現在、エステサロンで従業員の一人として働いている方の中には、独立して自分のサロンを開業したいと考えている方もいるのではないでしょうか?
しかし、エステの知識や経験は豊富でも、経営のノウハウが身に付いていなければ、経営に失敗しやすくなります。
そこで今回は、エステティシャンが独立開業するメリットとデメリット、独立開業を成功させるためのポイントを解説していきます。
将来、独立を希望している方は、ぜひ参考にしてみてください。
エステサロンを独立開業するメリット
エステサロンを独立開業する主なメリットは、次の3つです。
・ワークライフバランスがとりやすい
・固定客を獲得しやすい
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
経営方針を自分で決められる
エステサロンに雇われているスタッフの一員であれば、会社の経営方針に従って仕事を行う必要があります。
給与が保証されている一方で、時には自分の意思に反する指示を受けることもあるでしょう。
しかし、独立開業した場合は自身が経営者になるため、サロンのコンセプトから導入する機器、施術メニュー、接客スタイルまで自由に設定することができます。
経営者になれば必然的にサロンの全責任を負う義務が発生しますが、自分の思い通りの営業スタイルが可能になるところが大きなメリットです。
ワークライフバランスがとりやすい
エステサロンを独立開業すると、営業時間や休日などを自分のライフスタイルに合わせて設定することが可能になります。
特に、自宅サロンを開業する場合は、家事や育児との両立が図りやすい傾向にあります。
完全予約制にしておけば、さらにスケジュール調整が行いやすく、効率的な経営が実現します。
エステサロンの独立開業は、ライフワークバランスに優れた働き方と言えるでしょう。
固定客を獲得しやすい
個人サロンは、オーナー1人または少人数で営業しているケースが多く、アットホームな雰囲気が特徴です。
お客様に親近感や安心感を与えやすく、オーナーの人柄が固定客の獲得につながることもあります。
また、以前働いていたサロンでいつも指名してくれていたお客様が、独立開業したサロンの常連になってくれるケースもみられます。
これまで培った技術力やコミュニケーション力を活かして、一人ひとりのお客様と向き合えば、より細やかな対応が可能になるでしょう。
エステサロンを独立開業するデメリット
エステサロンを独立開業するデメリットには、次の4点が挙げられます。
・自己管理能力が求められる
・お客様の都合に翻弄されやすい
・確定申告を自分で行う必要がある
これらのデメリットを理解した上で、しっかりと対策を練っておきましょう。
必ずしも成功するとは限らない
個人サロンを開業するために特別な資格は必要なく、比較的新規参入へのハードルは低いとされています。
しかし、いくらエステの知識やスキルが豊富でも、経営のノウハウがないまま開業すると、失敗する可能性が高くなります。
集客が上手くいかず、開業から1年以内に閉店してしまうサロンもめずらしくありません。
安定した経営を長く続けていくには、数多く存在する競合店に負ない大きな強みが必要となります。
自己管理能力が求められる
独立して小規模のサロンを開業する場合は、自分の代わりとなるスタッフがいないケースも多く、徹底した体調管理が求められます。
単に風邪を引いたり、病気をしたりしないということだけでなく、多店舗や周りの人に惑わされずに、自身の経営のみに集中できるメンタルも併せて維持していくことが大切です。
お客様の都合に翻弄されやすい
小規模サロンでは、1日に施術可能な人数が限られていることから、予約客以外への対応は難しいことが予想されます。
急なキャンセルや予約変更など、お客様の都合に翻弄されやすい点もデメリットです。
確定申告を自分で行う必要がある
エステサロンに限らず、起業して経営者になった場合、自分で確定申告を行う必要があります。
従業員であれば、会社が年末調整などによって所得税を計算した上で、納税まで行ってくれるため、慣れないうちは面倒に感じるかもしれません。
しかし、確定申告を怠ってしまうと、追徴課税が発生して余計な出費が増えることになります。
個人事業主になったら、忘れずに確定申告を行うようにしてください。
独立開業を成功させる3つのポイント
準備が不十分なまま急いで独立開業に踏み切ってしまうと、経営が上手くいかずに短期間で閉店に追い込まれてしまう可能性があります。
ここでは、エステサロンの独立開業を成功させるための3つのポイントをご紹介します。
十分な資金を確保する
エステサロンを独立開業するには、始めにまとまった資金を用意する必要があります。
物件を取得して内装工事を行ったり、備品や消耗品を揃えたり、自宅サロンだとしても最低で数十万円~百万円は見積もっておいてください。
独立して間もない頃は知名度が低いことから、最初の数ヶ月は赤字が続くこともめずらしくありません。
そのため、赤字期間を乗り切れるだけの余裕資金も準備しておきたいところです。
具体的には、数百万円程度の蓄えがあるとひとまず安心と言えるでしょう。
金融機関からの融資を受けるのも一つの方法ですが、その際は事業計画書の提出を求められます。
滞りのない返済が見込める経営プランがなければ、簡単にお金を借りることはできないのです。
先走って独立するよりも、ゆっくりと準備資金を貯めながら経営についての知識を身に付けていくのが得策です。
経営力を身に付ける
雇われのエステティシャンならば、技術力だけでも勝負できますが、独立して自分自身でサロンを経営するとなると、経営力も求められます。
売上管理や接客術を学べる経営者向けのセミナーなどもあるため、分からない部分や苦手な分野がある場合は、独立前に受講しておきましょう。
経営者になると、たとえスタッフが起こしたお客様とのトラブルやクレームであっても、オーナーが対応しなければならない場面も出てくることが予想されますが、慌てず誠実な態度で向き合うことが大切です。
ちょっとした努力の積み重ねが、経営者としての自信や魅力につながっていくのです。
顧客の新規開拓に努める
今働いているサロンを独立するにあたって、友達や知り合いのつてを当てにしているようでは、かなり厳しいと言えます。
たとえ約束していたとしても定期的に利用してくれるとは限らず、家賃やエステ機器、消耗品などの支払いを続けていくには、コンスタントに収益をあげていく必要があります。
エステサロンを独立する際に、自分の指名客を引き抜く方もいますが、これはあまりおすすめできない方法です。
お客様の意思で出入りしてもらう分には問題ありませんが、元の雇用主であるオーナーとの関係が悪化すると、人脈を狭める結果になりかねません。
エステサロンを独立開業するのであれば、一から顧客を開拓していく覚悟を持ちましょう。
公告やSNSを活用したPR方法を地域の人気サロンから学び、新規のお客様からリピーターにつなげる努力が大切です。
サロンティシャンとしての経験をある程度積み、知識や技術力が高まってくると、独立して自分のサロンを開業したいと考える方が多く出てきます。
また、エステサロンの独立開業は、国家資格などの特別な資格が不要なことやプライベートと両立しやすいことで女性人気の高いビジネスです。
しかし、開業後は激しい競争にさらされ、オープンしてから1年以内に閉店に追いやられるサロンは約半数にも上っているのが実情です。
そのため、やみくもに独立を急ぐよりも、まずは十分な資金を蓄えたり、経営者向けのセミナーなどを受講して経営のノウハウを身に付けたりしながら、独立開業に向けて周到に準備することを優先させましょう。