最近は子育てもしながら仕事をするために、起業を選択する女性が増えています。
ママ起業家が選ぶビジネスには色々な種類がありますが、エステサロンといった美容業は人気のある業種の一つです。
エステサロン開業をするにあたって、子育て中でも開業できるのか、どんな資格が必要なのかといった不安や疑問を持っている人もいるでしょう。
そこで今回は、子育て中の女性がサロン開業するメリットや必要な資格、開業する際のポイントなどについて解説します。
子育てと仕事を両立させるためにエステサロン開業を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
子育てと仕事を両立するママ起業が増加中
起業というとリスクを感じる人は多いですが、最近は子育てをしながら事業を展開するママ起業家が増加傾向にあります。
日本政府金融公庫の「2024年度新規開業実態調査」によると、直近10年間で起業した女性の割合は以下のようになっています。
・2016年:18.2%
・2017年:18.4%
・2018年:19.9%
・2019年:19.0%
・2020年:21.4%
・2021年:20.7%
・2022年:24.5%
・2023年:24.8%
・2024年:25.5%
このように、女性起業家は年々増加傾向にあり、2024年度は調査開始以降最も高い割合となっています。
また、同調査では起業時の年齢で最も多いのは40代、次いで30代となっているので、子育て中に開業している人は多いと言えます。
子どもが小さいうちに仕事を両立するのは、非常に大変なことです。
しかし、最近は時間や場所に縛られず働ける環境やスタイルが登場したことで、起業のハードルが下がっています。
また、起業であればライフスタイルに合わせて仕事の調整がしやすいため、起業を選択するママさんが増えているのです。
ずっと家事や子育てに明け暮れる生活はメリハリがなく、そんな日々が続くことに苦痛を感じる人もいるかもしれません。
仕事をする時間を作ることは、家事や育児から少しだけ離れることができるので、ある意味で気分転換にもなるでしょう。
ママ起業に向いている事業は色々ありますが、美容に興味があるのであればエステサロン開業がおすすめです。
自宅でサロンを開いたり、出張サロンという形でも開業できたりするので、工夫次第で子育て中の女性も自分のエステサロンを持つことができます。
エステサロン開業に資格は必要?
エステサロンを開業するのに、特別な資格は不要です。
ただし、まつエクやまつげパーマなど一部の施術をするためには専門の資格が必要です。
資格がなくてもエステサロンは開業可能ですが、美容関連の検定や資格を取得することには大きなメリットがあります。
検定や資格は、特定の分野に関する一定レベルの専門知識や技術を持っていることを客観的に証明することが可能です。
専門的な知識・技術を持つ人が経営しているエステサロンということに、顧客も安心感を持ってくれるでしょう。
また、検定・資格取得に向けた勉強をする中で、新しい知識や技術を身に付けられるメリットがあります。
お客様からの信頼獲得やスキルアップのために、開業するエステサロンに関連する資格を取得しておくと良いと言えるでしょう。
エステサロン開業におすすめの資格3選
子育て中の女性のエステサロン開業に役立つ資格には、様々な種類があります。
何の資格が必要になるかは、どのようなサロンを経営するのかによって異なりますが、参考としておすすめの美容系資格を3つご紹介します。
公認ファスティングカウンセラー
一般財団法人 内面美容医学研究機構(IBMF)が認定する資格です。
ファスティングに関する専門知識を有していることを証明する資格になります。
たった1日6時間の集中講座で、最新の酵素栄養学やダイエット理論などの知識を身に付けることが可能です。
サロンでファスティングメニューを取り入れたり、お客様にダイエットや体調管理に関するアドバイスしてサロンの付加価値を高めたりしたい時に役立ちます。
AJESTHE認定エステティシャン
一般社団法人 日本エステティック協会が認定する資格です。
エステの基本知識・技術を持ち、担当範囲のエステティックサービスを適切に提供できることを証明できます。
受験するためには、エステティシャンセンター試験の合格に加えて、認定校に入学して300時間以上コースか1000時間以上コースを修了するか、実務経験を1年以上積む必要があります。
認定校の中には通信教育もあるため、子育て中の女性も資格取得を目指すことが可能です。
なお、資格取得後2年以上の実務経験があれば、上位資格の受験ができます。
AEA認定エステティシャン
一般社団法人日本エステティック業協会が認定している資格です。
3つある資格の初級資格になり、エステティシャンとしての基本的な専門知識や技術レベルを客観的に証明できます。
認定校で300時間以上のカリキュラムを履修することで、受験資格を得られます。
こちらも通信教育の認定校があるので、子育て中の女性も資格が取りやすいでしょう。
資格取得後、認定校で1000時間以上のカリキュラムを履修したり、実務経験を2年積んだりすれば、上位資格の取得を目指せます。
子育て中の女性がエステサロン開業する際の注意点
子育て中の女性がエステサロン開業を成功させるためにも、注意したいポイントをご紹介します。
子育てと両立できる開業スタイルを選ぶ
エステサロンの開業スタイルは、子育てと両立しやすいものを選びましょう。
開業スタイルには、自宅開業・マンション開業・テナント開業・出張型といった種類があります。
マンションやテナント開業の場合、自宅以外の場所でサロンを開くことになるので、オーナーや家族のプライバシーは守られます。
しかし、仕事場に移動する手間がかかったり、家賃の支払いが発生したりする点がデメリットです。
自宅開業であれば、移動の手間や家賃の支払いが発生することがないので、子育て中の女性も開業しやすいでしょう。
また、出張型はお客様の自宅などに出向いて施術を提供する形であるため、店舗を用意する必要がありません。
完全予約制にすれば、時間の融通も利くため、こちらも子育て中の女性に向いている開業スタイルと言えるでしょう。
家族からの理解を得る
エステサロンの開業をするためには、まず家族から理解を得られなければなりません。
子育てしながら起業するとなると、家族の協力は必要不可欠です。
例えば、お客様の施術をする間は子どもを見ることができないので、夫や両親など他の家族に面倒を見てもらう必要があるでしょう。
仕事中は保育園に子どもを預けているケースでも、施術中に急病などで呼び出しがあっても、お客様をほったらかしにはできないので、他の家族に迎えに行ってもらう必要があります。
自宅をサロンとして利用する場合、お客様を自宅に招くことも理解してもらわなければなりません。
独立して働くことはすべてが自由というわけではないので、家族としっかり話し合い、受け入れてもらうことが開業するための第一歩です。
自分や家族の負担を減らすために、家事代行や宅配サービス、ベビーシッターなど子育てをサポートしてくれるサービスの利用も家族で話し合い検討すると良いでしょう。
収支シミュレーションを行う
エステサロンの開業にはそれなりの資金が必要であり、開業後もしばらくは利益があまり出ないという状況が続きます。
せっかく開業しても赤字になってしまっては、本末転倒です。
そのため、開業までに収支シミュレーションを行い、月々の支出がどのくらいになるのか、どのくらいの売上目標が必要なのか出していきましょう。
月々の支出や売上目標が明確になると、メニュー価格や想定稼働時間などを設定しやすくなります。
また、子育て中の女性は仕事ができる時間が限られるため、実際に働ける時間を考慮して提供するメニュー・サービスを検討しましょう。
子育てをしながら仕事をするのは簡単なことではありません。
しかし、起業であれば時間や場所に縛られず働くことができるので、育児と両立しながら自分のやりたい仕事ができます。
エステサロンは、工夫次第で子育て中の女性もチャレンジしやすい業種です。
美容に関心があり、仕事にしたいと考えているのであれば、今から資格取得や開業の準備を検討してみてはいかがでしょうか。