エステ開業

エステを開業する際の注意点


エステティシャンとして活躍していた方が自宅サロンで独立開業するケースは珍しくありません。
自宅サロンを開業することで、その人の強みを活かした施術がしやすくなるなどの魅力があるためです。
しかし、エステサロンを開業するのであれば、注意点やリスクも把握しておかなければいけません。
今回は、独立開業するメリットやエステ開業を目指す方が知っておきたい注意点・リスクについて解説していきます。

独立開業するメリット

はじめに、自宅でエステサロンを開業するメリットからみていきましょう。
オーナーが1人でサービスを提供する個人サロンは、エステサロンのおよそ7割を占めていると言われています。
自宅の一部を利用した自宅サロンであれば、通勤の時間を短縮できるので自分の時間を作りやすくなります。
マンションやテナントを借りて開業するケースもありますが、自宅に駐車スペースがあったり、駅チカの立地だったりする場合は、自宅サロンを選択したいと考える方が多いのです。

大手サロンと違い、個別性を大切にしたメニューを提供できるのが独立開業する大きなメリットです。
一人ひとりの悩みに合わせた、きめ細かいサービスを提供したいといった場合にも、夢を叶えやすくなります。

サロンのコンセプトやターゲットとなる層、メニュー、価格など全て自分で決められるので、エステサロンに対する高い理想がある方にこそ、独立開業はおすすめなのです。

自宅サロン

エステ開業を目指す人が知っておきたい注意点

自宅で個人エステサロンを開業する場合、いくつか把握しておくべき注意点があります。
続いては、注意点をみていきましょう。

生活感を出さないようにしなければいけない

テナントを借りる場合は問題ありませんが、自宅サロンを開業するならできるだけ生活感が出ないように気を付ける必要があります。
エステサロンに足を運ぶ方は、美や癒しを求めています。
エステティシャンのテクニックの高さももちろん重要ですが、施術スペースの環境も非常に重視されるのです。
玄関やトイレなどを家族と共有するケースもあるので、施術スペースだけではなく、あらゆる場に気を遣わなければいけません。

トイレに掃除道具が無造作に置かれている、子どもの靴が散らかっている、といったように、生活感は出さないようにしましょう。
臭いも気になってしまう方がいるので、小まめに掃除したり、消臭剤や芳香剤を利用したりするなどの対策をしておいてください。

セキュリティ面を強化する

ホームページやSNSなどを活用して集客すると、見ず知らずの方がお客様として自宅を訪問することになります。
どのような方が来られるかわからないため、セキュリティ対策は万全にしておきましょう。
滅多にありませんが、女性限定サロンにも関わらず男性が来店するといった事態が発生する場合もあります。
不測の事態を回避するには、予約時に細かく情報を書いてもらう、心配事がある時は電話で確認する、カメラ付きインターホンを導入するなど、念入りな対策を講じるようにしてください。

カメラ付きインターホン

何でも屋にならないようにする

色々なメニューを用意することで、幅広い層が足を運んでくれるように感じるかもしれません。
しかし、それでは自分にしかできないといった強みが伝わりにくくなってしまいます。
「フェイシャルも痩身も自信があるサロンです!」というより、「フェイシャルならどこにも負けません!若返りたい方はぜひ!」と謳っているサロンの方がお客様からの印象は格段に印象が良くなるのです。
施術の内容を絞ると、必要な機器にかかるコストも抑えられます。
また、広告を出す時も強みがはっきりしているとインパクトが生まれやすくなります。
その結果集客につながりやすくなるので、何でも屋にならないことも重要です。

施術中の対応が難しい

オーナーが1人で受付や施術を全て行っている場合、施術中の電話対応や早めに来店されたお客様への対応が難しくなってしまいます。
施術中に席を外すと、せっかくのリラックス気分も失せてしまう可能性があるので、電話対応をするのは避けましょう。

インターネット予約や留守電などを活用し、電話に出なくても問題ないようにしておくことをおすすめします。
施術後に次回の予約をしてもらうようにすると、電話やメールの対応をする手間が省けるようになります。

予約時間よりも早めに来店されたお客様の対応は、自宅サロンだと十分な待合スペースを用意できないといった問題が生まれるケースが多いです。
お客様同士が対面しないようにするためにも、予約の前後はインターバルを設定しておきましょう。
しかし、急なトラブルが発生したり、早めに到着されたりするお客様がいることはある程度仕方ありません。

待合スペースをどうしても用意できないなら、近くで時間をつぶせるカフェや店などをリストアップして提案するなどすると喜ばれます。

カフェ

エステ開業を目指すならリスクも把握しておこう

エステ開業を目指しているなら、注意点だけではなくリスクも把握しておくことが重要です。
最後に、どのようなリスクがあるのかご紹介します。

新規の集客がうまくできない

エステ開業後、新規集客の壁にぶつかるオーナーは少なくありません。
中には、思っていたような結果を出せず早い段階で廃業してしまうケースもあります。
オープンしたばかりでは固定客もついていないので、新規集客が肝になります。
新規集客を成功させるためには、最初に目標を立てるのがおすすめです。
そして、チラシやSNS広告などを駆使し、少しでも多くの方にサロンの存在を知ってもらうのです。
新規集客は、これからの経営に大きな影響を与えるものなので、先行投資と割り切って広告費を惜しまないようにしましょう。
そうすることで、新規の集客がうまくできないというリスクを回避できる可能性が高まります。

リピーターになってもらえない

リピーターになってもらえないというリスクも、エステ開業においては理解しておかなければいけません。
エステサロンは、大手サロンも個人サロンもリピーターの存在があるからこそ経営が成り立っているからです。
新規集客はできてもリピーターになってもらえなければ、安定した収益は期待できません。
リピーターが増えて予約が埋まるようになっていくと、広告費を削減できます。
また、口コミや評判で新規顧客の流入も期待できるようになっていきます。

リピーターになってもらうには、会員制やサブスクリプションなどのサービスを用意する、化粧品などの販売を行う、などの工夫が必要です。

化粧品

固定費が思ったよりもかかる

毎月かかる費用はランニングコストと呼ばれています。
ランニングコストがどのくらいかかるか把握しておかないと、赤字になってしまう可能性が高いです。
どのくらいの期間でランニングコストを上回るような収益が得られるのか、初期投資はどのくらいの期間で回収できるのか、などをあらかじめ想定しておきましょう。

それが適当だと赤字になり、サロンを閉めざるを得ない状況にまで発展してしまう恐れがあります。

エステ開業に向けて自宅を改装するなど準備を進めている方もいるでしょう。
開業してから経営を安定させるためには、今回紹介した注意点やリスクも把握しておくことが大切です。
それらを理解した上で準備を進めていくと、理想に近いサロン経営を実現しやすくなります。
そして、自分らしさを前面に押し出した魅力的なエステサロンを開業してください。
リスクなどを把握して対策を講じておけば、新規集客やリピーターの獲得もしやすくなるはずです。


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