エステというと以前は「高そう」「お金持ちのマダムが行く場所」など、利用者が限られるイメージが先行していました。
しかし、SNSの発達によってエステサロンの情報が得やすくなり、男女関係なくエステが身近なものに変わりつつあります。
クーポンを利用して安く行ける、しつこい勧誘がないなど、以前より誰でも気軽にエステを利用することが可能になったのです。
SNSでの集客も可能なので、個人でエステサロンを開業したいという方も増えています。
今回は、エステサロンの開業には資格が必要なのか、また開業にあたって取得しておくと役立つ資格についてご紹介します。
エステの開業に不安な方は、より安心して開業準備に入るためにも、最後まで目を通してみてください。
エステサロンの開業は無資格でもできる?
結論から言うと、エステティシャンとしてエステサロンを開業する場合、資格も免許も必要ありません。
無資格の状態でもエステサロンの開業は可能です。
ただし、誰でも開業はできるものの、経営が上手くいかなければ意味がありません。
安定した集客・経営を望むのであれば、資格の取得が重要になってきます。
なぜなら大手のエステサロンとは異なり、個人でエステサロンを開業する場合はお店の実績もなく、情報が限られているためです。
資格保有の情報は、お客様からの信頼や安心感につながる可能性が高く、お店を選ぶ時の判断基準にもなります。
資格なら何でも良いという訳ではないので、開業に必要となる資格を理解し、自分に合うものを取得しておく必要があります。
無資格でエステ開業!どんなリスクがある?
無資格でエステサロンを開業した際、どんな問題が発生するのでしょうか?
本当に資格が必要なのかを知るためにもリスクを事前に確認しておきましょう。
・お客様に適切なアドバイスができない
・お客様からの質問に自信を持って答えられない
・何かトラブルがあった場合対応できない
・質の良いサービスを提供できていない可能性がある
・お金の流れが把握できない
エステに関する知識が乏しければ、サロンで使用するマシンやエステで扱う商品を最大限に活かして施術するのは難しいでしょう。
また、エステに来られるお客様は美容知識を持った方も多いです。
質問に対して迷ったり、ありきたりな回答をしたりと満足の行く対応が得られなければリピートにつながりません。
こういった問題は資格の取得に限らず、日々の勉強も必要になってきます。
美容業界は常に新しい情報が出続けているので、ただ稼ぎたいからと安易な気持ちで開業するのは危険です。
また、エステに関する知識があっても、経験や技術がない場合、質の良い施術が行えていない場合もあります。
資格取得が難しかったとしても、セミナーや講習会に積極的に通う必要があるでしょう。
趣味でエステサロンを開業する訳ではないので、経営についての知識も必要になります。
開業資金・運転資金・仕入れ・売上など、経営者としてある程度のお金の流れがわからなければ、安定した経営は難しいです。
開業する際に有利な資格とは?
エステに限らず、開業するにあたって有利になるのは経営に関する資格です。
法務や財務等に関する知識を身に付けておけば、今後の経営に役に立ちます。
本業としての資格ではないので、ここでは取得のハードルが低く役立つ資格を2つ紹介します。
ファイナンシャルプランナー
サロン経営では、資金繰りや税金など金銭面での知識が必要になります。
ファイナンシャルプランナーの資格があれば、お金の流れを把握できます。
財務や税務、資産運用、事業運営でのリスク回避、的確な判断が可能になるでしょう。
帳簿や資料を読み取ることで、会社の経営状況も理解できるようになります。
また、ファイナンシャルプランナーはサロン経営だけでなく、自身の生活設計でも役立つ資格です。
生命保険、損害保険などで不要な部分がわかるので、自分に合ったものを選択できます。
日商簿記検定2級
簿記検定には、主催者の違いによっていくつか種類があります。
中でも、認知度の高い日商簿記検定2級を取得しておくのがおすすめです。
簿記は、会社のお金の流れを仕分け、帳簿に記録していくことを意味します。
経理業務を自身で行うのであれば、必要となる資格です。
資格を取得していれば、経理を税理士に依頼しない分経費の削減が期待できます。
資格は、3級の取得でも良いですが、有利に働くのは2級です。
2級は、3級に比べ出題範囲も広く、内容も専門的なものになってきます。
取得を急ぐ場合は、独学ではなく講座に通うと良いでしょう。
稼げる資格としても人気なので、取得して損のない資格と言えます。
顧客満足度・リピーターにつながる資格とは?
エステティシャンになるためには資格は必要ありませんが、技術や知識を証明するために資格を取得するケースが多いです。
資格の保有はお客様の信頼を得られるだけではなく、自分にとっての自信にもつながります。
また、認定校での資格取得は独学では得られない最新の技術や知識が得られます。
可能であれば資格取得を検討してみましょう。
ここでは、日本で取得できる認定エステティシャンの資格を紹介します。
AJESTHE認定エステティシャン
エステの基本的な知識や技術を習得し、適切なサービスを提供できる能力を証明する資格です。
取得するには、一般社団法人日本エステティック協会の認定校に入学し、最低300時間以上のコースを修了するか、エステティシャンとして実務経験が1年以上ある場合に取得できます。
試験は技術力確認試験(フェイシャル・ボディマッサージ)と筆記試験の両方が実施されます。
AEA認定エステティシャン
エステの知識・技術を習得し、注意事項を理解しつつ安全にサービスを提供できる能力を身に付けられる資格です。
取得方法や試験内容はAJESTHE認定エステティシャンと同様です。
CIDESCO(シデスコ)国際ライセンス
世界水準の理論・技術を兼ね備え、品質が高く評価されている国際資格としてCIDESCO(シデスコ)があります。
世界水準の証明なのでエステティシャンのプロとして活躍できるでしょう。
CIDESCO国際認定校で訓練を受け、卒業して取得するケース、エステティシャンとして働き一般受験で資格取得するケースがあります。
CIDESCO衛生管理資格
一般社団法人 CIDESCO-NIPPONでは、日本の認定資格を保有するエステティシャンだけが受験できるCIDESCO衛生管理資格が用意されています。
ビューティー、アロマ、スパセラピーと3種類のディプロマがあり、CIDESCO国際認定校を卒業して取得する方法とエステティシャンとして働きながら一般受験で取得する方法があります。
このように、エステサロン開業に有利に働く資格は数多くあります。
資格を取得する前に、まずは自分にとって役に立つ資格かどうかを検討しましょう。
勉強にかかった時間や労力が無駄になるケースもあるからです。
共同で起業する相手や従業員に有資格者を揃えているなら、自分自身が無資格であっても問題ない場合もあります。
自分がどのような立場で、エステサロンをどのように運営していきたいのか、開業前によく考えておきましょう。
今回は無資格でエステサロンを開業できるのか、問題点と有利に働く資格について紹介しました。
無資格でも開業は可能ですが、お客様を獲得し問題なく経営を続けていくには資格の取得は重要になってきます。
また、エステの資格だけではなく会計や財務、法律といった経営に役立つ資格を取得していると、あらゆる場面で活用できます。
資格を検討する場合はやみくもに取得するより、自分にとって必要な資格を見極めることが大切です。
自分の望むエステサロンを開業するために、この記事を参考にしつつ戦略的に準備を進めていきましょう。