が低いといった特徴があります。
融資の審査を通るためのポイント
融資は申し込めば必ず受けられるわけではなく、審査の結果落とされることも珍しくありません。
そこで、以下では融資の審査を受けるためのポイントを解説します。
ある程度自己資金を用意する
融資はあくまでもお金を借りるものであり、きちんと返済する必要があります。
そのため、融資を実施する金融機関は相手に返済能力があるかどうかをチェックしており、それらを判断するための材料として自己資金の有無を確認します。
自己資金が不足している場合、開業後に金銭に関する何らかの問題が生じれば、経営難に陥りやすいのではないかと判断される可能性が高いでしょう。
中には、融資を受ける条件としてある程度の自己資金を設定しているところもあるため、サロン開業時にはまとまった自己資金を用意しておくことが大切です。
創業計画書は具体的に記載する
融資を受ける際、サロン側は様々な必要書類を揃える必要がありますが、その中には創業計画書も含まれます。
創業計画書は事業の計画を立てるために作成するもので、その内容は審査の行方を大きく左右します。
どのようにして事業を行うのか、どうやってお金を返済するのかを様々なリスクを踏まえた上で現実的に説明することが大切です。
必要な費用を明記する際は、なぜその金額なのか根拠も明確に記載しましょう。
専門用語を使い過ぎると、審査担当者が事業内容を正しく理解できず、こちらの思いが伝わらない可能性があるため注意が必要です。
面接ではアピールが重要
融資では、担当者との面接が行われます。
面接では融資担当者に対し、成功する確率が高い事業であることをアピールすることはもちろんですが、サロン開業にかける想いをしっかりと伝えることが重要です。
エステサロンを開業したい理由、どのようなサロンにしたいのかなどが伝われば、担当者もきちんと返済してくれる人物だと信頼してくれるでしょう。
面接での印象は融資の審査に大きく影響するため、覚悟を持って臨むことが大切です。
サロン開業時に融資を受けるメリット・デメリット
最後に、サロン開業時に融資を受けるメリット・デメリットを説明します。
融資の利用を考えている方は、メリット・デメリットをしっかり把握した上で判断するようにしてください。
メリット
閉店率を下げられる
開業当初は思っている以上にお金がかかります。
ある程度自己資金を用意していても、経営が軌道にのるまでに時間がかかれば、閉店に追い込まれてしまう可能性があるでしょう。
しかし、最初に融資を利用すれば、ある程度手元に資金を残しておくことができるため、閉店せずに事業を続けられる可能性が高いです。
エステサロンは開業後1年以内に半数以上が閉店すると言われています。
経営が厳しい時期をいかに乗り越えるかがカギとなりますが、融資を利用し資金面の余裕を作っておけば、予想外の出費にも耐え、事業を継続できる可能性が高まります。
開業時のほうが融資が通りやすい
事業が思うようにいかなくなってから融資を受けようと思っても審査が通らない可能性が高いです。
同じ資金不足でも開業時なら創業計画書をもとに今後の伸びしろで判断してもらえるため、融資が通りやすいでしょう。
事業が成功しやすい
融資を受ければそれだけ資金面に余裕ができるため、高性能なエステ機器を導入したり、内装やインテリア、備品にこだわったりでき、集客につなげやすいです。
集客がうまくいけば売上も上がり、早期返済しやすくなるでしょう。
また、融資を受けた事業が成功することで次の融資も受けやすくなり、事業拡大にもつながります。
いずれは複数店舗展開したい、大きなエステサロンを経営したいと考えているなら、最初に融資を利用し実績を積んでおくことも大切です。
デメリット
返済が負担となる可能性がある
融資は借金であり、毎月返済する必要があります。
人によっては、お金を借りることが精神的に負担になることもあるため、利用する際は慎重に判断することが大切です。
不要な投資をしてしまう可能性がある
例え一時的であるとわかっていても、手元に大きなお金があると思うと、金銭感覚がマヒしてしまい、本来であれば不要な投資を行ってしまう可能性があります。
融資を利用する際は当初の計画に沿ってきちんと管理すること、目的以外のものには使わない自制心を持つことが重要です。
新たな機器や設備を導入する際は本当に必要なのか、考えるようにしましょう。
保証人や担保が必要になることも
融資によっては保証人や担保の設定が求められることがあります。
保証人や担保を設定すれば、審査に通りやすくなるものの、自分で用意できない場合、保証会社を利用する必要があります。
そうなればその分手数料が発生し、金銭的な負担が大きくなります。
融資を利用する際は、保証人や担保の有無も確認することが大切です。
今回は、エステサロン開業時の融資について紹介しました。
融資には主に公的融資と民間融資の2種類あり、それぞれ特徴が異なります。
融資を利用する際は、メリット・デメリットを把握した上で、それぞれの金利や返済期間、借入額など条件をしっかりと比較し、事業計画に見合ったものを選ぶことが大切です。