自分のサロンを持ちたい場合には、開業トラブルについて理解しておく必要があります。
お客様に喜んでもらうため、至福の時間を過ごしてもらうためにも、こだわりを追求したサロン経営を目指していきますが、トラブルを起こしてしまえば信用問題に関わります。
長く愛されるサロンを目指すためにも、トラブルのない経営が大切です。
そこで今回は、エステサロンの開業トラブルの事例や考えられるリスクについて解説していきます。
エステサロンの開業を考えている方やトラブル防止策を考慮したサロン経営を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。
エステサロンの開業トラブルの事例をご紹介
まずは、エステサロンの開業時に起こりがちなトラブルの事例をご紹介していきます。
自宅サロンや賃貸型サロン、セルフエステサロン別に起こり得るトラブルを解説します。
自宅サロン・賃貸型サロンのトラブル事例
自宅や賃貸マンションで起こりがちな開業トラブルは以下の通りです。
賃貸借契約法違反
賃貸の一軒家やマンションなどでサロンを開業する場合、契約時に営利目的である点を伝える必要があります。
住居用で借りた家で無許可営業を実施すれば、賃貸借契約法違反となります。
その場合、退去を求められる可能性もあるので注意してください。
もし、現在住んでいる賃貸物件でサロンを開業するのであれば、管理会社もしくは大家さんに問い合わせを行いましょう。
事業用として借りられない場合は、引越しをしないとサロンの開業ができないケースもあります。
別の物件を借りて開業を目指すか、自宅ごと引越しをして開業をするか、よく考えてから開業方法を決めてください。
消防法違反
自宅を店舗として利用する場合、持ち家でも賃貸でも営業をスタートする前には「防火対象物使用開始届出書」を消防署に提出する必要があります。
届出は事業をスタートする7日前までの提出が必須です。
万が一忘れた際には営業の中止が求められるので、忘れないよう管轄の消防署には早めに提出するようにしてください。
近隣住民とのトラブル
上記のような法律違反となるトラブル以外にも、自宅や賃貸物件でのサロン開業では様々なトラブルが考えられます。
その1つが近隣住民とのトラブルです。
持ち家をサロンにした場合でも、賃貸物件を不動産会社や大家さんからの許可を受けてサロンにした場合でも、近隣住民が全て納得しているとは限りません。
特に、アパートやマンションの一室をサロンとして開業する場合には、営業中の音や会話などが、生活している他の住人にとってストレスになる恐れがあります。
トラブルを防ぐためにも、営業をスタートする前には近隣住民に挨拶をしておきましょう。
無断駐車によるトラブル
サロンの駐車場以外にお客様が車を駐車してしまいトラブルに発展するケースもあります。
自宅サロンであれば路上や近隣のお店の駐車場、賃貸マンションやアパートでの開業であれば、他の住人の駐車場に車を駐車してしまうとトラブルになりやすいです。
トラブルを防ぐためには駐車場の案内を分かりやすくする他、予約を受けた際に駐車場の案内を徹底するといった対策方法がおすすめです。
駐車場のスペースに「○○サロン専用駐車場」と表示しておけば、お客様だけではなく他の人にも伝わりやすいです。
また、車以外で訪れるお客様のためにも公共交通機関でのアクセス方法についても案内をしておくと利便性を感じやすいです。
看板によるトラブル
サロンの位置をわかりやすく教えるためにも看板の設置を検討している方もいるはずです。
しかし、その看板によってトラブルが発生するケースもあります。
例えば、敷地からはみ出して設置した場合です。
目立つ場所に設置した方が集客にもつながりますが、場所によっては接触事故の要因となるので注意が必要です。
また、アパートやマンションでは廊下に看板を設置するケースもあるはずです。
その場合、A型看板にすると廊下の幅によっては他の住人の通行の妨げになるので、設置をさけるかドアに吊り下げるタイプの看板の設置を検討しましょう。
セルフエステサロンのトラブル事例
次に、セルフエステサロンを開業した際に起こり得るトラブルの事例です。
マシンによる怪我トラブル
セルフエステサロンはお客様自身でマシンを使って施術をしてもらいます。
手軽さが魅力のサロンですが、その分リスクも高まるので注意が必要です。
特にマシンによる怪我のトラブルには注意してください。
施術後に肌トラブルが起きた、神経トラブルが起きたといった事例は実際に起こっています。
これらは、事前に行われる説明不足が要因の1つです。
正しい方法でマシンを使用してもらわなければ上記のようなリスクがある他、マシン本来の効果が得られないといったトラブルも考えられます。
そのため、お客様へのレクチャーを十分に実施する必要があります。
また、初回利用後には質問や相談ができる時間を設けると、お客様の疑問を解決できるので、トラブルを防ぐために役立ちます。
マシンの管理トラブル
セルフエステサロンでは、マシンの管理にも注意してください。
間違った使い方による故障も考えられるので、正しい使い方をレクチャーすることが大切です。
また、定期的にマシンの点検を実施して、故障していないか、汚れが多くないか、傷が多くついていないかなどを確認しましょう。
汚れが多ければ不衛生な印象を与えてしまいます。
信用や売上にも影響を与えるため、定期的にメンテンナンスを実施しなければいけません。
また、お客様一人ひとりによる衛生管理も必要です。
使用後にはアルコール消毒や簡易的な清掃を呼びかけるなど、張り紙を設置して注意喚起しましょう。
エステサロン開業におけるリスクを把握しよう
エステサロン開業では、営業を続けていくためにもリスクを把握することが大切です。
どういったリスクが考えられるのかご紹介していきましょう。
新規顧客の集客問題
エステ開業後、新規顧客の集客で悩むオーナーも多いです。
思っていたような結果が出せずに早い段階で廃業を考える方も中にはいます。
特にオープンしたばかりであれば固定客もついていないので、新規のお客様が来なければ売上がゼロになってしまいます。
安定した収入を確保するため、固定客をつけるためにも集客が肝心です。
ポスティングや地域誌、フリーペーパーへの掲載、ホームページなど、集客方法は様々な種類があります。
近年では、InstagramやXを活用して集客をするサロンも増えています。
広告の配信も含めて活用を検討してみましょう。
固定客が得られない
エステサロンでは、固定客を増やす必要があります。
固定客が一定数いれば毎月の売上が安定化し、その後の予測も立てやすくなります。
コストに関しても、新規顧客の集客にかかるコストよりも固定客へのアプローチの方が少ないコストで売上が作れるので、固定客が増えた方がメリットを得られます。
固定客を増やすためには技術を磨くことも大切ですが、お客様との信頼関係を築き上げるのも大切です。
基本的な接客マナーだけはなく、ニーズに合うサービスの提供や悩みに対する的確な回答やアドバイスなど、真摯に向き合って接客をすれば信頼関係が生まれます。
良好な関係性を築くためにも、誠実な接客を大切にしましょう。
その他、ポイントカードの活用やクーポンの提供など、サービス面でもリピートがしやすくなるような環境の構築を目指してください。
今回は、エステサロンの開業トラブルや考えられるリスクについて解説してきました。
サロンの形態によっては様々なトラブルが考えられます。
場合によっては違法となり営業中止を求められるケースもあります。
法的に問題のないトラブルでも、発展してしまえば評判が悪くなり経営が悪化する懸念もあります。
集客に関するリスクも考えられるため、長く安定的な経営を目指すためにも、トラブルやリスクを考慮した上で、対策を講じた営業を続けていきましょう。